槙村浩の全作品
青空文庫で公開されている槙村浩の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。
1-31件 / 全31件
| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 華厳経と法華経 | 槙村浩 | 10分以内 | |
華厳経と法華経は古来仏教の二大聖典として、併称された。 | |||
| 入所時感想録 | 槙村浩 | 5分以内 | |
六三五番 氏名 吉田豊道 一 犯罪するに至った筋道を記せ 自分ハ最初世上ノ俗論ニ迷ハサレテ、マルクス主義ハ一箇ノユートピアニ過ギナイト信ジテ居タ。 | |||
| 我々は牢獄で何をなすべきか | 槙村浩 | 5分以内 | |
現在ほど、国家機構に直面する牢獄におけるわれ/\の態度の乱れ勝ちな、しかも現在ほど、その統一を必要とする時代はない。 | |||
| 一九三二・二・二六 | 槙村浩 | 5分以内 | |
営舎の高窓ががた/\と揺れる ばったのやうに塀の下にくつゝいてゐる俺達の上を 風は横なぐりに吹き 芝草は頬を、背筋を、針のやうに刺す 兵営の窓に往き来する黒い影と 時どき営庭の燈に反射する銃剣を見詰めながら おれは思ふ、斃されたふたりの同志を 同志よ おれは君を知らない 君の経歴も、兵営へもぐり込んで君が何をしたかも 兵営の高塀と歩哨の銃剣とはお互の連絡を断ってしまった おれは君たちが おれが | |||
| 毛利孟夫に | 槙村浩 | 5分以内 | |
これやこの毛利孟夫 山間の獄にペンを撫し 戦いに病める君が身を養わんと 函数を釣り 積分にゆあみし ひねもす 土地と資本の 数字と 符号の 時空における 不統一の空隙を逍遥する 君のマルキシズムは かゝる隙間を埋むるに足れりど なお詩もて愛すべき膠着剤とせよ | |||
| 間島パルチザンの歌 | 槙村浩 | 10分以内 | |
思ひ出はおれを故郷へ運ぶ 白頭の嶺を越え、落葉松の林を越え 蘆の根の黒く凍る沼のかなた 赭ちゃけた地肌に黝ずんだ小舎の続くところ 高麗雉子が谷に啼く咸鏡の村よ 雪溶けの小径を踏んで チゲを負ひ、枯葉を集めに 姉と登った裏山の楢林よ 山番に追はれて石ころ道を駆け下りるふたりの肩に 背負繩はいかにきびしく食ひ入ったか ひゞわれたふたりの足に 吹く風はいかに血ごりを凍らせたか 雲は南にちぎれ 熱風は | |||
| 世界大戦の後 | 槙村浩 | 5分以内 | |
今より凡そ八年前大正三年の六月も将にくれんとする時、突如天の一方より来った飛電は全欧否全世界の人民を驚倒せしめ、わづか九日の間で英仏独墺露の五強国は戈をふるって立った。 | |||
| ダッタン海峡 | 槙村浩 | 5分以内 | |
春の銀鼠色が朝の黒樺を南からさしのばした腕のように一直線に引っつかんで行く 凍った褐色の堀割が、白いドローキの地平を一面に埋める ―――ダッタン海峡! ふいに一匹の迷い栗鼠が雪林から海氷の割れ目え転げ落ちる とたん、半分浮絵になった銅チョコレート色の靄の中から、だ、だ、ただーんと大砲を打っ発した 峡瀬をはさんで、一つの流れと海面からふき出した一つの島がある 土人は黒龍江を平和の河と呼び、サハリン | |||
| 野兎の歌 | 槙村浩 | 5分以内 | |
(ふん、芸術家ってものは、獄中ですらきれ/″\ながら守りたてゝいる組織を、あまり勝手に外で、解散しすぎるぢゃないか。そんな組織なら連袂脱盟して政治専一にしろよ。――と言った別れしなの獄内の同志の言葉を僕はなだめかねた。) ある特殊の野兎たちは 集まり、手分けし 野兎たちを組織し できるだけ多くの同僚を野兎にしようとする 彼等は前足の陰のみづかきみたいなもので まじめに何かしきりに、書いては消し | |||
