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5分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
(概念が明白となれば)中原中也
5分以内
概念が明白となればそれの所産は観念でした観念の恋愛とは焼砂ですか紙で包んで棄てませう馬鹿な美人人間に倦きがなかつたら彼岸の見えない川があつたら反省は咏嘆を生むばかりです自分と過去とを忘れて他人と描ける自分との恋をみつめて進むんだ上手者なのに何故結果が下手者になるのでせう女よそれを追求して呉れ。
(汽車が聞える)中原中也
5分以内
汽車が聞える蓮華の上を渡つてだらうか内的な刺戟で筆を取るダダイストは勿論サンチマンタルですよ。
(酒は誰でも酔はす)中原中也
5分以内
酒は誰でも酔はすだがどんな傑れた詩も字の読めない人は酔はさない――だからといつて酒が詩の上だなんて考へる奴あ「生活第一芸術第二」なんて言つてろい自然が美しいといふことは自然がカンヴァスの上でも美しいといふことかい――そりや経験を否定したらインタレスチングな詩は出来まいがね――だが「それを以てそれを現すべからず」つて言葉を覚えとけえ科学が個々ばかりを考へて文学が関係ばかりを考へ過ぎ...
(酒)中原中也
5分以内
酒梅原因が分りません蜘蛛は五月雨に逃げ場を失ひましたキセルを折れキセルを折れ犬が骨を……ヘン、如何です?。
(題を附けるのが無理です)中原中也
5分以内
トランプの占ひで日が暮れました――オランダ時計の罪悪です喩へ話の上に出来た喩へ話――誰です法律ばかり研究してるのは林檎の皮に灯が光るそればかりみてゐても金の時計が真鍮になりますぞ寺院の壁にトンボがとまつたそれは好いがあんまりいたづらは不可ません法則とともに歩く男君のステッキは何といふ緊張しすぎた物笑ひです。
(天才が一度恋をすると)中原中也
5分以内
天才が一度恋をすると思惟の対象がみんな恋人になります。
(成程)中原中也
5分以内
成程共に発見することが楽しみなのかさうか、それでは俺に恋は出来ないお前を知る前既にお前の今後発見することを発見しつくしてゐたから一つの菓子を二人とも好んではゐない一人は大好きで一人が嫌ひです菓子と二人との三角関係菓子は嫌ひな一人からヤカレて仕合せ者だ一番平凡なバランスの要求だのに何故そのバランスが来ないのか髪油の香が尚胸に残つてゐる煙草の香が胸に残つてゐるかしら蛙...
(何と物酷いのです)中原中也
5分以内
何と物酷いのです此の夜の海は――天才の眉毛――いくら原稿が売れなくとも燈台番にはなり給ふなあの白ッ、黒い空の空――卓の上がせめてもです読書くらゐ障げられても好いが書くだけは許して下さい実質ばかりの世の中は淋しからうがあまりにプロパガンダプロパガンダ……だから御覧なさいあんなに空は白黒くともあんなに海は黒くともそして――岩、岩、岩だが中間が空虚です。
(風船玉の衝突)中原中也
5分以内
風船玉の衝突立て膝立て膝スナアソビ心よ!幼き日を忘れよ!煉瓦塀に春を発見した福助人形の影法師孤児の下駄が置き忘れてありました公園の入口ペンキのはげた立札心よ!詩人は着物のスソを狂犬病にクヒチギられたが……!。
(不随意筋のケンクワ)中原中也
5分以内
不随意筋のケンクワハイフェンの多い生活△が○を描いて――あゝスイミツトーが欲しい。
(古る摺れた)中原中也
5分以内
古る摺れた外国の絵端書――唾液が余りに中性だ雨あがりの街道を歩いたが歩いたが飴屋がめつからない唯のセンチメントと思ひますか?――額をみ給へ――一度は神も客観してやりました――不合理にも存在価値はありませうよだが不合理は僕につらい――こんなに先端に速度のある自棄々々々々下駄の歯は僕の重力を何といつて土に訴へます「空は興味だが役に立たないことが淋しい――精...
