寺田寅彦の全作品

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
科学と文学寺田寅彦1時間〜25,695

緒言  子供の時分に、学校の読本以外に最初に家庭で授けられ、読むことを許されたものは、いわゆる「軍記」ものであった。

緒言  子供の時分に、学校の読本以外に最初に家庭で授けられ、読むことを許されたものは、いわゆる「軍記」ものであった。

量的と質的と統計的と寺田寅彦30分以内7,813

古代ギリシアの哲学者の自然観照ならびに考察の方法とその結果には往々現代の物理学者、化学者のそれと、少なくも範疇的には同様なものがあった。

古代ギリシアの哲学者の自然観照ならびに考察の方法とその結果には往々現代の物理学者、化学者のそれと、少なくも範疇的には同様なものがあった。

小浅間寺田寅彦30分以内4,914

峰の茶屋から第一の鳥居をくぐってしばらくこんもりした落葉樹林のトンネルを登って行くと、やがて急に樹木がなくなって、天地が明るくなる。

峰の茶屋から第一の鳥居をくぐってしばらくこんもりした落葉樹林のトンネルを登って行くと、やがて急に樹木がなくなって、天地が明るくなる。

函館の大火について寺田寅彦30分以内10,057

昭和九年三月二十一日の夕から翌朝へかけて函館市に大火があって二万数千戸を焼き払い二千人に近い死者を生じた。

昭和九年三月二十一日の夕から翌朝へかけて函館市に大火があって二万数千戸を焼き払い二千人に近い死者を生じた。

蓄音機寺田寅彦60分以内12,259

エジソンの蓄音機の発明が登録されたのは一八七七年でちょうど西南戦争の年であった。

エジソンの蓄音機の発明が登録されたのは一八七七年でちょうど西南戦争の年であった。

涼味数題寺田寅彦30分以内4,646

涼しさは瞬間の感覚である。

涼しさは瞬間の感覚である。

ルクレチウスと科学寺田寅彦1時間〜41,338

緒言  今からもう十余年も前のことである。

緒言  今からもう十余年も前のことである。

映画雑感(Ⅶ)寺田寅彦10分以内2,087

一 影なき男  一種の探偵映画である。

一 影なき男  一種の探偵映画である。

夢判断寺田寅彦5分以内1,600

友人が妙な夢を見たと云って話して聞かせた。

友人が妙な夢を見たと云って話して聞かせた。

子猫寺田寅彦30分以内9,309

これまでかつて猫というもののいた事のない私の家庭に、去年の夏はじめ偶然の機会から急に二匹の猫がはいって来て、それが私の家族の日常生活の上にかなりに鮮明な存在の影を映しはじめた。

これまでかつて猫というもののいた事のない私の家庭に、去年の夏はじめ偶然の機会から急に二匹の猫がはいって来て、それが私の家族の日常生活の上にかなりに鮮明な存在の影を映しはじめた。

映画時代寺田寅彦60分以内13,499

幼少のころ、高知の城下から東に五六里離れた親類の何かの饗宴[#「饗宴」は底本では「餐宴」]に招かれ、泊まりがけの訪問に出かけたことが幾度かある。

幼少のころ、高知の城下から東に五六里離れた親類の何かの饗宴[#「饗宴」は底本では「餐宴」]に招かれ、泊まりがけの訪問に出かけたことが幾度かある。

旅日記から寺田寅彦1時間〜24,093

一 シャンハイ 四月一日  朝のうちには緑色をしていた海がだんだんに黄みを帯びて来ておしまいにはまっ黄色くなってしまった。

一 シャンハイ 四月一日  朝のうちには緑色をしていた海がだんだんに黄みを帯びて来ておしまいにはまっ黄色くなってしまった。

相撲寺田寅彦30分以内4,148

一  一月中旬のある日の四時過ぎに新宿の某地下食堂待合室の大きな皮張りの長椅子の片すみに陥没して、あとから来るはずの友人を待ち合わせていると、つい頭の上近くの天井の一角からラジオ・アナウンサーの特有な癖のある雄弁が流れ出していた。

