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鉄の規律

平林初之輔

『鉄の規律』は青空文庫で公開されている平林初之輔の中編作品。16,332文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内
16,332文字
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書出

今から何年か前、詳しく言えば、千九百――年の夏のある日、午後八時頃ポーラー〔(通気性に富む上等の織物)〕の上着に白セル〔薄地の織物〕のズボンをつけ、新しいパナマをかぶって、顔にマスクをつけた、背の高い男が、銀座三丁目の常盤ビルディングの六階の一室へ、ふらりとはいってきた。

初出「新青年 第一二巻第一〇号」1931(昭和6)年8月号
底本平林初之輔探偵小説選Ⅱ〔論創ミステリ叢書2〕
表記
新字新仮名
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