5分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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汝自身を知れ | 辰野隆 | 5分以内 | |
大正十年の七月、或日の午後、僕は山田珠樹と並んでスイス、ベルンの街をぶらぶら歩いていた。 | |||
種紙の青む頃 | 前田夕暮 | 5分以内 | |
私は学校から帰るや否や、包みをそこに放り出しておいて、勝手元に駈けあがり、板の間にお膳を持ち出して、おおきな茶碗をかかえるようにしながら、飯櫃から冷たい飯を手盛りにしては、湯をかけて、さらさらと流し込むのである。 | |||
我が一九二二年 | 生田長江 | 5分以内 | |
私達の友人は既に、彼の本性にかなはない総ての物を脱ぎ棄て、すべての物を斥けた。 | |||
小桜姫物語 | 浅野正恭 | 5分以内 | |
本物語は謂わば家庭的に行われたる霊界通信の一にして、そこには些の誇張も夾雑物もないものである。 | |||
小桜姫物語 | 土井晩翠 | 5分以内 | |
霊界通信――即ち霊媒の口を通じ或は手を通じて霊界居住者が現界の我々に寄せる通信、例を挙ぐれば Gerldine Cummins の Beyond Human Personality は所謂「自動書記」の所産である。 | |||
新らしき婦人の男性観 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
世間には可成に女を知りぬいたつもりで、かれこれと女を批評する男が尠(すくな)くないやうですが、それが大抵九分九厘迄は当つてゐないので、こちらの耳へは寧ろ滑稽に聞える位なものです。 | |||
女絵師毒絵具を仰ぐ | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
利欲一点張りの父と思想上の衝突からと云ふ註をつけて女子美術学校を中途でやめた松尾松子と云ふ婦人が将来画家としてたつゝもりで自宅で退学後も研究中の処父は彼女を歯科医として教育することにし度々意見の衝突をしたあげく不本意ながら父の意に従ふことになり近々専門校に入学して研究する筈になつてゐたが矢張り画を描くことを思ひ切ることが出来ずに煩悶し近き頃は家人ともろく/\口もきかず一室にとぢこもつて絵をのみかき哲学の書なども耽読してゐたが何時か自殺を決心して十八日午前二時画用の黄と青の毒絵の具を多量に... | |||
寄贈雑誌 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
月刊『相対』本郷区駒込林町二三〇相対社発行。 | |||
寄贈書籍 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
痴人の懺悔(ストリンドベルヒ著[#改行]木村荘太訳)(定価一円六十銭[#改行]洛陽堂発行)ストリンドベルヒの自伝の一部で氏の最初の結婚生活を書いたもので御座います。 | |||
秋 | 蔵原伸二郎 | 5分以内 | |
釣竿の影がうつつているこの無限の中で釣をする人はしつかり岩の上に坐つたままねむつているねむつたまま竿をにぎつている今日は川魚たちの祝祭日みんな青い時間の流れにそつてさがつている針を横目でにらみながら通りすぎる今までどうにか生き残つた魚たちの今日はお祭りなんだよ先頭を行く逞しい雄のあとを紅いろに着飾つた雌たちが一列になつておよいでゆく水底の砂にゆれる光る青空と白い雲... | |||
自序にかえて | 蔵原伸二郎 | 5分以内 | |
はからずも権威ある読売文学賞を受賞して驚くとともに、たいへんうれしく思つています。 | |||
狐 | 蔵原伸二郎 | 5分以内 | |
めぎつね野狐の背中に雪がふると狐は青いかげになるのだ吹雪の夜を山から一直線に走つてくるその影凍る村々の垣根をめぐりみかん色した人々の夢のまわりを廻つて青いかげはいつの間にか鶏小屋の前に坐つている二月の夜あけ前とき色にひかる雪あかりの中を山に帰つてゆく雌狐狐はみごもつている黄昏いろのきつね山からおりて来た狐が村の土橋のあたりまでくる... | |||
岸辺 | 蔵原伸二郎 | 5分以内 | |
岸辺冬の日がかんかん照つていた川岸の枯草の中から首だけ出して八十九歳の老人が釣をしていた釣竿をもつたまま水に映るちぎれ雲の間をおよぐ冬の魚たちと昔話をしながら老人は死んでいたちかちかと日はかたむいていた一匹の紋白蝶がよたよたと向う岸に渡つていつた魚たちが老人を呼んでいた赤い小さなうきがかすかな波紋をおこして沈んだり浮いたりしている不在の人... | |||
岩魚 | 蔵原伸二郎 | 5分以内 | |
岩魚――宋青磁浮紋双魚鉢――五月のあかるい昼さがりあまりに生の時間が重いので私はひとり青磁の鉢を見ている空いろの底に二匹の岩魚が見えたりかくれたりすぎる風に水がゆれると岩魚の背もかすかに紅いろに光るまた水底をよぎる遠い宋時代の雲ながい時間のかげりをひいて愁いの淵に岩魚はねむり時に目を醒ましてはねるといつのまにか蒼天をおよいでいる鮭白い皿の上の... | |||
足跡 | 蔵原伸二郎 | 5分以内 | |
ずつと昔のこと一匹の狐が河岸の粘土層を走つていつたそれから何万年かたつたあとにその粘土層が化石となつて足跡が残つたその足跡を見ると、むかし狐が何を考えて走つていつたのかがわかる。 | |||
最近の感想 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
細々した日々の感想を洩れなく書きつけて見たらばと思ふが、まだなか/\さうは行かないものである。 | |||
消息 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
こちらへまゐりましてからまだしみじみおちついた気持になれないうちに東京からは後から/\いろ/\な面倒なことを言つて来たり何かして本当によはりきつて居ます其為めにまだ何所へも手紙らしい手紙もかけずに原稿もかけず何にも手につきません。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館今日あなたからお手紙を頂けようとは思へませんでしたのに、本当にうれしうございました。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館昨日のあらしがひどかつたので、別荘の掃除が大変だと云つて、おひるから婆やがひまを貰ひたいと云ひだしましたので、今日は午後からお守りをして暮しました。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館あなたは本当にひどいんですね。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館停車場を出ると、前の支店でしばらく休んで、それから宿に帰へりました。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館会ひたくない人に無理に会はなくてもよろしうございます。 | |||
