牧野信一の全作品

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
途上日記牧野信一10分以内3,558

上  都合に出て来ると都合の空気を腹一杯に満喫したいのが念願である。

上  都合に出て来ると都合の空気を腹一杯に満喫したいのが念願である。

初夏通信牧野信一10分以内3,516

一 (封書――。宛名、神奈川県足柄上郡R――村字鬼塚タバン・アウエルバツハ気付、御常連殿)  僕は東京の生活が物珍らしく、愉快で愉快でマメイドのことなんて思ひ出す余裕もなかつたよ。

一 (封書――。宛名、神奈川県足柄上郡R――村字鬼塚タバン・アウエルバツハ気付、御常連殿)  僕は東京の生活が物珍らしく、愉快で愉快でマメイドのことなんて思ひ出す余裕もなかつたよ。

読書と生活牧野信一10分以内3,704

驢馬旅行  友達のAが私の部屋に現はれて云つた。

驢馬旅行  友達のAが私の部屋に現はれて云つた。

新興芸術派に就ての雑談牧野信一30分以内6,290

S・S・F倶楽部員の座談会。

S・S・F倶楽部員の座談会。

附「歌へる日まで」牧野信一10分以内2,442

R村々長殿  御手紙拝見いたしました。

R村々長殿  御手紙拝見いたしました。

舞踏学校見物牧野信一10分以内2,066

とても蒸暑い日でした。

とても蒸暑い日でした。

〔小林秀雄氏への公開状〕牧野信一5分以内893

この手紙を書くべく考へはぢめて、もう十日あまりも経つのであるが、手紙といふても稍かたちの違ふものであるから、起きあがつてからと思つてゐるうちに、中々風邪が治らず、もう間に合ひさうもなくなつたから、寝たまゝ弁解風のことを書く。

この手紙を書くべく考へはぢめて、もう十日あまりも経つのであるが、手紙といふても稍かたちの違ふものであるから、起きあがつてからと思つてゐるうちに、中々風邪が治らず、もう間に合ひさうもなくなつたから、寝たまゝ弁解風のことを書く。

〔モダン紳士十誡〕牧野信一5分以内1,130

*  希ひである――。

*  希ひである――。

推賞寸言牧野信一5分以内746

田舎の明るい竹林のほとりに住んでゐる、私の或る知人の簡素な茶室に、一幄の懸物がかゝつてゐた。

田舎の明るい竹林のほとりに住んでゐる、私の或る知人の簡素な茶室に、一幄の懸物がかゝつてゐた。

喜劇考牧野信一30分以内5,062

KATA-KOMAS  ドリアン――彼女は私達の愛馬の名前である。

KATA-KOMAS  ドリアン――彼女は私達の愛馬の名前である。

昭和五年に発表せる創作・評論に就て牧野信一5分以内648

「僕は哲学と芸術の分岐点に衝突して自由を欠いた頭を持てあました。息苦しく、悩ましく、砂漠に道を失ふたまま、ただぼんやりと空を眺めてゐるより他に始末のない姿を保ちつゞけた。」  これは今年のはじめに発表された「吊籠と月光と」の冒頭の言葉で、そして私はこの作と「ラガド大学参観記」といふ作品とで、さうした砂漠の世界から駈け出して、不思議な原始生活の中に翼を拡げて、ある生活を見出すまでのことを書いたのであ

「僕は哲学と芸術の分岐点に衝突して自由を欠いた頭を持てあました。息苦しく、悩ましく、砂漠に道を失ふたまま、ただぼんやりと空を眺めてゐるより他に始末のない姿を保ちつゞけた。」  これは今年のはじめに発表された「吊籠と月光と」の冒頭の言葉で、そして私はこの作と「ラガド大学参観記」といふ作品とで、さうした砂漠の世界から駈け出して、不思議な原始生活の中に翼を拡げて、ある生活を見出すまでのことを書いたのであ

