5分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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路は果して何れ | 今野大力 | 5分以内 | |
生と死の路は今自分の行手にあり自分はこの全き方向のちがった路の何れを歩んでいるかを知らない歩む路は一すじただこの一すじが生命の歓喜へ向っているかまた永遠の死へ辿っているか自分にも解き得ざる謎謎の日は今、日毎つづきつつあるだが博士は言った「半年か一年か保証は出来ないがね」ここで自分の歩む路は死だと予断されているも一人の博士はただ眉をひそめて「生死の問題よりも苦痛よりのがれる方法を」と自... | |||
イシカリの川 | 今野大力 | 5分以内 | |
石狩の川の流れは昔のアイヌ人種が毒木矢もて意気づく古風な姿を写しつつそは永遠に幻を画く平和なる村郷の中を岩に激し砂辺に寄せて流れている。 | |||
私の病室の報告 | 今野大力 | 5分以内 | |
私の病室は十三号の乙寝台は三つ満員二人は施療で私は有料一人は堅山と三十越えた男三年全くこのベットにへばって暮しるいれきで首の周囲は膿の出た跡赤い肉が盛り上って此頃も両脇の下から膿がしきりに流れている肺の方も相当の(ママ)進行しているその咳こむ凄さは恐ろしい俳句を毎日作っているも一人は鈴木二十二歳堅山にこの小僧ッ子は生意気だと泣きながら散々の悪口を言われた男一月ばかり前に三千グラ... | |||
友と二人の夜 | 今野大力 | 5分以内 | |
遠い野中の家より私を慕うて呉れる友は今夜も十時がなって帰った夜露を分けて来て呉れてもあたたかいもてなしさえ貧しい私達にはゆるされずひとえの着物のはじを幾度か合せ乍(なが)ら語りても聞いてもほほえみ乍ら何程のへだてた思いもなくありのままの事を語らいてお互に解け合うよろこび本箱からは勝手なものをとり出して入れ様ともせず一ぱいに机の上につまされる傍にも又誰ひとり... | |||
老将軍と大学教授 | 今野大力 | 5分以内 | |
相当にぎやかな街の電柱の下のベンチに素晴らしい将軍が休んでいる私は写真を見てそう思ったが、この老将軍は前歴が何だかわからないただぶくぶくした襟毛つきの厚っぽたい外套をきて帽子はないがない方がずっと素晴しい頭髪やヒゲを効果的に見せるし眉毛でも普通の人間とは凡そ縁遠い逞(たく)ましくゆかりあり気な一人の人物と見えるだがこの老将軍は白系露字の新聞売である日本人には驚くだけである同じベンチにも一... | |||
宵の星 | 今野大力 | 5分以内 | |
あついあつい夕食後のあつさのんびりと立って見たやっぱり暑いむっちり蒸される様だひたいには汗がこんなににじむ*弟よ外へ行こう庭の石に腰をかけて鈴懸花の香をかいで青く澄み渡った北国の宵空に教えられたあの一つの星を探そう*七月七日の夜も近づいた牽牛織女の星がどこにあるかそれも探そう天の川流れるあたり天上の花のさても美しき事よ。 | |||
夕ぐれの明るさに憶う | 今野大力 | 5分以内 | |
夕ぐれのあかるさパッと室一杯にあふれて十六燭の電灯のあかるさなど小さくすぼんでいるようなこころよい明るさ忽ちに薄暗くなるこの時刻にこれは又何といい明るさだカーテンをすっかりとり払い硝子窓を通してもかまわないあの明るい空を眺めようあの空あの色何がこんなにうれしいのかもう三年越しの病人がこしらえたような感激を求めているのだろうかそうではない、たしかに、空が広いのだ、... | |||
猛炎 | 今野大力 | 5分以内 | |
魂と魂と放浪の数日の後あるところを得たるはげによろこぶべき現象ぞよ白馬天をゆく碧瑠璃の空にわれらが魂の猛炎は赤きロマンチックの落日を偲ばしめ舞楽を奏するなり聞かずや宇宙の人々達分子を談ずる詩人達広大無辺の渚なき海われらは船を航し炬火を翳しはるかに行く……。 | |||
街の子等 | 今野大力 | 5分以内 | |