(ダダイストが大砲だのに)中原中也
5分以内
ダダイストが大砲だのに女が電柱にもたれて泣いてゐましたリゾール石鹸を用意なさいそれでも遂に私は愛されません女はダダイストを普通の形式で愛し得ません私は如何せ恋なんかの上では概念の愛で結構だと思つてゐますに白状します――だけど余りに多面体のダダイストは言葉が一面的なのでだから女に警戒されます理解は悲哀です概念形式を齎しません。
(ダツク ドツク ダクン)中原中也
5分以内
ダツクドツクダクンチエンダンデンピー……フー……ボドー……弁当箱がぬくもる工場の正午は鉄の尖端で光が眠る。
(名詞の扱ひに)中原中也
5分以内
名詞の扱ひにロヂックを忘れた象徴さ俺の詩は宣言と作品との関係は有機的抽象と無機的具象との関係だ物質名詞と印象との関係だ。
(最も純粋に意地悪い奴)中原中也
5分以内
最も純粋に意地悪い奴。
(ツツケンドンに)中原中也
5分以内
ツツケンドンに女は言ひつぱなして出て行つた襖の上に灰がみえる眼窩の顛倒鳥の羽斜に空へ!……対象の知れぬ寂しみ神様はつまらぬものゝみをつくつた盥の底の残り水古いゴムマリ十能が棄てられました雀の声は何といふ生唾液だ!雨はまだ降るだらうかインキ壺をのぞいてニブリ加減をみよう。
(テンピにかけて)中原中也
5分以内
テンピにかけて焼いたろかあんなヘナチヨコ詩人の詩百科辞典を引き廻し鳥の名や花の名やみたこともないそれなんかひつぱり出して書いたつて――だがそれ程想像力があればね――やい!いつたい何が表現出来ました?自棄のない詩は神の詩か凡人の詩かそのどつちかと僕が決めたげます。
(バルザック)中原中也
5分以内
バルザックバルザック腹の皮が収縮する胃病は明治時代の病気らしいそんな退屈は嫌で嫌で悟つたつて昂奮するさ同時性が実在してたまるものか空をみて涙と仁丹雨がまた降つて来る。
(頁 頁 頁)中原中也
5分以内
頁頁頁歴史と習慣と社界意識名誉欲をくさして名誉を得た男もありました認識以前の徹定土台は何時も性慾みたいなもの上に築れたものゝ価値十九世期は土台だけをみて物言ひました○×××○×××○×××飴に皮がありますかい女よダダイストを愛せよ。
夜汽車の食堂中原中也
5分以内
雪の野原の中に、一条のレールがあつて、そのレールのずつと地平線に見えなくなるあたりの空に、大きなお月様がポツカリと出てゐました。
丸之内点景小津安二郎
5分以内
春の夜である。
ここが楢山小津安二郎
5分以内
母は明治八年生れ。
雪の障子島崎藤村
5分以内
めずらしいものが降った。
針木峠の林道 木暮理太郎
5分以内
針木峠は人も知る如く、明治九年に新道が開鑿され、数年の後にそれが再び破壊されてしまってからは、籠川の河原や雪渓を辿ることなしに峠を通過することは殆んど不可能であった。
文字に対する敏感久保田万太郎
5分以内
此頃の発句を作る人ほど、文字に対して敏感を欠いてゐるものも少なからう。
うもれ木田辺竜子
5分以内
一葉女史はおのれと同じ園生にありて萩(はぎ)の舍(や)の露におほし立られし下葉なり萩(はぎ)の舍(や)中島の師は常にいにしへぶりのしなたかきを教さとし給へれど性來のすき心によの耳ちかく俗に今樣の情態をうつさばやの心あつく去年より武藏野に名はあれどにげ水のそこはかとなくかくろひてさのみしる人もなかりしを、今度一部の文として梓(おづさ)にのぼせ、公の評をも乞て、猶此後もこれに盡(つく)さんの料にせまほしとておのれに其(その)よしはし書してよとこはれぬかゝる方に心ふかうものし給へるを常にしたひむ...
