60分以内で読める青空文庫の中編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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乳を刺す | 邦枝完二 | 60分以内 | |
星灯ろう陰暦七月、盛りの夏が過ぎた江戸の町に、初秋の風と共に盂蘭盆が訪れると、人々の胸には言い合わせたように、亡き人懐かしいほのかな思いと共に、三界万霊などという言葉が浮いてくる。 | |||
チェーホフ試論 | 神西清 | 60分以内 | |
チェーホフの人柄については、コロレンコ、クープリン、ブーニン、ゴーリキイの回想をはじめ、弟ミハイール、妻オリガ、スタニスラーフスキイなど芸術座の人びと、そのほか無数といっていいほどの遠近の知人による証言がある。 | |||
歌麿懺悔 | 邦枝完二 | 60分以内 | |
「うッふふ。 | |||
曲亭馬琴 | 邦枝完二 | 60分以内 | |
きのう一日、江戸中のあらゆる雑音を掻き消していた近年稀れな大雪が、東叡山の九つの鐘を別れに止んで行った、その明けの日の七草の朝は、風もなく、空はびいどろ鏡のように澄んで、正月とは思われない暖かさが、万年青の鉢の土にまで吸い込まれていた。 | |||
鏑木さん雑感 | 木村荘八 | 60分以内 | |
ぼくは鏑木さんに面と向ふと「先生」と呼ぶ。 | |||
小杉放庵 | 木村荘八 | 60分以内 | |
これはしかつめらしい小杉論でもなければ、小杉伝でもない。 | |||
「八島」語りの研究 | 折口信夫 | 60分以内 | |
春のはじめに、私は「八島」を語らうと思ひ立つた。 | |||
両国界隈 | 木村荘八 | 60分以内 | |
永井さん(荷風子)が「日和下駄」の中の一節に路地について記された件りがある。 | |||
私のこと | 木村荘八 | 60分以内 | |
………生ひ立ちについて記せといふことですが、生ひ立ち万端すべていつか記しつくしたやうに思ひます。 | |||
異版 浅草灯籠 | 正岡容 | 60分以内 | |
花川戸の家人生辛酸を幾多経た今日でも私の記憶から喪失することのできないのは、三歳から十四歳までの春秋をおくつた浅草花川戸の家である。 | |||
ながうた勧進帳 | 酒井嘉七 | 60分以内 | |
師匠の名は杵屋花吉と申されました。 | |||
初看板 | 正岡容 | 60分以内 | |
上……つらつら考えてみると、こんな商売のくせに私はムッツリしてていったい、平常はあなたもご存じの通りに口が重たいほうなのに、しかもいたってそそっかしい。 | |||
寄席風流 | 正岡容 | 60分以内 | |
寄席の庭町中や庭持つ寄席の畳替龍雨かうしたいまは絶えて見られなくなつてしまつた寄席の庭のおもかげ。 | |||
戞々たり 車上の優人 | 折口信夫 | 60分以内 | |
まことに、人間の遭遇ほど、味なものはない。 | |||
夏芝居 | 折口信夫 | 60分以内 | |
真夏の天地は、昼も夜も、まことに澄みきつた寂しさである。 | |||
実川延若讃 | 折口信夫 | 60分以内 | |
「女殺油ノ地獄」の芝居を、見て戻つた私である。 | |||
懐疑思潮に付て | 朝永三十郎 | 60分以内 | |
「懷疑思潮に付て」といふ題で御話を致します。 | |||
進化学より見たる哲学 | 加藤弘之 | 60分以内 | |
井上哲博士が先頃心理學會で「哲學より見たる進化論」と云ふ題にて講演されたとのことで、それが哲學雜誌の第二十五卷第二百八十一號に掲載してある、それを讀で見ると余の意見とは全く反對であるから余は今囘「進化學より見たる哲學」と云ふ題で聊か批評を試みたいと考へたのである、併し余は進化學も哲學も十分に知て居るのではないから井上博士の説を批評する抔いふことは頗る大膽すぎたことで到底物にはなるまいと思ふ、豫め此事を申述て置く。 | |||
ある恋の話 | 菊池寛 | 60分以内 | |
私の妻の祖母は――と云って、もう三四年前に死んだ人ですが――蔵前の札差で、名字帯刀御免で可なり幅を利かせた山長――略さないで云えば、山城屋長兵衛の一人娘でした。 | |||
藤十郎の恋 | 菊池寛 | 60分以内 | |
元禄と云う年号が、何時の間にか十余りを重ねたある年の二月の末である。 | |||
顔 | 堀辰雄 | 60分以内 | |
路易はすぐ顏をぱあつと赤くした。 | |||
水族館 | 堀辰雄 | 60分以内 | |
私は諸君に、このなんとも説明のしやうのない淺草公園の魅力を、出來るだけ完全に理解させるためには、私の知つてゐるかぎりの淺草についての千個の事實を以てするより、私の空想の中に生れた一個の異常な物語を以てした方が、一そう便利であると信ずる。 | |||
生者と死者 | 堀辰雄 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]閑古鳥[#改ページ]或る夏、一つのさるすべりの木が私を魅してゐた。 | |||
ふるさとびと | 堀辰雄 | 60分以内 | |
おえふがまだ二十かそこいらで、もう夫と離別し、幼兒をひとりかかへて、生みの親たちと一しよに住むことになつた分去れの村は、その頃、みるかげもない寒村になつてゐた。 | |||
萩原朔太郎 | 堀辰雄 | 60分以内 | |
萩原朔太郎は明治十九年十一月一日*、上州赤城山の麓、利根川のほとりの小さき都會である前橋市に生れた。 | |||
捨吉 | 三好十郎 | 60分以内 | |