街の子は今日も遊んでいたそしてふと子供の一人が大声で言った「やあいキョウサントウ!」いい声だそしていい言葉だ空間は完全にこの声に貫かれた「やあいキョウサントウ!」鬼ごっこで仲間の一人が捕ったので思い出したこの言葉だが、これはただの言葉でない、街の子が言うほどの遊びながら呼ぶほどの捕まったので思い出したほどの言葉なれどこの時代にはこの言葉に総身の毛をよだてている人間がいるのだその時ふと。 | |||
北海の夜 | 今野大力 | 5分以内 | |
旗がしきりにゆれているハタハタと、又ハタハタと時には風が吹いて来てゴトンと音を立ててゆく外はほんとに暗いのだ自分よ、或る夜の事を思い出せそしてぞうっと身ぶるえ((ママ))せ今夜の雪は青白いすごい黒さが沁みている2海の妖婆が踊るよな暗い恐ろしい夜となる日本海と太平洋の沖の方に何か変りはないだろうか。 | |||
聖の行くべき道 | 今野大力 | 5分以内 | |
そこはねずみも歩かない歩くべきではないひじりの行くべき道である空は明るく明るくまひるの如くに明るい一しきり降っていった雪は野に山に路に庭に夢見る様に積もっている雪は白い何よりも白いきよめられたる様に白い天と地の合体の風景である包む夜は厳に静かなしらべをひっ((ママ))ている*ひじりの為めに撒(ま)いた敷物はけがれる事を恐れている如くである。 | |||
瘋癲病舎 | 今野大力 | 5分以内 | |
俺はお前の此の喜びはつまらぬと言う訳を知っているお前は現実には適しないお前はあの暗い瘋癲病舎で白日の中もおもむろに夢を食って楽しんで生きていればいい男だ。 | |||
徒弟 | 今野大力 | 5分以内 | |
いち早く冬の来る北方の街頭に寒い空ッ風が吹きまくる或る朝理髪師の徒弟は店先を掃いていた店先に一本の街路樹があった落葉は風になぶられてあちこちに吹きたまる正直な徒弟は幾度もそれを掃いていた時が過ぎる徒弟は街路樹に登った木葉はもう一枚も街路樹に残っていなかった徒弟は街路樹をゆすぶり箒ですっかり叩き落していた五・一八。 | |||
豚 | 今野大力 | 5分以内 | |
もったいない事である肺患者の残した実に多量の食物は惜し気もなく捨てられる鮭の照焼や筍やうどふきのうま煮なんか多くの人々にとって大した御馳走なんだのに一椀の飯さえ思うように喰えぬ人々が見たらおおめまいしてしまいそうな食物の山山近所の豚がこの滅多に人間さえ食べないものをうんと腹一杯たべてコロコロに肥っている豚が肥えて肉屋に並べられてもそれが何とか西洋料理支那料理になっても豚の食う程のもの... | |||
春の土へ | 今野大力 | 5分以内 | |
早く春になったら、どんなに楽しい事だろう、日向の小高い丘に軟く暖く香高い土があらわれて、蕗(ふき)の薹(とう)が上衣を脱ぎ、水晶の様に澄んだ水が、小川を流れ、小魚がピチピチ泳いでいる。 | |||
光よあれ | 今野大力 | 5分以内 | |
常夜の世界に生命ありてうごめける時光りは東方より、忍びやかに来りて輝き初め万物その己の存在を認め歓喜の頂点に至れるはいかに至上の盛事なりしか我等は光りの海に泳げる魚達なり光りなくして死を思う生命なり光りよあれ、而して永久に我等を愛でよ……。 | |||
波濤よ | 今野大力 | 5分以内 | |
おおはるけき方より寄せ来る波濤よ汝が最大の実力と自信を持って岩礁を打て、万丈のしぶきを上げよその時、海神は大空に懸る天日をおおいて。 | |||
東方の窓辺にて | 今野大力 | 5分以内 | |
私のいる家の東方に窓があった私は農家の二階に間借りして幾十日かを過す身であった私は自分の起居に不自由の身をそこに運び、ひたすら、健康の日を恋していたのである、かがやく健康の美しさは私の希望であった私は東方に追憶の瞬間を持つ私の室の東方の窓はそこへの視野を展開しているハコネの連山は眺望の彼方にある山脈の起伏は無言に昨日も今日も変りはないがただ風に送られる雲の往来と空色の変化とを発見する、雲の彼方橙... | |||
闘士の恋の歌 | 今野大力 | 5分以内 | |
