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60分以内で読める泉鏡花の中編作品

青空文庫で公開されている泉鏡花の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

1-48件 / 全48件
作品名著者読了時間人気
天守物語泉鏡花
60分以内
時  不詳。
多神教泉鏡花
60分以内
場所  美濃、三河の国境。
竜潭譚泉鏡花
60分以内
[#ページの左右中央] 躑躅か丘  鎮守の社  かくれあそび  おう魔が時  大沼  五位鷺  九ツ谺  渡船  ふるさと  千呪陀羅尼 [#改ページ] 躑躅か丘  日は午なり。
海神別荘泉鏡花
60分以内
時。
貝の穴に河童の居る事泉鏡花
60分以内
雨を含んだ風がさっと吹いて、磯の香が満ちている――今日は二時頃から、ずッぷりと、一降り降ったあとだから、この雲の累った空合では、季節で蒸暑かりそうな処を、身に沁みるほどに薄寒い。
春昼後刻泉鏡花
60分以内
二十四  この雨は間もなく霽れて、庭も山も青き天鵞絨に蝶花の刺繍ある霞を落した。
浮舟泉鏡花
60分以内
一 「浪花江の片葉の蘆の結ぼれかかり――よいやさ。」  と蹌踉として、 「これわいな。……いや、どっこいしょ。」  脱いで提げたる道中笠、一寸左手に持換えて、紺の風呂敷、桐油包、振分けの荷を両方、蝙蝠の憑物めかいて、振落しそうに掛けた肩を、自棄に前に突いて最一つ蹌踉ける。
浅茅生泉鏡花
60分以内
一  鐘の聲も響いて來ぬ、風のひつそりした夜ながら、時刻も丁ど丑滿と云ふのである。
朱日記泉鏡花
60分以内
一 「小使、小ウ使。」  程もあらせず、……廊下を急いで、もっとも授業中の遠慮、静に教員控所の板戸の前へ敷居越に髯面……というが頤頬などに貯えたわけではない。
海城発電泉鏡花
60分以内
一 「自分も実は白状をしようと思ったです。」  と汚れ垢着きたる制服を絡える一名の赤十字社の看護員は静に左右を顧みたり。
甲乙泉鏡花
60分以内
一  先刻は、小さな女中の案内で、雨の晴間を宿の畑へ、家内と葱を抜きに行った。
麻を刈る泉鏡花
60分以内
明治十二三年頃の出版だと思ふ――澤村田之助曙双紙と云ふ合卷ものの、淡彩の口繪に、黒縮緬の羽織を撫肩に引つ掛けて、出の衣裝の褄を取つた、座敷がへりらしい、微醉の婀娜なのが、俥の傍に彳ずんで、春たけなはに、夕景色。
十和田湖泉鏡花
60分以内
一 「さて何うも一方ならぬ御厚情に預り、少からぬ御苦労を掛けました。道中にも旅店にも、我儘ばかり申して、今更お恥しう存じます、しかし俥、駕籠……また夏座敷だと申すのに、火鉢に火をかんかん……で、鉄瓶の湯を噴立たせるなど、私としましては、心ならずも止むことを得ませんので、決して我意を募らせた不届な次第ではありません。――これは幾重にも御諒察を願はしう存じます。  ――古間木(東北本線)へお出迎ひ下
露萩泉鏡花
60分以内
「これは槙さん入らっしゃい。」 「今晩は――大した景気ですね。」 「お化に景気も妙ですが、おもいのほか人が集りましたよ。」  最近の事である。
菊あわせ泉鏡花
60分以内
「蟹です、あのすくすくと刺のある。……あれは、東京では、まだ珍らしいのですが、魚市をあるいていて、鮒、鰡など、潟魚をぴちゃぴちゃ刎ねさせながら売っているのと、おし合って……その茨蟹が薄暮方の焚火のように目についたものですから、つれの婦ども、家内と、もう一人、親類の娘をつれております。――ご挨拶をさせますのですが。」  画工、穂坂一車氏は、軽く膝の上に手をおいた。