今年発表した一ばん好きな自作について牧野信一5分以内147

今年発表した作品のうちでは次の三篇に幾分の好意を感ずる。

今年発表した作品のうちでは次の三篇に幾分の好意を感ずる。

彼に就いての挿話牧野信一10分以内3,739

井伏鱒二の作と人。

井伏鱒二の作と人。

驚いた話牧野信一5分以内1,019

去年の冬であつた。

去年の冬であつた。

なつかしき挿話牧野信一5分以内1,496

震災後、未だ雑誌「新演芸」が花やかであつた頃、作家の見たる芝居の印象――といふやうな欄があつて、僕も二三度此処に登場したことがある。

震災後、未だ雑誌「新演芸」が花やかであつた頃、作家の見たる芝居の印象――といふやうな欄があつて、僕も二三度此処に登場したことがある。

卓上演説牧野信一30分以内5,265

おゝ皆さん、今宵、この真夏の夜の夢の、いとも花やかなる私達の円卓子にお集りになつた学識に富み夢に恵まれ、且つまたゲルマン系の「冒険の歌」より他に歌らしい歌も弁へぬ南方の蛮人(私)を指命して一場の演説を所望なさるゝといふ最も趣味拡き紳士よ、淑女よ、私は立ち上りました、私はマルテン・ルーテルの祈りを口吟みながら立ち上りました――。

おゝ皆さん、今宵、この真夏の夜の夢の、いとも花やかなる私達の円卓子にお集りになつた学識に富み夢に恵まれ、且つまたゲルマン系の「冒険の歌」より他に歌らしい歌も弁へぬ南方の蛮人(私)を指命して一場の演説を所望なさるゝといふ最も趣味拡き紳士よ、淑女よ、私は立ち上りました、私はマルテン・ルーテルの祈りを口吟みながら立ち上りました――。

真夏の夜の夢牧野信一10分以内3,763

上  私は「喜劇考」と題して喜劇の発生に関する物語を、宇宙万物の流転の涯しもない煙りが人々の胸に炎えて怖ろしく佗しい道をたどつて行く原始人の底知れぬ落莫感に起因したといふ話を聞いて、自分達の住んだ村の風景を描写することで叙述したことがあるが、喜劇も悲劇も発生の混沌時代にあつては、断じて笑ひとか涙とかで分類出来ぬ――単に人間の、壮麗な宇宙と卑小な生命に戦く恐怖と憧憬の歌に源くのみであつた。

上  私は「喜劇考」と題して喜劇の発生に関する物語を、宇宙万物の流転の涯しもない煙りが人々の胸に炎えて怖ろしく佗しい道をたどつて行く原始人の底知れぬ落莫感に起因したといふ話を聞いて、自分達の住んだ村の風景を描写することで叙述したことがあるが、喜劇も悲劇も発生の混沌時代にあつては、断じて笑ひとか涙とかで分類出来ぬ――単に人間の、壮麗な宇宙と卑小な生命に戦く恐怖と憧憬の歌に源くのみであつた。

南風譜・梗概牧野信一5分以内380

滝本守夫が父親を失つた後の家庭上の紛争に取り囲まれながら異母妹のローラのアメリカからの訪れを待つてゐるうちに、友達の妹(森百合子)の家出の事などを中心にして彼方此方に様々な形の低気圧が起らうとしてゐる明るい海辺の村の面貌を写し来つたのです。

滝本守夫が父親を失つた後の家庭上の紛争に取り囲まれながら異母妹のローラのアメリカからの訪れを待つてゐるうちに、友達の妹(森百合子)の家出の事などを中心にして彼方此方に様々な形の低気圧が起らうとしてゐる明るい海辺の村の面貌を写し来つたのです。

満里子のこと牧野信一10分以内2,136

苗字は省きますが満里子君は私の少数の女友達のうちで、数年以来変らぬ親愛と信頼とを惜みなく持ち続けてゐる可憐で快活な人です。

苗字は省きますが満里子君は私の少数の女友達のうちで、数年以来変らぬ親愛と信頼とを惜みなく持ち続けてゐる可憐で快活な人です。

一九三二年に計画する牧野信一5分以内27

初歩ラテン・ギリシヤ語及び博物の机上研究を計劃します。

初歩ラテン・ギリシヤ語及び博物の机上研究を計劃します。

三田に来て牧野信一10分以内3,963

一  結廬古城下  時登古城上  古城非疇昔  今人自来往  坂を登り、また坂を登り――そして、石垣の台上に居並ぶ家々のうちで、一番隅つこの、一番小さい家に居を移した。