この腕で木刀をうけとめこの肋骨で拷問にこたえこの眼で奴らをねめかえしこの歯で奴等に喰いつきこの脚で敵の包囲を蹴破ったこの私のからだはお前のもの、そして一緒に階級のものプロレタリアートの陣営のもの。 | |||
東郷大将と彼 | 今野大力 | 5分以内 | |
彼のアジトには東郷大将の肖像が壁にはられていたそれからあの「皇国の興廃此一戦に在り各員一層奮励努力せよ」という同じ東郷大将の筆蹟もあった彼の家に二度三度サーベルがやってきてこれを見て行ったし近所のおしゃべり女房が窓の外からこの平凡な風景を見て行ったしどうやら東郷大将は彼のために煙幕作業をやっている日露戦争の折には人民の敵ツァーの艦隊を全滅させてロシアに革命を早くさせたとい... | |||
土 | 今野大力 | 5分以内 | |
ギリシャ古典の趾(のこ)せる物語りをも空理としてさげすむ勿(なか)れ吾等生命は土深く埋もれし精霊なりき神によりてつくられし形態をこそ讃美せる女人像の豊満なる肉体美をこそ讃美せよ曲線美なだらかに走れるあたりを讃美せよ而(しか)して土への感謝祭を土そは生命偶像の聖母なりし。 | |||
楽しい会合 | 今野大力 | 5分以内 | |
叔母に伯父山の人々尋ね来て語り合う久方の話さても又十年前の物語内地のことその山その川その家すべて今ならば夢か知らね柿の木も桑の木も背戸の林も表の山も美しい思い出の国母もまた我を背負いて渡り来し松前のなぞえの山をおぼろげにおもい出でしか語り明す夜はうれしも。 | |||
たたかいの中に | 今野大力 | 5分以内 | |
母を飢えさせ妻子を飢えさせ幼き弟を稼がせてどうやら俺のいない家が保たれている「飢死の自由」は九尺二間の長屋を占領し共同井戸の水さえくさってまずい芋を煮て仏壇に捧げようとも心から、真に生命の極から諦めぬうらみをこめて手向けとなり俺が死なないようにむざむざとうらみの手に殺されないように無言のいのりがひそんでいる平和な家庭――生活、平和な生存、おしゃべりなしの真剣な愛、... | |||
高峯の頌 | 今野大力 | 5分以内 | |
荒蕪の平原に野を耕し草を食み、木の実を喰(くら)える人類生存の現象は高峯の麓にありてあまりにはかなき生命……盛夏白熱頂点に達せんとするも未だに消ゆるなき雪原の輝きは天地創造の第一年より永遠なり人類生命、億劫に至るも一切は幻滅に帰り無し――一切無し成体もこれ大地の化身なれば霊魂も又瞬間にして遺る何物もあらざるべしされど高峯は歴史を超え時代を超えて永遠……。 | |||
静夜昇天 | 今野大力 | 5分以内 | |
柱時計のけだるきリズムに眠たげなる洋燈の光りに深々と沈みゆく我らが生九時を聞き十時を聞きすべては眠りを欲りするの時みな底の吐息は泡となりほそぼそき昇天の心は我生の魂と共にかいのぼりゆく。 | |||
聖堂の近くを過ぐる | 今野大力 | 5分以内 | |
ポプラの梢の空高く大空を指さして厳かな聖き自然の力を表わす幹はだの荒くれた並木の下にヘブライ文化の主流であるキリスト教の教会堂が建っている私は毎日その近くを過ぎるそして神秘な古典の物語りを思い出し、ありし昔の日の幾多重ねた争闘の人間に与えし歴史を憶う……人間と言う極まりない霊魂の所有者はかくして永遠に血を浴びて闘わねばならないか宇宙の覆滅人類の滅亡ああその日までどんな歴史を作るであろう今... | |||
星座 | 今野大力 | 5分以内 | |
今宵夜はふけたり闇夜の天空高く一陣の星座を見るこは天に懸かる我十字架なりこの夜魂は単調なる鼓動に倦(う)み七重の塁壁を超えて至りそが前に静座し礼讃し祈祷す。 | |||
人面凝視 | 今野大力 | 5分以内 | |
ふとして眺むれば彼処に笑めるは一人の不可解なる精霊の所有者であるわれは今その面を見つつ想う唇……おおそは紅の渕に囲われし底知れぬ沼である鼻……おおそはまろみあるエジプトのピラミットである眼……おおそはうるおい耀く黒曜石の玉を秘めし二つの湖水である眉……おおそは湖水をめぐりて小丘の上に繁れる林であるおおなめらかに広き無毛の原を過ぎ行けば彼方は千古の密林である。 | |||
新世紀への伴奏 | 今野大力 | 5分以内 | |