遺稿泉鏡花
60分以内
この無題の小説は、泉先生逝去後、机辺の篋底に、夫人の見出されしものにして、いつ頃書かれしものか、これにて完結のものか、はたまた未完結のものか、今はあきらかにする術なきものなり。
妖魔の辻占泉鏡花
60分以内
一  伝へ聞く……文政初年の事である。
化鳥泉鏡花
60分以内
一  愉快いな、愉快いな、お天気が悪くって外へ出て遊べなくっても可いや、笠を着て、蓑を着て、雨の降るなかをびしょびしょ濡れながら、橋の上を渡って行くのは猪だ。
海異記泉鏡花
60分以内
一  砂山を細く開いた、両方の裾が向いあって、あたかも二頭の恐しき獣の踞ったような、もうちっとで荒海へ出ようとする、路の傍に、崖に添うて、一軒漁師の小家がある。
売色鴨南蛮泉鏡花
60分以内
一  はじめ、目に着いたのは――ちと申兼ねるが、――とにかく、緋縮緬であった。
続銀鼎泉鏡花
60分以内
一  不思議なる光景である。
山吹泉鏡花
60分以内
序 山吹の花の、わけて白く咲きたる、小雨の葉の色も、ゆあみしたる美しき女の、眉あおき風情に似ずやとて、―― 時  現代。
葛飾砂子泉鏡花
60分以内
縁日  柳行李  橋ぞろえ  題目船  衣の雫  浅緑 記念ながら [#改ページ]      縁日        一  先年尾上家の養子で橘之助といった名題俳優が、年紀二十有五に満たず、肺を煩い、余り胸が痛いから白菊の露が飲みたいという意味の辞世の句を残して儚うなり、贔屓の人々は謂うまでもなく、見巧者をはじめ、芸人の仲間にも、あわれ梨園の眺め唯一の、白百合一つ萎んだりと、声を上げて惜しみ
清心庵泉鏡花
60分以内
一  米と塩とは尼君が市に出で行きたまうとて、庵に残したまいたれば、摩耶も予も餓うることなかるべし。
間引菜泉鏡花
60分以内
わびしさ……侘しいと言ふは、寂しさも通越し、心細さもあきらめ氣味の、げつそりと身にしむ思の、大方、かうした時の事であらう。
二世の契泉鏡花
60分以内
一  真中に一棟、小さき屋根の、恰も朝凪の海に難破船の俤のやう、且つ破れ且つ傾いて見ゆるのは、此の広野を、久しい以前汽車が横切つた、其の時分の停車場の名残である。
国貞えがく泉鏡花
60分以内
一  柳を植えた……その柳の一処繁った中に、清水の湧く井戸がある。
二、三羽――十二、三羽泉鏡花
60分以内
引越しをするごとに、「雀はどうしたろう。」もう八十幾つで、耳が遠かった。
薬草取泉鏡花
60分以内
一 日光掩蔽  地上清涼  靉靆垂布  如可承攬 其雨普等  四方倶下  流樹無量  率土充洽 山川険谷  幽邃所生  卉木薬艸  大小諸樹 「もし憚ながらお布施申しましょう。」  背後から呼ぶ優しい声に、医王山の半腹、樹木の鬱葱たる中を出でて、ふと夜の明けたように、空澄み、気清く、時しも夏の初を、秋見る昼の月の如く、前途遥なる高峰の上に日輪を仰いだ高坂は、愕然として振返った。
伯爵の釵泉鏡花
60分以内
一  このもの語の起った土地は、清きと、美しきと、二筋の大川、市の両端を流れ、真中央に城の天守なお高く聳え、森黒く、濠蒼く、国境の山岳は重畳として、湖を包み、海に沿い、橋と、坂と、辻の柳、甍の浪の町を抱いた、北陸の都である。
みさごの鮨泉鏡花
60分以内
