5分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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感情喪失時代 | 中原中也 | 5分以内 | |
感情喪失時代現代は、「不安の時代」だと云はれる。 | |||
詩と詩人 | 中原中也 | 5分以内 | |
詩といふものが、人生を打算して生きてゐる根性からは、決して生れるものではない!一見、その根性は人をして屡々知慧ある態度を採らせるやうに見える。 | |||
詩論 | 中原中也 | 5分以内 | |
L'art, mes enfents, d'※tre en soi-meme! Paul Verlaine芸術とは、喩へば金鉱発掘の如きものだ。 | |||
文学に関係のない文学者 | 中原中也 | 5分以内 | |
陽気な文学をといふ声がするが、では陽気とはいつたいどんなことなのだらう。 | |||
我邦感傷主義寸感 | 中原中也 | 5分以内 | |
此の間京都の農林学校の生徒が三十名、満蒙視察に出掛けました。 | |||
宮沢賢治の世界 | 中原中也 | 5分以内 | |
人性の中には、かの概念が、殆んど全く容喙出来ない世界があつて、宮沢賢治の一生は、その世界への間断なき恋慕であつたと云ふことが出来る。 | |||
トリスタン・コルビエールを紹介す | 中原中也 | 5分以内 | |
トリスタン・コルビエールが、甞て我が国に於いて紹介されたことがあつたかどうか、私は知らない。 | |||
非文学的文士 | 中原中也 | 5分以内 | |
我が国に文学がないとは云はないが、我が大衆に未だ文学がないとは云へるのだ。 | |||
第二真珠抄 | 北原白秋 | 5分以内 | |
ほのかなるものゆめはうつつにあらざりき、うつつはゆめよりなほいとし、まぼろしよりも甲斐なきはなし。 | |||
吉田松陰より某へ | 吉田松陰 | 5分以内 | |
今日は亡友重輔が命日なり。 | |||
浅草哀歌 | 北原白秋 | 5分以内 | |
われは思ふ、浅草の青き夜景を、仲見世の裏に洩るる短夜の葱のむせびを、公園の便所の瓦斯を、はた、澄めるアルボースの香を。 | |||
風見 | 北原白秋 | 5分以内 | |
ほのぼのと軋(きし)むは屋根の風見か、矢ぐるま、まんじりともせぬわがこころ、わかれた夜から、夜もすがら、まだ、あかつきの空かけて、きりやきり、きりやほろろ。 | |||
庭園の雨 | 北原白秋 | 5分以内 | |
松の葉の青きにしとしとと雨はふる。 | |||
蟇 | 北原白秋 | 5分以内 | |
夏の昼間のひきがへる、そなたは、なんでさびしいぞ。 | |||
大和ぶり | 佐佐木信綱 | 5分以内 | |
大和路大和なれば塔は見ゆいらか見ゆ菜たねがらやく畑の遠に道にそふ切づまの家柿若葉生駒遠嶺は淡々と霞み春日野いゆきめぐるあしびがもとの道明るし春日野にある此の夕なり我が行くは憶良の家にあらじかとふと思ひけり春日の月夜奈良ホテル朝窓のそとに来遊ぶ鹿を見る奈良にやどりし喜びの一つ大木あふちむらさき淡きいろしづかに朝の庭苑の一角を占む秋雨の日靄ごもる布留の川添とめゆか... | |||
影 | 北原白秋 | 5分以内 | |
山嶽ノ上ヲユク雲ノ軽サ、水ニウツル山嶽ノカゲノ重サ。 | |||
真実 | 北原白秋 | 5分以内 | |
自ラノ真実ヲ真実トスルコト、金ヲ金トシ悲シムコト、吹ク風ノオノレソヨギ、薔薇ト野菜ノムキムキニ咲キ、鳥ノ飛ビ、魚ノオヨギ、虫ノ匍フコト、男ヲンナノツツマシク連レ添フコト、ミナアハレナリ、シンジツニ。 | |||
疲レ | 北原白秋 | 5分以内 | |
微風ハ純金ノ足ノウラヨリコソバユクモ笑フカナ。 | |||
夏 | 北原白秋 | 5分以内 | |
近景ニ一本ノ葦、遠景ニ不二ノ山、不二ヨリモサラニ高ク、新鮮ニ葦ハ戦ゲリ。 | |||
光ノミ | 北原白秋 | 5分以内 | |
日ハ光レリ、鏡ノ中ニ、光ノミ照リカガヤケリ、ソハアマリニ眩(マブ)シ。 | |||
「雪と花火」献辞 | 北原白秋 | 5分以内 | |
わかき日の饗宴を忍びてこの怪しき黄と緑との詩集を“PAN”とわが「屋上庭園」の友にささぐ。 | |||
三等車の中(スケッチ) | 中原中也 | 5分以内 | |
疲れてゐるのに眠られぬ。 | |||
深夜の峠にて | 中原中也 | 5分以内 | |
峠の頂上を過ぎると私は十歩も歩まぬうちに、いきなり蹲み込んでしまつた。 | |||
