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貝の穴に河童の居る事

泉鏡花

『貝の穴に河童の居る事』は青空文庫で公開されている泉鏡花の中編作品。18,492文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
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60分以内
18,492文字
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書出

雨を含んだ風がさっと吹いて、磯(いそ)の香が満ちている――今日は二時頃から、ずッぷりと、一降り降ったあとだから、この雲の累った空合では、季節で蒸暑かりそうな処を、身に沁(し)みるほどに薄寒い。

初出「古東多万 第一年第一號」やぼんな書房、1931(昭和6)年9月
底本泉鏡花集成8
表記
新字新仮名
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