| 獄内にてドイツの同志を思う歌 | 槙村浩 | 10分以内 | |
鎌と槌をうちぬく ひろ/″\とした 美くしい 自由の花園をへだてゝ 砲口をそなえた二つの牢獄がそゝり立つ! ―――日本! 東方の突端 この蜜房のようなじめ/\した数千の牢獄の一画に おれらが住み―――潮が 南方のたぎりたつ褐色の急潮が 夜の銃架のように、おし静まった独房のはての 島々の礎石を噛み 残虐な奴隷労働の、憂愁と反逆を箭のような熔熱にのせて 北流し―――化石した憂愁を、大陸の凍岸に崩折れ | |||
| 英雄ナポレオン | 槙村浩 | 5分以内 | |
南欧の夜の更け行けば 空には清き星の数 銀河の影もたなびきて 風は香りて薫ばしき 月は折しも青く冴え 波も静けき海原に 俄に殺気みなぎりて なびく異国の旗の影 沖の鴎も怪みて 水の上遠く飛び行けば 羽ばたきに散る水煙 銀月ゆらぐ春の海 東雲の空月落ちて 残星光失へば 彼方に霞む紅の 雲を破って朝の風 天気に響く万歳に 馬に鞭あて英雄の 後に残すや砂煙 パリをさして急ぎ行く 暗雲低くたなびきて 雨濛 | |||
| シュレジェンの織工によせて | 槙村浩 | 5分以内 | |
おなじみの古調で ハイネはしみじみとシュレジェンの織工の歌をぼくに告げた 無慈悲な神々、王と、不実な祖国とえ三重の呪咀を織りこんだむかしの労働者の歌を その后ぼくは皇帝の監獄部屋で 皇帝の親衛兵たちのボロを解きながら 皇帝の緋色の衣装を拝受した このマンチュリアの婦人服に似た着衣は皇帝の女囚によって織られた 三重の呪咀は、高貴な織物の一片々々にしみわたっていた 僕は毎朝監守の前で、わざとおどけ | |||
| 明日はメーデー | 槙村浩 | 5分以内 | |
古ぼけたぜんまいがぜいぜいと音を立てて軋る もう十二時になるのに あなたはまだ帰ってこない くすぶった電球の下で 私はもう一度紙きれを拡げてみる ―――八時までにはかならず帰る 待っていてください T 前の道路を行くヘッドライトが 急に大きく ぽっかりと障子にうつる 私はぎっくりして 寒い下着の襟をかき合わす あなたはもう帰ってこない あなたはセンイのオルグ 朝の四時 氷柱を踏んで私たち | |||
| 生ける銃架 | 槙村浩 | 10分以内 | |
高粱[#「高粱」は底本では「高梁」]の畠を分けて銃架の影はけふも続いて行く 銃架よ、お前はおれの心臓に異様な戦慄を与へる――血のやうな夕日を浴びてお前が黙々と進むとき お前の影は人間の形を失ひ、お前の姿[#ルビの「すがれ」はママ]は背嚢に隠れ お前は思想を持たぬたゞ一箇の生ける銃架だ きのふもけふもおれは進んで行く銃架を見た 列の先頭に立つ日章旗、揚々として肥馬に跨る将軍たち、色蒼ざめ[#「色蒼ざ | |||
| 出征 | 槙村浩 | 5分以内 | |
今宵電車は進行を止め、バスは傾いたまゝ動かうともせぬ 沿道の両側は雪崩れうつ群衆、提灯と小旗は濤のように蜒り 歓呼の声が怒濤のように跳ね返るなかをおれたちは次々にアーチを潜り、舗道を踏んで いま駅前の広場に急ぐ おゝ、不思議ではないか かくも万歳の声がおれたちを包み おれたちの旅が かくも民衆の怒雷の歓呼に送られるとは! 春の街は人いきれにむれ返り 銃を持つ手に熱気さへ伝はる 火の海のやうな市 | |||