西部通信 | 中原中也 | 5分以内 | |
その日はカラリと晴れた、やはらかい日射しの、秋の一日だつた。 | |||
古本屋 | 中原中也 | 5分以内 | |
夕飯を終へると、彼はがつかりしたといつた風に夕空を眺めながら、妻楊子を使ひはじめた。 | |||
身の上や | 長谷川伸 | 5分以内 | |
俳句とその成る事情が、戯曲や小説に企て及ばないものがあるといったが、その感をもっとも深くしたのは、身の上や月にうつぶく影法師の句である。 | |||
椎の実 | 橋本多佳子 | 5分以内 | |
私は淋しがり屋と云はれてその時はいやだつたが、考へて見るとさう云はれても又仕方がないことでもあつた。 | |||
麦刈 | 橋本多佳子 | 5分以内 | |
久々に来た東京の友を案内して、奈良の新薬師寺から白毫寺村の方へ歩いた。 | |||
暮春嘆息 | 三好達治 | 5分以内 | |
人が詩人として生涯ををはるためには君のやうに聰明に清純に純潔に生きなければならなかつたさうして君のやうにまた早く死ななければ!。 | |||
一度 | 中原中也 | 5分以内 | |
結果から結果を作る飜訳の悲哀――尊崇はたゞ道中にありました再び巡る道は「過去」と「現在」との沈黙の対坐です一度別れた恋人とまたあたらしく恋を始めたが思ひ出と未来での思ひ出がヲリと享楽との乱舞となりました一度といふことの嬉しさよ。 | |||
幼き恋の回顧 | 中原中也 | 5分以内 | |
幼き恋は寸燐の軸木燃えてしまへばあるまいものを寐覚めの囁きは燃えた燐だつたまた燃える時がありませうかアルコールのやうな夕暮に二人は再びあひました――圧搾酸素でもてゝゐる恋とはどんなものですかその実今は平凡ですがたつたこなひだ燃えた日の印象が二人を一緒に引きずつてます何の方へです――ソーセーヂが紫色に腐れました――多分「話の種」の方へでせう。 | |||
倦怠者の持つ意志 | 中原中也 | 5分以内 | |
タタミの目時計の音一切が地に落ちただが圧力はありません舌がアレましたヘソを凝視めます一切がニガミを帯びましただが反作用はありません此の時夏の日の海が現はれる!思想と体が一緒に前進する努力した意志ではないからです。 | |||
倦怠に握られた男 | 中原中也 | 5分以内 | |
俺は、俺の脚だけはなして脚だけ歩くのをみてゐよう――灰色の、セメント菓子を噛みながら風呂屋の多いみちをさまよへ――流しの上で、茶碗と皿は喜ぶに俺はかうまで三和土の土だ――。 | |||
恋の後悔 | 中原中也 | 5分以内 | |
正直過ぎては不可ません親切過ぎては不可ません女を御覧なさい正直過ぎ親切過ぎて男を何時も苦しめますだが女から正直にみえ親切にみえた男は最も偉いエゴイストでした思想と行為が弾劾し合ひ智情意の三分法がウソになりカンテラの灯と酒宴との間に人の心がさ迷ひますあゝ恋が形とならない前その時失恋をしとけばよかつたのです。 | |||
初夏 | 中原中也 | 5分以内 | |
扇子と香水――君、新聞紙を絹風呂敷には包みましたか夕の月が風に泳ぎますアメリカの国旗とソーダ水とが恋し始める頃ですね。 | |||
自滅 | 中原中也 | 5分以内 | |
親の手紙が泡吹いた恋は空みた肩揺つた俺は灰色のステッキを呑んだ足足足足足足足万年筆の徒歩旅行電信棒よ御辞儀しろお腹の皮がカシヤカシヤする胯の下から右手みた一切合切みんな下駄フイゴよフイゴよ口をきけ土橋の上で胸打つたヒネモノだからおまけ致します。 | |||
情慾 | 中原中也 | 5分以内 | |
何故取れない!何故取れない!電球よ暑くなれ!冬の野原を夏の風が行くに煙が去つた情熱の火が突進するブツカルものもなく――だから不可ない昔からあつたものだのに今新たに起つたものだそれを如何して呉れるい横から眺めてゐるな誰の罪でもない必要ぢやない欲しいだけだ。 | |||
想像力の悲歌 | 中原中也 | 5分以内 | |
恋を知らない街上の笑ひ者なる爺やんは赤ちやけた麦藁帽をアミダにかぶりハツハツハツ「夢魔」てえことがあるものかその日蝶々の落ちるのを夕の風がみてゐました思ひのほかでありました恋だけは――恋だけは。 | |||
旅 | 中原中也 | 5分以内 | |
夕刊売来てみれば此処も人の世散水車があるから汽車の煙が麦食べた実用を忘れて歯ブラッシを買つてみた青い紙ばかり欲しくてそれなのに唯物史観だつた砂袋スソがマクレますパラソルを倒に持つものがありますか浮袋が湿りました。 | |||
初恋 | 中原中也 | 5分以内 | |