(1)行け!私達自然の教徒よ高く高く燃え燃ゆる自然の精霊の上へ人間の生命の魂を燃え((ママ))べくして燃えざりし炬火を天日の情熱に投げこんで紅蓮の焔を眺めつつ歌え、歌え、輝かせよ(大地よ、ゆるぐべきものよ古哲の教授よ何と皮相なよろこびなる草ものびる、私も育つああ、生長への伴奏よ葬送への奏楽ぞ)(2)行け!私達一切への戦士よ異国のはるかにへ... | |||
信疑の魔女 | 今野大力 | 5分以内 | |
自分の室で自分の演じていた舞台で自分を取巻き或は隙見し或は踊っていた一人の魔女「此世の一切は信疑の魔女の領分です勿論人間は私の兵卒よあなた何を惑っているの?それよりわたし自身のこの力を讃美でもして下さいなで賢こい人間あなた」。 | |||
残冬 | 今野大力 | 5分以内 | |
空はにごれる白亜の色北国の――悩ましき擾乱大地ははっちを閉じている………地平の彼方――友等処女等同じくなやめ同胞達………北極の襲い来れる、白鵞の万毛風をよび、吹きなす、ひょうひょうの声木をゆるぎ、屋根をはぐ………狂暴の形態天魔の降臨。 | |||
「白秋詩集」第一巻解題 | 北原白秋 | 5分以内 | |
一、本巻には東京景物詩「雪と花火」以後の所作を輯める事にした。 | |||
「わすれなぐさ」はしがき | 北原白秋 | 5分以内 | |
少年老い易し、麗人は刻を千金の春夜に惜む。 | |||
「白秋詩集」第二巻解題 | 北原白秋 | 5分以内 | |
一、本巻には処女詩集「邪宗門」、抒情小曲集「思ひ出」、及び少年期の長篇数種を収めた「朱泥の馬」、それに補遺の数篇とを輯める事にした。 | |||
菊岡久利著「貧時交」 | 中原中也 | 5分以内 | |
私自身とは、詩に於けるたてまへも大分相違してゐるにも拘らず、私は此の詩集を、気持よく読んだことを告白しなければならない。 | |||
近時詩壇寸感 | 中原中也 | 5分以内 | |
詩論か何かさういつた風のものを書けと云はれるたびに、書くことはいくらでもあるやうな気持と、書くことは何にもないやうな気持に襲はれます。 | |||
作家と孤独 | 中原中也 | 5分以内 | |
インテリは蒼ざめてゐる。 | |||
宮沢賢治全集 | 中原中也 | 5分以内 | |
宮沢賢治全集第一回配本が出た。 | |||
宮沢賢治全集刊行に際して | 中原中也 | 5分以内 | |
宮沢賢治全集の、第一回配本が出ました。 | |||
宮沢賢治の詩 | 中原中也 | 5分以内 | |
彼は幸福に書き付けました、とにかく印象の生滅するまゝに自分の命が経験したことのその何の部分をだつてこぼしてはならないとばかり。 | |||
山羊の言 | 中原中也 | 5分以内 | |
芸術に関するあらゆる議論は無用である。 | |||
海の詩 | 中原中也 | 5分以内 | |
こころまゝなる人間は、いつでも海が好きなもの!これは、ボオドレエルの「人と海」といふ詩の、第一行である。 | |||
感想 | 中原中也 | 5分以内 | |
地方の詩のグループも多いことだが、どういふものか、ずつと以前から大連と神戸にだけ面白いものが見られるのだつた。 | |||
草野心平詩集『母岩』 | 中原中也 | 5分以内 | |
草野心平君の第三詩集『母岩』が出た。 | |||
詩集 浚渫船 | 中原中也 | 5分以内 | |
友人高森文夫の詩集、浚渫船が出た。 | |||
詩壇への願ひ | 中原中也 | 5分以内 | |
詩壇は今や、一と通りの準備をすませた。 | |||
詩壇への抱負 | 中原中也 | 5分以内 | |
今までの詩(新体詩)は熱つぽいと思ふ。 | |||
書信 | 中原中也 | 5分以内 | |
依田氏の「春愁」は好きです。 | |||
逝ける辻野君 | 中原中也 | 5分以内 | |
辻野君とは会で五六回、会の流れで二回会つたばかりであるから余り深いつきあひであつたわけではない。 | |||
萩原朔太郎評論集 無からの抗争 | 中原中也 | 5分以内 | |
萩原氏の本はよく売れるさうである。 |