一  結廬古城下  時登古城上  古城非疇昔  今人自来往  坂を登り、また坂を登り――そして、石垣の台上に居並ぶ家々のうちで、一番隅つこの、一番小さい家に居を移した。

山の見える窓にて牧野信一5分以内1,120

私はこの町(芝区三田――)で、はじめての春を迎へた。

私はこの町(芝区三田――)で、はじめての春を迎へた。

手紙牧野信一5分以内1,595

お手紙拝見。

お手紙拝見。

大音寺君!牧野信一5分以内1,324

いつも僕は野球の期節になると何よりも先に屹度大音寺君のことを思ひ出す。

いつも僕は野球の期節になると何よりも先に屹度大音寺君のことを思ひ出す。

文学とは何ぞや牧野信一10分以内2,999

上  その科目は、何であつたか今私は忘却してしまつたが、その科目の受持教授は、数年前に物故された片上伸先生であつた。

上  その科目は、何であつたか今私は忘却してしまつたが、その科目の受持教授は、数年前に物故された片上伸先生であつた。

私の万年筆牧野信一5分以内1,397

西暦一九〇三年の?月――日露の講和会議が米のポーツマスに開催されると決定された数ヶ月前に、一人の日本学生が、急にホワイトハウスの何課かに雇入れられました。

西暦一九〇三年の?月――日露の講和会議が米のポーツマスに開催されると決定された数ヶ月前に、一人の日本学生が、急にホワイトハウスの何課かに雇入れられました。

ひとりごと牧野信一10分以内3,415

(十月十六日)           *  きのふ、おとゝひ、さきおとゝひ――と、あゝ、何といふ浅ましさであらう、嫌はれ、軽蔑され、憎がられて、ウマクもない酒をのんでの気違騒ぎ、あゝ、もう厭だ、断然、酒は御免だ。

(十月十六日)           *  きのふ、おとゝひ、さきおとゝひ――と、あゝ、何といふ浅ましさであらう、嫌はれ、軽蔑され、憎がられて、ウマクもない酒をのんでの気違騒ぎ、あゝ、もう厭だ、断然、酒は御免だ。

嘆きの谷で拾つた懐疑の花びら牧野信一10分以内2,283

日記といふものを、逆に時日を遡つて誌さうとしたら、映画のヒルムを逆に回転するやうな混乱に陥るだらうか――今朝、こんなことを考へながら、墓地に隣る生垣の傍らで書きかけの原稿を焼いてゐた。

日記といふものを、逆に時日を遡つて誌さうとしたら、映画のヒルムを逆に回転するやうな混乱に陥るだらうか――今朝、こんなことを考へながら、墓地に隣る生垣の傍らで書きかけの原稿を焼いてゐた。

写真に添えて牧野信一5分以内1,296

この家の納屋で僕は斯んな奇妙な自転車を発見した。

この家の納屋で僕は斯んな奇妙な自転車を発見した。

春の手紙牧野信一5分以内286

冬の朝の日差しが深々とした縁先で、去年のノートを拡げてゐると、不図、書きかけの手紙の一片が滾れ落ちた。

冬の朝の日差しが深々とした縁先で、去年のノートを拡げてゐると、不図、書きかけの手紙の一片が滾れ落ちた。

五月六日牧野信一5分以内1,389

一ぺん朝はやく起きたのであつたが、ゆうべから読みかけてゐた「ライネケの話」といふおとぎばなしを感心しながら読んでゐるうちに、うと/\してしまつて風谷龍吉君に起されると、お午だつた。

一ぺん朝はやく起きたのであつたが、ゆうべから読みかけてゐた「ライネケの話」といふおとぎばなしを感心しながら読んでゐるうちに、うと/\してしまつて風谷龍吉君に起されると、お午だつた。

「三田文学」と巌谷夫人牧野信一10分以内2,480

これに出てゐる「十二時」といふ小説は、姉のだよと十郎が僕の机の上にあつた「三田文学」を指さしたので、僕はおどろいてそれをとりあげ、早速その場でその小説を読みはぢめたときのことを僕は今でもはつきりと思ひ出せるのだ。

これに出てゐる「十二時」といふ小説は、姉のだよと十郎が僕の机の上にあつた「三田文学」を指さしたので、僕はおどろいてそれをとりあげ、早速その場でその小説を読みはぢめたときのことを僕は今でもはつきりと思ひ出せるのだ。