一  一月中旬のある日の四時過ぎに新宿の某地下食堂待合室の大きな皮張りの長椅子の片すみに陥没して、あとから来るはずの友人を待ち合わせていると、つい頭の上近くの天井の一角からラジオ・アナウンサーの特有な癖のある雄弁が流れ出していた。

俳諧瑣談寺田寅彦30分以内7,473

一  ドイツの若い物理学者のLというのがせんだって日本へ遊びに来ていた。

一  ドイツの若い物理学者のLというのがせんだって日本へ遊びに来ていた。

天文と俳句寺田寅彦30分以内6,572

俳句季題の分類は普通に時候、天文、地理、人事、動物、植物といふ風になつて居る。

俳句季題の分類は普通に時候、天文、地理、人事、動物、植物といふ風になつて居る。

野球時代寺田寅彦30分以内4,105

明治二十年代の事である。

明治二十年代の事である。

蓑田先生寺田寅彦30分以内4,331

明治二十七八年の頃K市の県立中学校に新しい英語の先生が赴任して来た。

明治二十七八年の頃K市の県立中学校に新しい英語の先生が赴任して来た。

知と疑い寺田寅彦10分以内2,135

物理学は他の科学と同様に知の学であって同時にまた疑いの学である。

物理学は他の科学と同様に知の学であって同時にまた疑いの学である。

わが中学時代の勉強法寺田寅彦30分以内4,805

自分の出生地は高知県で、始め中学の入学試験に応じたのは十四の年、ちょうど高等三年生の時であった。

自分の出生地は高知県で、始め中学の入学試験に応じたのは十四の年、ちょうど高等三年生の時であった。

木蓮寺田寅彦5分以内371

白木蓮は花が咲いてしまつてから葉が出る。

白木蓮は花が咲いてしまつてから葉が出る。

軽井沢寺田寅彦30分以内6,196

十五年ほど前の夏休みに松原湖へ遊びに行った帰りの汽車を軽井沢でおり、ひと汽車だけの時間を利用してこの付近を歩いたことがあった。

十五年ほど前の夏休みに松原湖へ遊びに行った帰りの汽車を軽井沢でおり、ひと汽車だけの時間を利用してこの付近を歩いたことがあった。

竜舌蘭寺田寅彦30分以内4,516

一日じめじめと、人の心を腐らせた霧雨もやんだようで、静かな宵闇の重く湿った空に、どこかの汽笛が長い波線を引く。

一日じめじめと、人の心を腐らせた霧雨もやんだようで、静かな宵闇の重く湿った空に、どこかの汽笛が長い波線を引く。

花物語寺田寅彦30分以内11,060

一 昼顔  いくつぐらいの時であったかたしかには覚えぬが、自分が小さい時の事である。

一 昼顔  いくつぐらいの時であったかたしかには覚えぬが、自分が小さい時の事である。

芝刈り寺田寅彦30分以内9,761

私は自分の住み家の庭としてはむしろ何もない広い芝生を愛する。

私は自分の住み家の庭としてはむしろ何もない広い芝生を愛する。

球根寺田寅彦30分以内7,184

九月中旬の事であった。

九月中旬の事であった。

簔虫と蜘蛛寺田寅彦30分以内4,068

二階の縁側のガラス戸のすぐ前に大きな楓が空いっぱいに枝を広げている。

二階の縁側のガラス戸のすぐ前に大きな楓が空いっぱいに枝を広げている。

ねずみと猫寺田寅彦60分以内16,345

一  今の住宅を建てる時に、どうか天井にねずみの入り込まないようにしてもらいたいという事を特に請負人に頼んでおいた。

一  今の住宅を建てる時に、どうか天井にねずみの入り込まないようにしてもらいたいという事を特に請負人に頼んでおいた。

解かれた象寺田寅彦10分以内3,467

上野の動物園の象が花屋敷へ引っ越して行って、そこで既往何十年とかの間縛られていた足の鎖を解いてもらって、久しぶりでのそのそと檻の内を散歩している、という事である。

上野の動物園の象が花屋敷へ引っ越して行って、そこで既往何十年とかの間縛られていた足の鎖を解いてもらって、久しぶりでのそのそと檻の内を散歩している、という事である。

