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30分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
月評牧野信一
30分以内
一  読むのがのろいからと心配して――これで僕は四ヶ月もつゞけて(三ヶ月間は、「早稲田文学」のために――)早く出るものからぼつ/\と読みはじめ、さて、いよ/\書かうといふ段になると、十日も前に読んだものゝ記憶は大ぶんあやしくなり、また繰ひろげて、あれこれと戸惑ひ、結局時間に追はれて半分も読み損つてしまふ有様は、まるでアダムスン漫画のやうであつた。
書斎を棄てゝ牧野信一
30分以内
一  もうわたしは、余程久しい以前から定つた自分の部屋といふものを忘れて、まるで吟遊詩人のやうな日をおくつてゐることだ。
湖の夢牧野信一
30分以内
一  友人である医学士のF君が、オースチンを購入したので、案内車を先に立てながら富士の五湖をまはつて来ようと、或る晩わたしの部屋を訪れた。
文学的自叙伝牧野信一
30分以内
父親からの迎へが来次第、アメリカへ渡るといふ覚悟を持たせられてゐて、私は小学校へ入る前後からカトリツク教会のケラアといふ先生に日常会話を習ひはじめてゐた。
浪曼的時評牧野信一
30分以内
先月は殆んど一ト月、新緑の中の海辺や山の温泉につかつて文字といふ文字は何ひとつ目にもせず蝶々などを追ひかけて暮し、その間に何か際立つた作品が現れてゐたかも知れないが、それまでは今年になつてからといふものわたしは、その読後感を誌す目的で毎月つゞけて月々の多くの雑誌を読んで来た。
山峡の凧牧野信一
30分以内
一  百足凧と称する奇怪なかたちの凧は、殆ど人に知られてゐないらしい。
或るハイカーの記牧野信一
30分以内
適量の日本酒を静かに吟味しながら愛用してゐれば、凡そ健康上の効用に此れ以上のものは無いといふことは古来から夙に云はれて居り、わたしなども身をもつてそれを明言出来る者であつたが、誰しも多くの飲酒者は稍ともすれば感情のほとばしるに任せては後悔の種を育てがちになるのも実にも通例の仕儀ながら、わたしも亦その伝で銀座通りなどをおし歩きながらウヰスキーをあをりつゞけたお蔭で、例に依つて例の如く、終ひに閑寂なる
牧野信一
30分以内
寒い晩だつた。
凸面鏡牧野信一
30分以内
「君は一度も恋の悦びを経験した事がないのだね。――僕が若し女ならば、生命を棄てゝも君に恋をして見せるよ。」と彼のたつた一人の親友が云つた時、 「よせツ、戯談じやねえ、気味の悪るい。」、と二人が腹を抱へて笑つてしまつて――その笑ひが止らない中に、彼はその友の言葉に真実性を認めたから、自分を寂しいと思ふ以上に、親友の有り難さに嬉し涙を感ずる、と同時に、「そんなに心配して呉れないでもいゝよ。」と答へ度い
牧野信一
30分以内
若しも貴方が妾に裏切るやうな事があれば、妾は屹度貴方を殺さずには置きませんよ、と常に云つてゐた女が、いざとなつたら他愛もなく此方を棄てゝ行つた。
愚かな朝の話牧野信一
30分以内
窓に限られた小さな空が紺碧に澄み渡つて、――何かかう今日の一日は愉快に暮せさうな、といふやうな爽々しい気持が、室の真中に上向けに寝転むだ儘、うつとりとその空を眺めあげた私の胸にふはふはと感ぜられました。
痴想牧野信一
30分以内
私は岡村純七郎の長男で純太郎といふ名前である。
砂浜牧野信一
30分以内
羽根蒲団の上に寝ころんでゐるやうだ――などと私は思つたくらゐでした。
池のまはり牧野信一
30分以内
「ね、お祖母さん――」  半分あまつたれるやうな口調で彼は、もぐ/\云はせながら祖母の炬燵の中へ割込むで行つた。