| 小熊秀雄と藤原運 | 槙村浩 | 5分以内 | |
サガレン。 | |||
| 森山啓に | 槙村浩 | 5分以内 | |
漠冥たる成層が旋律を地上で引き裂く 私はあなたの健康がそれに耐え得るかを気遣った こんな場合、あなたは物狂わしくなるにはあまりに古典的だ そしてあなたのE線はひとりでに鳴ることを止め 朽ちるまで鳴ることを止めようとした―――それは単に私の杞憂だったか 困難な、漠冥たる成層の中で、あなたはまたE線を繋ぎ直した 赤外や紫外や緑外を超えたその他一切の地下の光線をこだわりなく貫く無絃の琴を われ/\は自ら | |||
| 大江満雄に | 槙村浩 | 5分以内 | |
こゝに機械の哲学者がある――― 彼は思考し、血潮の中に機械のどよめきをでなく、血潮と共に脈動する機械のリズムを感ずる 彼ははつらつたる工場の諧調を背負うて、齟齬しながら鈍重に歩いて行く こゝに機械の哲学者がある――― 彼は技師を宣言し、一切に正面照明を送る 照明はゆかいに大大阪を漫歩する 機械にまで虚偽を造る資本の虚偽と、百万の労働の精神とを透過し 浮揚する二重性をもって、飢えた子供の胃のレント | |||
| 人民詩人への戯詩 | 槙村浩 | 5分以内 | |
1 中野重治 「ここは穴だ 黒くて臭い」 これは中野重治の生涯のスローガンだった 彼は帝国ホテルのまん中で立停り 鼻をいじりながらこう呟いた それから機関車の後姿を見送って うや/\しく敬礼しながら だがこの偉大な「大男」の煤臭いにおいにへきえきして またこう呟いた 列車が雨のふる品川駅につくと 彼は前衛の乗客を見送りながら 大きく息をついて 「さようなら」と言った 中野はいつも「さようなら」と | |||
| 餅の歌 | 槙村浩 | 5分以内 | |
餅とは 何と 鋤き返された幼い南の郊外の野の思い出のように 甘いものだろう! 高岡の ひとりぼっちの 叩き廻っても後の沼地一ぱいがらんどうな響きしかはね返してこぬ 豚箱の中で 僕はしみじみと生のうどんの皮をひっぺかしながら そう思った それは 青い蚊帖が雨上りの甘酸っぱい臭いをたてながら 差入れの風鈴と一しよにゆさ/\揺れていた時だった! 背の低い 長髪の いつも怒ったような顔をした それでいて | |||
| 誤って健康を伝えられた同志たちに | 槙村浩 | 5分以内 | |
健康(1)の一語をかる/″\しく口にするな! 健康(1)の錯誤は健康の犠牲よりいたましい これほどわたしら共同の仕事の大きな邪魔者があろうか! どちらがより多く仕事が出来るか? 獄内で坐っているわたしらにか、獄外で迫害に耐えているきみらにか? わたしらはいつもきみらの過誤と素朴と情熱とを愛した わたしらは出獄した時のきみらの仕事の成果をまじめに期待した その後をわたしらが引きついでやりぬくために | |||
| 異郷なる中国の詩人たちに | 槙村浩 | 5分以内 | |
わたしらはあなたの国では、正しい詩人は舌をひっこぬかれると聞いた わたしらはなお聞いた―――資本をつなぐ軍部と軍閥の鉄道の上に ひっこぬかれた詩人らの舌が わたしらの故郷の海のさん/\たる珊瑚珠のように、串刺しにしてさらされてあるのを 荒らされた珠は、海の青さの海で真紅に燃えていた その一粒々々は揺れ合い折れ重なり、嵐の中で彼自身の地肌を完全に保存した わたしらえの侵害をあなたらの禦いだのには及 | |||
| 京都帝国大学(十四行詩) | 槙村浩 | 5分以内 | |
十二の仮面のような頭蓋時計。 | |||
| 獄中のコンミューンの戦士の詩を憶って | 槙村浩 | 5分以内 | |