からすうりの花と蛾寺田寅彦30分以内8,802

ことしは庭のからすうりがずいぶん勢いよく繁殖した。

ことしは庭のからすうりがずいぶん勢いよく繁殖した。

藤の実寺田寅彦10分以内2,804

昭和七年十二月十三日の夕方帰宅して、居間の机の前へすわると同時に、ぴしりという音がして何か座右の障子にぶつかったものがある。

昭和七年十二月十三日の夕方帰宅して、居間の机の前へすわると同時に、ぴしりという音がして何か座右の障子にぶつかったものがある。

とんびと油揚寺田寅彦10分以内2,950

とんびに油揚をさらわれるということが実際にあるかどうか確証を知らないが、しかしこの鳥が高空から地上のねずみの死骸などを発見してまっしぐらに飛びおりるというのは事実らしい。

とんびに油揚をさらわれるということが実際にあるかどうか確証を知らないが、しかしこの鳥が高空から地上のねずみの死骸などを発見してまっしぐらに飛びおりるというのは事実らしい。

あひると猿寺田寅彦30分以内5,142

去年の夏信州沓掛駅に近い湯川の上流に沿うた谷あいの星野温泉に前後二回合わせて二週間ばかりを全く日常生活の煩いから免れて閑静に暮らしたのが、健康にも精神にも目に見えてよい効果があったように思われるので、ことしの夏も奮発して出かけて行った。

去年の夏信州沓掛駅に近い湯川の上流に沿うた谷あいの星野温泉に前後二回合わせて二週間ばかりを全く日常生活の煩いから免れて閑静に暮らしたのが、健康にも精神にも目に見えてよい効果があったように思われるので、ことしの夏も奮発して出かけて行った。

