青空文庫で公開されている辰野隆の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
「久しぶりだな、全く。」 「久しぶりどころじゃないね、五十年ぶりだもの。」 こう云って、声を揃えて笑ったのは、何れも老人で、二人とも今年は算え歳の六十三である。
昨年の夏は油汗を流しながら、改造社から頼まれたフローベールの短篇『エロディヤス』を訳して暮した。
大正十年の七月、或日の午後、僕は山田珠樹と並んでスイス、ベルンの街をぶらぶら歩いていた。