熱海へ牧野信一
30分以内
彼は徳利を倒にして、細君の顔を見返つた。
手紙 小泉八雲
30分以内
拝啓  先に長崎からお手紙を差し上げると申しておりましたが、それはかなわない事になりました。
死児を産む葛西善蔵
30分以内
この月の二十日前後と産婆に言われている大きな腹して、背丈がずんぐりなので醤油樽か何かでも詰めこんでいるかのような恰好して、おせいは、下宿の子持の女中につれられて、三丁目附近へ産衣の小ぎれを買いに出て行った。
父の出郷葛西善蔵
30分以内
ほんのちょっとしたことからだったが、Fを郷里の妻の許に帰してやる気になった。
父の葬式葛西善蔵
30分以内
いよいよ明日は父の遺骨を携えて帰郷という段になって、私たちは服装のことでちょっと当惑を感じた。
「鱧の皮 他五篇」解説宇野浩二
30分以内
上司小劍は、明治七年十二月十五日に生まれ、昭和二十二年九月二日に死んだ、かぞへ年七十四歳であつた。
室生犀星
30分以内
一  お川師堀武三郎の留守宅では、ちょうど四十九日の法事の読経も終って、湯葉や精進刺身のさかなで、もう坊さんが帰ってから小一時間も経ってからのことであった。
隣の花岸田国士
30分以内
一 郊外にある例の小住宅向き二軒長屋。
茶碗の曲線中谷宇吉郎
30分以内
もう二十年以上も昔の話であるが、考古学を専攻していた私の弟が、東大の人類学教室で、土器の研究をしていたことがある。
I駅の一夜中谷宇吉郎
30分以内
まだ戦争中の話である。
由布院行中谷宇吉郎
30分以内
去年の夏のことである。
雪雑記中谷宇吉郎
30分以内
この頃大ていの雪の結晶が皆実験室の中で人工で出来るようになったので、自分ではひとりで面白がっている。
比較科学論中谷宇吉郎
30分以内
一 研究における二つの型  科学が今日のように発達して来ると、専門の分野が、非常に多岐に分れて、研究の方法も、千差万別の観を呈している。
指導者としての寺田先生中谷宇吉郎
30分以内
先生の臨終の席に御別れして、激しい心の動揺に圧されながらも、私はやむをえぬ事情のために、その晩の夜行で帰家の途に就いた。
語呂の論理中谷宇吉郎
30分以内
先年北海道で雪の研究に手を付けた時、日本の昔の雪の研究として有名な、土井利位の『雪華図説』と鈴木牧之の『北越雪譜』とを何とかして手に入れたいものと思って、古書の専門店の方へも聞き合せたことがあったが、折悪しくどうも手に入らないので困っていた。
「茶碗の湯」のことなど中谷宇吉郎
30分以内
もう三年ばかり前のことであるが、小宮先生の紹介で鈴木三重吉氏の未亡人の方から、『赤い鳥』に昔出ていた通俗科学の話を纏めて、一冊の本にしたいから、その校訂をしてくれというお話があった。
ツーン湖のほとり中谷宇吉郎
30分以内
もう十年も前のことであるが、倫敦に留学中私はユニバシティカレッヂのポーター老先生の所へ繁げ/\出入りしてゐるうちに、一緒に瑞西へ行かうとさそはれたことがあつた。
南京虫日記斎藤茂吉
30分以内
西暦一九二三年八月十三日、Rothmund 街八番地に貸間があるといふので日本媼の息子が案内してくれた。
イーサル川斎藤茂吉
30分以内
イーサル川は南の方のアルプス山中から出て、北へ向つて流れてゐる。
俳句は老人文学ではない室生犀星
30分以内
萩原朔太郎君がいつか「詩に別れた室生君へ」と題した僕に宛てた感想文のなかに、特に俳句が老年者の文学であつて恰も若い溌溂とした文学作品でないことを述べてあつたが、僕はこれを萩原君に答へずに置いたのは、この問題を釈くことが可成りに面倒であり簡単に言ひ尽せないからであつた。
青春槙村浩
30分以内