物理学と感覚寺田寅彦30分以内7,920

人間がその周囲の自然界の事物に対する知識経験の基になる材料は、いずれも直接間接に吾人の五感を通じて供給されるものである。

人間がその周囲の自然界の事物に対する知識経験の基になる材料は、いずれも直接間接に吾人の五感を通じて供給されるものである。

相対性原理側面観寺田寅彦30分以内7,397

一  世間ではもちろん、専門の学生の間でもまたどうかすると理学者の間ですら「相対性原理は理解しにくいものだ」という事に相場がきまっているようである。

一  世間ではもちろん、専門の学生の間でもまたどうかすると理学者の間ですら「相対性原理は理解しにくいものだ」という事に相場がきまっているようである。

怪異考寺田寅彦30分以内6,384

物理学の学徒としての自分は、日常普通に身辺に起こる自然現象に不思議を感ずる事は多いが、古来のいわゆる「怪異」なるものの存在を信ずることはできない。

物理学の学徒としての自分は、日常普通に身辺に起こる自然現象に不思議を感ずる事は多いが、古来のいわゆる「怪異」なるものの存在を信ずることはできない。

比較言語学における統計的研究法の可能性について寺田寅彦60分以内16,613

言語の不思議は早くから自分の頭の中にかなり根深い疑問の種を植え付けていたもののようである。

言語の不思議は早くから自分の頭の中にかなり根深い疑問の種を植え付けていたもののようである。

日常身辺の物理的諸問題寺田寅彦30分以内5,654

毎朝起きて顔を洗いに湯殿の洗面所へ行く、そうしてこの平凡な日々行事の第一箇条を遂行している間に私はいろいろの物理学の問題に逢着する。

毎朝起きて顔を洗いに湯殿の洗面所へ行く、そうしてこの平凡な日々行事の第一箇条を遂行している間に私はいろいろの物理学の問題に逢着する。

物理学圏外の物理的現象寺田寅彦30分以内6,766

物理学は元来自然界における物理的現象を取り扱う学問であるが、そうかと言って、あらゆる物理的現象がいつでも物理学者の研究の対象となるとは限らない。

物理学は元来自然界における物理的現象を取り扱う学問であるが、そうかと言って、あらゆる物理的現象がいつでも物理学者の研究の対象となるとは限らない。

ロプ・ノールその他寺田寅彦10分以内2,695

東トルキスタン東部の流砂の中に大きな湖水ロプ・ノールのあることは二千年昔のシナ人にはすでに知られていて、そのだいたいの形や位置を示す地図ができていたそうである。

東トルキスタン東部の流砂の中に大きな湖水ロプ・ノールのあることは二千年昔のシナ人にはすでに知られていて、そのだいたいの形や位置を示す地図ができていたそうである。

鐘に釁る寺田寅彦10分以内2,040

昔シナで鐘を鋳た後にこれに牛羊の鮮血を塗ったことが伝えられている。

昔シナで鐘を鋳た後にこれに牛羊の鮮血を塗ったことが伝えられている。

自然界の縞模様寺田寅彦30分以内11,622

ここでかりに「縞模様」と名づけたのは、空間的にある週期性をもって排列された肉眼に可視的な物質的形象を引っくるめた意味での periodic pattern の義である。

ここでかりに「縞模様」と名づけたのは、空間的にある週期性をもって排列された肉眼に可視的な物質的形象を引っくるめた意味での periodic pattern の義である。

物質群として見た動物群寺田寅彦10分以内2,621

せんだって、駿河湾北端に近い漁場における鰺の漁獲高と伊豆付近の地震の頻度との間にある関係があるらしいということについて簡単な調査の結果を発表したことがあった。

せんだって、駿河湾北端に近い漁場における鰺の漁獲高と伊豆付近の地震の頻度との間にある関係があるらしいということについて簡単な調査の結果を発表したことがあった。

感覚と科学寺田寅彦5分以内1,840

近代の物理科学は、自然を研究するための道具として五官の役割をなるべく切り詰め自然を記載する言葉の中からあらゆる人間的なものを削除する事を目標として進んで来た。

近代の物理科学は、自然を研究するための道具として五官の役割をなるべく切り詰め自然を記載する言葉の中からあらゆる人間的なものを削除する事を目標として進んで来た。

神話と地球物理学寺田寅彦10分以内2,682

われわれのように地球物理学関係の研究に従事しているものが国々の神話などを読む場合に一番気のつくことは、それらの説話の中にその国々の気候風土の特徴が濃厚に印銘されており浸潤していることである。

われわれのように地球物理学関係の研究に従事しているものが国々の神話などを読む場合に一番気のつくことは、それらの説話の中にその国々の気候風土の特徴が濃厚に印銘されており浸潤していることである。

人魂の一つの場合寺田寅彦10分以内2,941

ことしの夏、信州のある温泉宿の離れに泊まっていたある夜の事である。

ことしの夏、信州のある温泉宿の離れに泊まっていたある夜の事である。

疑問と空想寺田寅彦10分以内3,119

一 ほととぎすの鳴き声  信州沓掛駅近くの星野温泉に七月中旬から下旬へかけて滞在していた間に毎日うるさいほどほととぎすの声を聞いた。

一 ほととぎすの鳴き声  信州沓掛駅近くの星野温泉に七月中旬から下旬へかけて滞在していた間に毎日うるさいほどほととぎすの声を聞いた。

時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ寺田寅彦30分以内4,157

時の観念に関しては、哲学者の側でいろいろ昔からむつかしい議論があったようである。

時の観念に関しては、哲学者の側でいろいろ昔からむつかしい議論があったようである。

先生への通信寺田寅彦30分以内11,815

ヴェニスから  お寺の鳩に豆を買ってやることは日本に限ることと思っていましたがここのサンマルコのお寺の前でも同じことをやっています。

ヴェニスから  お寺の鳩に豆を買ってやることは日本に限ることと思っていましたがここのサンマルコのお寺の前でも同じことをやっています。

病院の夜明けの物音寺田寅彦10分以内2,881

朝早く目がさめるともうなかなか二度とは寝つかれない。

朝早く目がさめるともうなかなか二度とは寝つかれない。

病室の花寺田寅彦30分以内6,434

発病する四五日前、三越へ行ったついでに、ベコニアの小さい鉢を一つ買って来た。

発病する四五日前、三越へ行ったついでに、ベコニアの小さい鉢を一つ買って来た。