一 「旦那さん、旦那さん。」  目と鼻の前に居ながら、大きな声で女中が呼ぶのに、つい箸の手をとめた痩形の、年配で――浴衣に貸広袖を重ねたが――人品のいい客が、 「ああ、何だい。」 「どうだね、おいしいかね。」  と額で顔を見て、その女中はきょろりとしている。
木の子説法泉鏡花
60分以内
「――鱧あみだ仏、はも仏と唱うれば、鮒らく世界に生れ、鯒へ鯒へと請ぜられ……仏と雑魚して居べし。されば……干鯛貝らいし、真経には、蛸とくあのく鱈――」  ……時節柄を弁えるがいい。
半島一奇抄泉鏡花
60分以内
「やあ、しばらく。」  記者が掛けた声に、思わず力が入って、運転手がはたと自動車を留めた。
古狢泉鏡花
60分以内
「しゃッ、しゃッ、しゃあっ!……」  寄席のいらっしゃいのように聞こえるが、これは、いざいざ、いでや、というほどの勢いの掛声と思えば可い。
小春の狐泉鏡花
60分以内
一  朝――この湖の名ぶつと聞く、蜆の汁で。
菎蒻本泉鏡花
60分以内
一  如月のはじめから三月の末へかけて、まだしっとりと春雨にならぬ間を、毎日のように風が続いた。
第二菎蒻本泉鏡花
60分以内
一  雪の夜路の、人影もない真白な中を、矢来の奥の男世帯へ出先から帰った目に、狭い二階の六畳敷、机の傍なる置炬燵に、肩まで入って待っていたのが、するりと起直った、逢いに来た婦の一重々々、燃立つような長襦袢ばかりだった姿は、思い懸けずもまた類なく美しいものであった。
白金之絵図泉鏡花
60分以内
一  片側は空も曇って、今にも一村雨来そうに見える、日中も薄暗い森続きに、畝り畝り遥々と黒い柵を繞らした火薬庫の裏通、寂しい処をとぼとぼと一人通る。
茸の舞姫泉鏡花
60分以内
一 「杢さん、これ、何?……」  と小児が訊くと、真赤な鼻の頭を撫でて、 「綺麗な衣服だよう。」  これはまた余りに情ない。
灯明之巻泉鏡花
60分以内
一 「やあ、やまかがしや蝮が居るぞう、あっけえやつだ、気をつけさっせえ。」 「ええ。」  何と、足許の草へ鎌首が出たように、立すくみになったのは、薩摩絣の単衣、藍鼠無地の絽の羽織で、身軽に出立った、都会かららしい、旅の客。
開扉一妖帖泉鏡花
60分以内
ただ仰向けに倒れなかったばかりだったそうである、松村信也氏――こう真面目に名のったのでは、この話の模様だと、御当人少々極りが悪いかも知れない。
縁結び泉鏡花
60分以内
一  襖を開けて、旅館の女中が、 「旦那、」  と上調子の尻上りに云って、坐りもやらず莞爾と笑いかける。
琵琶伝泉鏡花
60分以内
一  新婦が、床杯をなさんとて、座敷より休息の室に開きける時、介添の婦人はふとその顔を見て驚きぬ。
伊勢之巻泉鏡花
60分以内
昔男と聞く時は、今も床しき道中姿。
露肆泉鏡花
60分以内
一  寒くなると、山の手大通りの露店に古着屋の数が殖える。
怨霊借用泉鏡花
60分以内
一  婦人は、座の傍に人気のまるでない時、ひとりでは按摩を取らないが可いと、昔気質の誰でもそう云う。
遺稿泉鏡花
60分以内
この無題の小説は、泉先生逝去後、机邊の篋底に、夫人の見出されしものにして、いつ頃書かれしものか、これにて完結のものか、はたまた未完結のものか、今はあきらかにする術なきものなり。
夫人利生記泉鏡花
60分以内
瑠璃色に澄んだ中空の樹の間から、竜が円い口を張開いたような、釣鐘の影の裡で、密と、美麗な婦の――人妻の――写真を視た時に、樹島は血が冷えるように悚然とした。
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