新らしき女の道伊藤野枝
5分以内
新らしい女は今迄の女の歩み古した足跡を何時までもさがして歩いては行かない。
寄贈書籍紹介伊藤野枝
5分以内
「妹に送る手紙」水野葉舟氏著(定価五拾銭)実業之日本社発行読み終つた時にこの手紙を受とるといふ単純な美しい処女のお澪(みお)さんを想つた。
セトナ皇子(仮題)中島敦
5分以内
メムフィスなるプタの神殿に仕うる書記生兼図案家、常にウシマレス大王に変らざる忠誠を捧ぐる臣、メリテンサ。
剣の四君子吉川英治
5分以内
題して剣の四君子という。
詩二つ梶井基次郎
5分以内
秘やかな楽しみ一顆の檸檬(レモン)を買い来て、そを玩ぶ男あり、電車の中にはマントの上に、道行く時は手拭の間に、そを見そを嗅げば、嬉しさ心に充つ、悲しくも友に離りてひとり唯独り我が立つは丸善の洋書棚の前、セザンヌはなく、レンブラントはもち去られ、マチス心をよろこばさず、独り唯ひとり、心に浮ぶ楽しみ、秘やかにレモンを探り、色のよき本を積み重ね、その上にレモンをのせ...
饑餓の饗宴ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
5分以内
俺の饑(うゑ)よ、アヌ、アヌ、驢馬に乗つて逃げろ。
餅を買う女岡本綺堂
5分以内
小夜の中山の夜泣石の伝説も、支那から輸入されたものであるらしく、宋の洪邁の「夷堅志」のうちに同様の話がある。
四谷怪談異説岡本綺堂
5分以内
四谷怪談といえば何人もおなじみであるが、扨(さて)その実録は伝わっていない。
聖ぷりずみすとに与う室生犀星
5分以内
尊兄の詩篇に鋭角な玻璃状韻律を発見したのは極めて最近である。
聖三稜玻璃室生犀星
5分以内
尊兄の詩篇に鋭角な玻璃状韻律を發見したのは極めて最近である。
忘春詩集佐藤春夫
5分以内
今朝、室生君からの手紙を枕頭に受け取つて、まだ起きもせずに開いて見ると、忘春詩集に序を書けといふのである。
愛の詩集萩原朔太郎
5分以内
ちちのみの父を負ふものひとのみの肉と骨とを負ふものきみはゆくゆく涙をながしそのあつき氷を踏み夜明けむとするふるさとにあらゆるものを血まみれにする萩原朔太郎。
カン長谷川伸
5分以内
俳句をむかし少し許りやったことがあるのに、いまだに私は俳句がわからない。
長谷川伸
5分以内
『畸人伝』にもあるが清元の『保名』にもその名が残っている小西来山に、だれでも知っているだろう句がある。
雨あがり山之口貘
5分以内
その日、朝は、どしゃ降りなのであったが、午後になると、からりと晴れて、縁側に陽がさした。
初恋のやり直し山之口貘
5分以内
小学校の六年生になってからのこと、ぼくは机の前に座っていても、それは父や兄などの手前で、勉強しているふりをしているにすぎなかった。
ぼろぼろな駝鳥高村光太郎
5分以内
何が面白くて駝鳥を飼うのだ。
僕は精神が好きだ大杉栄
5分以内
僕は精神が好きだ。
啄木とデカルト命題三枝博音
5分以内
最近、或る啄木展で、啄木がデカルト命題に魅せられている書簡を見て、私は青春の啄木を見る気がした。
棋家の文章など三好達治
5分以内
棋客の前田陳爾さんに近づきはないが、その囲碁批評はいつも面白く拝見してゐる。
インチキ文学ボクメツ雑談坂口安吾
5分以内
本日(一九四六年七月七日・日曜)朝食の折から一通の速達が舞いこんできた。
ケシの花三好達治
5分以内
ケシの花はマリー・ロランサンの絵を思はしめる。
銷夏漫筆辰野隆
5分以内
昨年の夏は油汗を流しながら、改造社から頼まれたフローベールの短篇『エロディヤス』を訳して暮した。
記憶ちがい辰野隆
5分以内
「久しぶりだな、全く。
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