私の崇拝する偉人牧野信一5分以内68

一、崇拝する偉人 一、現存の人の裡世界第一の偉人と思惟する人 一、右理由 一、プラトー、シェイキスピア、ゲーテ 一、アインシュタイン

一、崇拝する偉人 一、現存の人の裡世界第一の偉人と思惟する人 一、右理由 一、プラトー、シェイキスピア、ゲーテ 一、アインシュタイン

「学生警鐘」と風牧野信一30分以内6,307

氷嚢の下 旅まくら 熱になやみて風を聴く とり落した手鏡の 破片にうつる いくつものわが顔 湖はひかりて ふるさとは遠い           *  夜をこめて吹き荒んだ風が、次の日もまたその次の日も絶え間もなく鳴りつづけてゐるといふ――そのやうな風に私はこの町ではぢめて出遇つた。

氷嚢の下 旅まくら 熱になやみて風を聴く とり落した手鏡の 破片にうつる いくつものわが顔 湖はひかりて ふるさとは遠い           *  夜をこめて吹き荒んだ風が、次の日もまたその次の日も絶え間もなく鳴りつづけてゐるといふ――そのやうな風に私はこの町ではぢめて出遇つた。

魚籃坂にて牧野信一10分以内2,562

魚籃坂に住んで二度目の夏を迎へるわけだが、割合にこのあたりは住み心地が佳いのだらうか、何時何処に移つても直ぐその翌日あたりから、さてこの次は何処に住まうかといふやうなことを考へはじめるのが癖なのに、そしてひとりでそつと上眼をつかひながら、放浪といふ言葉などを想ひ描いて切なく寂し気な夢を追ふのが癖なのに、珍らしくもあまり引越しのことなどは考へずに――また夏となつた。

魚籃坂に住んで二度目の夏を迎へるわけだが、割合にこのあたりは住み心地が佳いのだらうか、何時何処に移つても直ぐその翌日あたりから、さてこの次は何処に住まうかといふやうなことを考へはじめるのが癖なのに、そしてひとりでそつと上眼をつかひながら、放浪といふ言葉などを想ひ描いて切なく寂し気な夢を追ふのが癖なのに、珍らしくもあまり引越しのことなどは考へずに――また夏となつた。

〔婦人手紙範例文〕牧野信一30分以内6,318

転地してゐる義妹へ  何や彼やと毎日のことばかりに追はれて、ついついお手紙さへも書きおくれて居りましたこと、どうぞおゆるし下さい。

転地してゐる義妹へ  何や彼やと毎日のことばかりに追はれて、ついついお手紙さへも書きおくれて居りましたこと、どうぞおゆるし下さい。

水車小屋の日誌牧野信一10分以内2,634

一  今度東京へ戻つてからの住むべき部屋を頼む意味の手紙を八代龍太に書くつもりで、炉端で鉛筆を削つた。

一  今度東京へ戻つてからの住むべき部屋を頼む意味の手紙を八代龍太に書くつもりで、炉端で鉛筆を削つた。

その村を憶ひて牧野信一30分以内4,068

怒田村のこと  鬼涙、寄生木、夜見、五郎丸、鬼柳、深堀、怒田、竜巻、惣領、赤松、金棒、鍋川――足柄の奥地に、昔ながらのさゝやかな巣を営んでゐるそれらの村々を私は渡り歩いて、昆虫採集に没頭してゐた。

怒田村のこと  鬼涙、寄生木、夜見、五郎丸、鬼柳、深堀、怒田、竜巻、惣領、赤松、金棒、鍋川――足柄の奥地に、昔ながらのさゝやかな巣を営んでゐるそれらの村々を私は渡り歩いて、昆虫採集に没頭してゐた。

私が占ひに観て貰つた時牧野信一5分以内189

自分からすゝんで占ひを観て貰つたことはないが、十七八歳の頃祖母が突然小生の面上のほくろを気にしはぢめて、占ひ者に謀り、何れと何れとを抹殺すべきかと二三を指摘し、さて占者は小生を静座せしめて、はたとその面を睨めて物凄い声で気合ひをかけた。