紙幣鶴 | 斎藤茂吉 | 5分以内 | |
ある晩カフェに行くと、一隅の卓に倚(よ)ったひとりの娘が、墺太利の千円紙幣でしきりに鶴を折っている。 | |||
玉菜ぐるま | 斎藤茂吉 | 5分以内 | |
欧羅巴には、骨骼の逞(たくま)しい、実に大きな馬がいる。 | |||
妻 | 斎藤茂吉 | 5分以内 | |
妻はやはり Sexus Sequior と見立てなければつまりは満足は出来まい。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館今日は朝ハガキを書いたつきりでしたね。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館ゆふべ、つくと直ぐに手紙を書き出しましたけれど、腰が痛んで気持が悪いので止めました。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館ひどい嵐です。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地大阪市北区上福島すこし甘へたくなつたから、また手紙を書きたいの。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館今日は朝からちつとも仕事が出来ないので困つてゐましたの。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館ゆふべ、また、二階の室に行つて、ひとりであの広い蚊帳のなかにすはつて手紙を書き続けようとしましたけれども、いろんな事を考へ始めましたら、苦しくなつてとても続けられませんでしたから止めて、ぢつと眼をつぶつて一時頃まで考へてゐました。 | |||
書簡 大杉栄宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館雑誌ありがたう御座いました。 | |||
書簡 蒲原房枝宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
発信地東京市小石川区指ヶ谷町九二お手紙拝見、おたづねのこと、もつての外のことにて御返事のかぎりにこれなく候。 | |||
書簡 武部ツタ宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先大坂市西区松島十返町武部種吉様方発信地東京市外巣鴨村宮仲二五八三前略おかはりはありませんか、私も元気でゐます故御安心下さい。 | |||
書簡 武部ツタ宛 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
宛先大坂市西区松島十返町武部種吉様方発信地東京市外巣鴨村宮仲二五八三お手紙拝見。 | |||
女教員の縊死 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
女教員の縊死と題して大阪朝日に記されてゐた事柄は、大阪市内の某校の女教師が母と一緒に暮してゐてそのうち養子を迎へたがどうしても仲よくすることが出来ずに争ひがたえなかったが[#「たえなかったが」はママ]或日も午後の七時頃から買物に出かけて十時頃かへつたがあまり外出の時間が長いと小言を云はれてそれから大げんかをしたが翌日またそのつゞきがあつて結局女は二階にあがつて縊死を遂たと云ふのだが実に下だらない事に死んだものだとしか私には思はれない。 | |||
福岡の女 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
■福岡県の女は佐賀県や、熊本県の同性のやうに、海外に密航して浅ましい生活するのは少いやうですが、小学校や、女学校を出た後、米国などへ行つて人の妻となり、健全な家庭を作つてゐるのは、少くはないやうです、殊に私の生れた糸島郡などは、此の米国行きの婦人は大変なものです。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□編輯室も随分賑やかでしたけれ共とう/\私一人にされてしまひました。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□今月号は大変後れてしまひました。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□毎月校正を済ますとほつとしますけれども直ぐ後からいら/\して来ます。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□先月は随分つまらないものを出したので大分方々からおしかりを受けました。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□先月号は風俗壊乱と云ふ名の下に発売を禁止されました。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□此度こそは少しどうにかと思ひ/\次号へ次号へと逐はれて一向思つた半分も出来ません。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□此の間中央新聞の白田天坡といふ記者が事務所に来て皆に会ひ度いと云つたさうです。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□今月号の従妹に宛てた私の手紙は実におはづかしいものだ。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□永い間不如意な経済の遣繰りや方々の書店との交渉やそれからまだ外の細々した面倒な仕事と雑誌の編輯で疲れきつたらいてう氏は十月十二日に千葉県の御宿村へ行つた。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□先月は大変発行が後れましたから今月はと思つてゐましたけれど矢張り原稿の集め方がおそかつたのと手廻しよくゆかないためにまた後れました。 | |||
編輯室より | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□今月は校正の出方が大変に後れました為めにおそくなりました。 | |||
編輯だより | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
□種々なうはさに幾分不安をお感じになつた方が読者の間にも多少あつたことゝ思ひます。 | |||
サニンの態度 | 伊藤野枝 | 5分以内 | |
どんな性格の男に敬愛を捧げるかと云ふ問に対して理想を云へば、何れ鐘太鼓でさがしても、見つからぬやうなせひぜひ虫のいゝ事を並べても見られませうが、先づ手つ取り早く彼のやうな男がと云ふやうなのを云へば、これも実在の男ではありませんが、アルツバシエエフによつて描かれた、サニンが好きです。 |