最も弱いものは弱いもの――最も強いものは強いもの――タバコの灰は霧の不平――燈心は決闘――最も弱いものが最も強いものに――タバコの灰が燈心に――霧の不平が決闘に嘗てみえたことはありませんでしたか?――それは初恋です。 | |||
春の日の怒 | 中原中也 | 5分以内 | |
田の中にテニスコートがありますかい?春風ですよろこびやがれ凡俗!名詞の換言で日が暮れようアスファルトの上は凡人がゆく顔顔顔石版刷のポスターに木履の音は這ひ込まう。 | |||
春の夕暮 | 中原中也 | 5分以内 | |
塗板がセンベイ食べて春の日の夕暮は静かですアンダースロウされた灰が蒼ざめて春の日の夕暮は穏かですあゝ、案山子はなきか――あるまい馬嘶くか――嘶きもしまいたゞたゞ青色の月の光のノメランとするまゝに従順なのは春の日の夕暮かポトホトと臘涙に野の中の伽藍は赤く荷馬車の車、油を失ひ私が歴史的現在に物を言へば嘲る嘲る空と山とが瓦が一枚はぐれました春の日の夕暮はこれから無言ながら... | |||
不可入性 | 中原中也 | 5分以内 | |
自分の感情に自分で作用される奴はなんとまあ伽藍なんだ欲しくても取つてはならぬ気もあります好きと嫌ひで生きてゐる女には一番明白なものが一番漠然たるものでした空想は植物性です女は空想なんです女の一生は空想と現実との間隙の弁解で一杯です取れといふ時は植物的な萎縮をし取らなくても好いといへば煩悶し取るなといへば闘牛師の夫を夢みますそれから次の日の夕方に何といひました「あなたはあたしを理解して呉... | |||
迷つてゐます | 中原中也 | 5分以内 | |
筆が折れるそれ程足りた心があるかだつて折れない筆がありますか?聖書の綱が性慾のコマを廻す原始人の礼儀は外界物に目も呉れないで目前のものだけを見ることでしただがだが現代文明が筆を生みました筆は外界物です現代人は目前のものに対するにその筆を用ひました発明して出来たものが不可なかつたのですだが好いとも言へますから――僕は筆を折りませうか?その儘にしときませうか?。 | |||
タバコとマントの恋 | 中原中也 | 5分以内 | |
タバコとマントが恋をしたその筈だタバコとマントは同類でタバコが男でマントが女だ或時二人が身投心中したがマントは重いが風を含みタバコは細いが軽かつたので崖の上から海面に到着するまでの時間が同じだつた神様がそれをみて全く相対界のノーマル事件だといつて天国でビラマイタ二人がそれをみてお互の幸福であつたことを知つた時恋は永久に破れてしまつた。 | |||
(58号の電車で女郎買に行つた男が) | 中原中也 | 5分以内 | |
58号の電車で女郎買に行つた男が梅毒になつた彼は12の如き沈黙の男であつたに腕々々交通巡査には煩悶はないのか自殺せぬ自殺の体験者は障子に手を突込んで裏側からみてゐましたアカデミッシャンは予想の把持者なのに……今日天からウヅラ豆が畠の上に落ちてゐました。 | |||
(あなたが生れたその日に) | 中原中也 | 5分以内 | |
あなたが生れたその日にぼくはまだ生れてゐなかつた途中下車して無効になつた切符が古洋服のカクシから出て来た時恐らく僕は生れた日といふもの。 | |||
(女) | 中原中也 | 5分以内 | |
女吸取紙を早くかせ恵まれぬものが何処にある?マッチの軸を小さく折つた女自分は道草かしら女は摘草といふも勿体ないといつた俺は女の目的を知らないのださうだ原因なしの涙なんか出さないと自称する女から言はれた飛行機の分裂目的が山の端をとぶ縫物秘密がどんなに織り込まれたかしら女は鋏を畳の上に出したまゝ出て行つた自分に理窟をつけずに只管英雄崇拝女は男よ... | |||
(過程に興味が存するばかりです) | 中原中也 | 5分以内 | |
過程に興味が存するばかりですそれで不可ないと言ひますか生活の中の恋が原稿紙の中の芸術です有限の中の無限は最も有限なそれでした君の頭髪を一本一本数へてそれから人にお告げなさいテーマが先に立つといふ逆論はアルファベットの芸術です集積よりも流動が魂は集積ではありません。 | |||
(仮定はないぞよ!) | 中原中也 | 5分以内 | |
仮定はないぞよ!先天的観念もないぞよ!何にもない所から組立てゝ行つて先天的観念にも合致したがね理窟が面倒になつたさ屋根みたいなものさ意識した親切は持たないがね忠告する元気があれば象牙の塔の修繕にまはさうさカウモリ傘にもたれてみてゐりやあ人は真面目にくたびれずに事業つて奴をやつて呉れらあサンチマンタリズムに迎合しなきや趣味の本質に叛くかしらつてのがまあまあ俺の問題といへば問題さ。 |