星はない風もたえた人ごえも消えたこの驛を出た列車がすでに山の向うで溜息を吐く白いフォームに[#「フォームに」は底本では「フオームに」]おれとおれの影と驛長と驛長の影とそれだけがあつた見はるかす高原はまだ宵なのにシンシンと太古からのように暗いその中で秋草がハッカの匂いをさせて寢ていた海拔三千尺の氣壓の輕さがおれの肺から空氣をう... | |||
詩劇「水仙と木魚」 | 三好十郎 | 60分以内 | |
プロローグ私は京極光子と申します年は十七年三カ月学問は中学を卒業しただけで病気のために寝たきりで自分一人では一メートルも動けない詩を読んだのは宮沢賢治とホーマアのオデッセィの二冊だけですその私が、おどろくなかれ水仙と木魚という題で長い長い詩を書きますからどうぞ皆さん覚悟してくださいなこの中で私は人類よ、思いあがって水爆や原爆なんぞをポカポカとおっことして地球をこ... | |||
プルウスト雑記 | 堀辰雄 | 60分以内 | |
一九三二年七月七日今朝、僕はこんな夢を見た。 | |||
巴里の手紙 | ライネル・マリア・リルケ | 60分以内 | |
ライネル・マリア・リルケは一九〇二年八月末はじめて巴里に出た。 | |||
「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から | ライネル・マリア・リルケ | 60分以内 | |
九月十一日、トゥリエ街にて一體、此處へは人々は生きるためにやつて來るのだらうか?寧ろ、此處は死場所なのだと思つた方がよくはないのか知らん?私はいま其處から追ひ出されてきた。 | |||
探偵戯曲 仮面の男 | 平林初之輔 | 60分以内 | |
人物青木健作富豪久子青木夫人芦田義資警視庁探偵牧芦田の腹心の警部補東山亜細亜新聞社会部長書生正木夫人島村夫人塩田夫人ある富豪文枝ある富豪の娘、東山の許嫁女中園遊会の客男女多勢、警官多勢第一幕第一場成金実業家青木邸の主人の居間、室内の家具、装飾等卑俗なくらいにけばけばしい洋室である。 | |||
五色蟹 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
わたしはさきに「山椒の魚」という短い探偵物語を紹介した。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
空はすでに朝。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
ひどい風だ。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
三十間堀の色物席柳江亭の軒に、懸け行燈が油紙に包まれて、雨に煙っていた。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
「勘の野郎を起すほどのことでもあるめえ。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
がらり、紅葉湯の市松格子が滑ると、角の髪結海老床の親分甚八、蒼白い顔を氷雨に濡らして覗き込んだ。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
「あっ!こ、こいつぁ勘弁ならねえ。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
近江屋の隠居が自慢たらたらで腕を揮った腰の曲がった蝦(えび)の跳ねている海老床の障子に、春は四月の麗かな陽が旱魃(ひでり)つづきの塵埃(ほこり)を見せて、焙烙(ほうろく)のように燃えさかっている午さがりのことだった。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
「夫れ謹み敬いて申し奉る、上は梵天帝釈四大天王、下は閻魔法王五道冥官、天の神地の神、家の内には井の神竈(かまど)の神、伊勢の国には天照皇大神宮、外宮には四十末社、内宮には八十末社、雨の宮風の宮、月読日読の大御神、当国の霊社には日本六十余州の国、すべての神の政所、出雲の国の大社、神の数は九万八千七社の御神、仏の数は一万三千四個の霊場、冥道を驚かし此に降し奉る、おそれありや。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
紫に明ける大江戸の夏。 | |||
釘抜藤吉捕物覚書 | 林不忘 | 60分以内 | |
「ちぇっ、朝っぱらから勘弁ならねえ。 | |||
三つの痣 | 小酒井不木 | 60分以内 | |
法医学者B氏は語る。 | |||
呪われの家 | 小酒井不木 | 60分以内 | |
近ごろ名探偵としてその名を売り出した警視庁警部霧原庄三郎氏は、よく同僚に向ってこんなことを言う。 | |||
謎の咬傷 | 小酒井不木 | 60分以内 | |
これも霧原警部の「特等訊問」の話である。 | |||
人工心臓 | 小酒井不木 | 60分以内 | |
私が人工心臓の発明を思い立った抑ものはじまりは、医科大学一年級のとき、生理学総論の講義で、「人工アメーバ」、「人工心臓」の名を聞いた時でした。 | |||
死の接吻 | 小酒井不木 | 60分以内 | |
その年の暑さは格別であった。 | |||
好色破邪顕正 | 小酒井不木 | 60分以内 | |
探偵志願戸針康雄は、訪問者が丑村という刑事であることを知るなり、ぎくりとして、思わずも手にして居た新聞紙を取り落した。 | |||
アパートの殺人 | 平林初之輔 | 60分以内 | |
前がき外濠に沿った電車通りに、山の手アパートという三層のビルディングがある。 | |||
祭の夜 | 平林初之輔 | 60分以内 | |
油小路の五条を少し上がったところに島田寓と女文字でしるした一軒のしもた家があります。 |