長詩バイロン・ハイネ――獄中の一断想――
槙村浩
『長詩』は青空文庫で公開されている槙村浩の短編作品。9,760文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 9,760文字 |
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書き出し書出 | その時僕は牢獄の中に坐ってゐた格子が僕と看守の腰のピストルとの間をへだてゝゐた看守はわざ/\低くつくりつけた窓からのぞきこむために朝々うやうやしく僕にお辞儀し僕はまだ脱獄してゐない証拠としてちびつけのブハーリンのような不精髯の間から朝々はったと看守をにらみつけたこれが僕らの挨拶だった朝になると、窓が右からかげって来た夜になると、窓が左からかげって来たそのたびにアスファルトのどす黒い影が... |
初出 | 「詩人」1936(昭和11)年1月 |
底本 | 槇村浩詩集 |
表記 | 新字旧仮名 |
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