(若き日の孤独を灼きつくす情熱を われらに与えよ われらをして戦いに凍えたる手と疲れたる唇に 友を亨けしめよ 銀の鉛屋根の上に 朽葉色の標燈の照らす夜を われらの老いたる母のひとり眠る時 明るき原と自由なる槌を、こゝに 赤きプラカードのごとく われらと共に擁する友を亨けしめよ 牢獄! 崩れた喜びと愛と思い出の蘇る日 友と生活の悦びを 金盞花えの雑りけなき接吻と共に 鉄色の電気の溶流の瞬間の衝撃の
長詩槙村浩
30分以内
その時僕は牢獄の中に坐ってゐた 格子が 僕と看守の腰のピストルとの間をへだてゝゐた 看守は わざ/\低くつくりつけた窓からのぞきこむために 朝々うやうやしく僕にお辞儀し 僕は まだ脱獄してゐない証拠として ちびつけのブハーリンのような不精髯の間から 朝々はったと看守をにらみつけた これが僕らの挨拶だった 朝になると、窓が右からかげって来た 夜になると、窓が左からかげって来た そのたびにアスファルト
偶言津田左右吉
30分以内
一  日本人の趣味は淡泊である、清楚である、または軽快である、濃艶な、重くるしい、はでやかな、または宏大なものは好まない、だから、――というような話が今でもまだ或る程度まで真実らしく、いわれもし聞かれもしている。
神代史の研究法津田左右吉
30分以内
一  今日に伝わっている我が国の最古の史籍たる『古事記』と『日本書紀』との巻頭にはいわゆる神代の巻という部分がある。
青い紐田中貢太郎
30分以内
桃山哲郎は銀座尾張町の角になったカフェーでウイスキーを飲んでいた。
雑木林の中田中貢太郎
30分以内
明治十七八年比のことであった。
エタに対する圧迫の沿革喜田貞吉
30分以内
1 エタに対する甚だしい圧迫の事実  名称廃止以前のエタに対する幕府その他諸藩当路者の発した布告法令の文を見ると、その圧迫の甚だしかった状態は、実に悪寒戦慄を覚えしむるものがある。
「特殊部落研究号」発行の辞喜田貞吉
30分以内
「特殊部落研究号」は何が為に発刊せらるるか。
なりひら小僧山中貞雄
30分以内
なりひら小僧 東亜時代映画 (サイレント) 原作並脚色  山中貞雄 監督     仁科熊彦 撮影     藤井春美 キャスト なりひら小僧     嵐寛寿郎 さんぴん山左衛門  市川寿三郎 二ツ目左膳     頭山桂之助 おさらばお小夜    原 駒子 ましらの半次     阪東太郎 ふんぞり七兵衛    尾上紋弥 大月玄蕃       東正次郎 居酒屋の亭主    嵐橘右衛門 娘お静     
あの顔大倉燁子
30分以内
1  刑事弁護士の尾形博士は法廷から戻ると、久しぶりにゆっくりとした気分になって晩酌の膳にむかった。
和製椿姫大倉燁子
30分以内
1  私が玄関の格子を開けると、母が馳け出して来て、 「御殿山の東山さんからお使いが見えたよ、今朝っから、三度も」と急きこむように云った。
むかでの跫音大倉燁子
30分以内
1  福知山から三田行に乗り換えた時には、もう汽車の中にまで夕闇が迫っていた。
梟の眼大倉燁子
30分以内
ポケットのダイヤ  陽子は珍らしく早起きして、朝のお化粧もすませ、ヴェランダの籐椅子にながながと両足を延ばし、ココアを飲みながら、頻りに腕時計を眺めていた。
魂の喘ぎ大倉燁子
30分以内
1  ××新聞社の編集局長A氏は旧侯爵藤原公正から招待状を貰った。
鷺娘大倉燁子
30分以内
1 「まゆみちゃん、何のお話かと思って飛んで来たら、いやあよ、またあの縁談なの? 私はやっぱり一生独身で、芸術に精進する積りなんだから、お断りしますよ」  百合子はさっぱりと云った。
牛捨場馬捨場喜田貞吉
30分以内
今もなお諸所に小字を牛捨場または馬捨場と称する所がある。
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