自分からすゝんで占ひを観て貰つたことはないが、十七八歳の頃祖母が突然小生の面上のほくろを気にしはぢめて、占ひ者に謀り、何れと何れとを抹殺すべきかと二三を指摘し、さて占者は小生を静座せしめて、はたとその面を睨めて物凄い声で気合ひをかけた。

今年の文壇を回顧する牧野信一5分以内195

一、昭和八年度文壇は貴下に如何なる感想を与へましたか 二、本年中で発表された作品で最も印象に残つたものは何ですか 二、あらためて振り返つて見ると、小生は今年あちこちと、さ迷ひ回つてゐたゝめに殆ど何も読まなかつたらしいのです。

一、昭和八年度文壇は貴下に如何なる感想を与へましたか 二、本年中で発表された作品で最も印象に残つたものは何ですか 二、あらためて振り返つて見ると、小生は今年あちこちと、さ迷ひ回つてゐたゝめに殆ど何も読まなかつたらしいのです。

僕の酒牧野信一5分以内864

悪い酒であります。

悪い酒であります。

「尾花」を読みて牧野信一10分以内2,168

途中で考へるから、ともかく銀座の方へ向つて走つて呉れたまへ――僕は、いつにもそんなことはないのだが、たつたひとりで寂しさうに外へ出ると、車に乗つて、そんな風に呟いた。

途中で考へるから、ともかく銀座の方へ向つて走つて呉れたまへ――僕は、いつにもそんなことはないのだが、たつたひとりで寂しさうに外へ出ると、車に乗つて、そんな風に呟いた。

冬日抄牧野信一5分以内932

(手紙を書く)           *  空想は自然の隈どりだ、櫟林の奥で捕獲した一個のムラサキ蝶を験めようか! 樺色地に薄墨の豹紋を散らして、光りの屈折に随つては、真紫に輝く見るも鮮やかな幻色を呈するのだ。

(手紙を書く)           *  空想は自然の隈どりだ、櫟林の奥で捕獲した一個のムラサキ蝶を験めようか! 樺色地に薄墨の豹紋を散らして、光りの屈折に随つては、真紫に輝く見るも鮮やかな幻色を呈するのだ。

サフランの花牧野信一10分以内2,291

これは私の父親(二十五才)の日記である。

これは私の父親(二十五才)の日記である。

久保田万太郎牧野信一5分以内612

きのふしばらくぶりで東京へ行き「文藝通信」の机でこれを書かうと二時間あまりもぼんやりしてゐたが久保田さんときくといつそ目の前の電話機をとりたくなつて、だがとうとうその決心もつかなかつた。

きのふしばらくぶりで東京へ行き「文藝通信」の机でこれを書かうと二時間あまりもぼんやりしてゐたが久保田さんときくといつそ目の前の電話機をとりたくなつて、だがとうとうその決心もつかなかつた。

「樫の芽生え」を読みて牧野信一5分以内907

宮城聡氏の「樫の芽生え」なる小説を読んで、私は痛感に堪えられなかつた。

宮城聡氏の「樫の芽生え」なる小説を読んで、私は痛感に堪えられなかつた。

最近注目した長篇・短篇小説に就て牧野信一5分以内53

一、最近注目した長篇(中篇)小説 二、最近感心した短篇小説 二、宮城聡「樫の芽生」、石浜金作「遁走記」

一、最近注目した長篇(中篇)小説 二、最近感心した短篇小説 二、宮城聡「樫の芽生」、石浜金作「遁走記」

わが最も愛する作中人物牧野信一5分以内98

一、貴方の最も愛せらるゝ小説・劇・映画の作中人物 二、右愛せらるゝ理由 一、樋口一葉『たけくらべ』の美登利。

一、貴方の最も愛せらるゝ小説・劇・映画の作中人物 二、右愛せらるゝ理由 一、樋口一葉『たけくらべ』の美登利。

はがき通信牧野信一5分以内153

あちこちと出歩いて居りましたため御返事申おくれました。

あちこちと出歩いて居りましたため御返事申おくれました。

読んだ本牧野信一5分以内919

今僕の枕元には、ジイド全集の第四巻と久保田万太郎氏の「月あかり・町中」の二部があるのみ。

今僕の枕元には、ジイド全集の第四巻と久保田万太郎氏の「月あかり・町中」の二部があるのみ。