コンミューンの戦士をして墓の中より起たしめよ、よし東方の墓堀り人夫らが 釘づけ、磐石の錘を据え置こうと わが森山啓氏が肩をすくめ、全身の力もて突立ち上る時 あなたはアトラスのように地球の屈辱を荷わぬだろうか わたしは獄中で 若い憂愁が瞼を襲うとき いつもあなたのコンミューンの詩を想い出した それはわたしらにとって無上の刺激剤だった 苦難の時代をわりあい間違なく進みえたことについて わたしらは心 | |||
| 詩諷 | 槙村浩 | 5分以内 | |
「われ/\は諷射しよう!」 と詩人大江鉄麿は、幅広いこめかみを引きつけて吃りながら言った 「保留と伏字の泥沼で、編輯者が自分で自分の評判を悪くしたとき 犬の詩を書く代りに書かすことが、ジャーナリズムの紹介業者たちの仕事となっているとき われ/\がみんな真面目な吃りであることを強いられているとき われ/\は正確に、そして効果的に吃ろう! 刺すことは、敵の一卒を倒すだろう だが散兵壕はいま大量屠殺の | |||
| 青春 | 槙村浩 | 30分以内 | |
(若き日の孤独を灼きつくす情熱を われらに与えよ われらをして戦いに凍えたる手と疲れたる唇に 友を亨けしめよ 銀の鉛屋根の上に 朽葉色の標燈の照らす夜を われらの老いたる母のひとり眠る時 明るき原と自由なる槌を、こゝに 赤きプラカードのごとく われらと共に擁する友を亨けしめよ 牢獄! 崩れた喜びと愛と思い出の蘇る日 友と生活の悦びを 金盞花えの雑りけなき接吻と共に 鉄色の電気の溶流の瞬間の衝撃の | |||
| 長詩 | 槙村浩 | 30分以内 | |
その時僕は牢獄の中に坐ってゐた 格子が 僕と看守の腰のピストルとの間をへだてゝゐた 看守は わざ/\低くつくりつけた窓からのぞきこむために 朝々うやうやしく僕にお辞儀し 僕は まだ脱獄してゐない証拠として ちびつけのブハーリンのような不精髯の間から 朝々はったと看守をにらみつけた これが僕らの挨拶だった 朝になると、窓が右からかげって来た 夜になると、窓が左からかげって来た そのたびにアスファルト | |||
| 同志下司順吉 | 槙村浩 | 5分以内 | |
―――同志よ固く結べ 生死を共にせん ―――いかなる迫害にも あくまで屈せずに ―――われら若き兵士プロレタリアの それは牢獄の散歩の時間だった 独房の前で彼のトランクを小脇に抱えているむかしの友 同志下司と彼の口笛に七年ぶりで出あったのは! 彼は勇敢な、おとなしい、口笛の上手な少年だった だが夏の朝の澄明さに似たあわたゞしい生活が流れてから 境遇と政治の過流が 私たちを異った都市と都市と | |||
| 同志古味峯次郎 | 槙村浩 | 10分以内 | |
誰がこの困難無比の時代に 労働者の利益のために最も正しい道を選んだか ―――壁に頭を打ちあてるようなこの時代に その一つの例をおれは示そう―――確かに正しく! 古味峯次郎君 彼は鋼の中から打ち出され、飢餓の闘いが彼をボルセヴィキにまで鍛え上げた (1) 彼は越知の狭い町はづれの 小作兼自作農の家に生れた そしてこんな南国の山麓の息子たちがそうであるように 十八の彼は 嶺を越え 花崗岩のはすに削ら | |||
| 田木繁に | 槙村浩 | 5分以内 | |
(前半紛失) このエピソードを思い出すたびに、わたしらはなぜか最近のあなたの詩を思い出さずにはいられない 昔のあなたの「拷問に耐える歌」が、あんなに愛誦されている 同志田木繁、こんな猫が、あなたの地区の工場の行きすがりに、ふっと道を横ぎりはせぬだろうか 自分自身に限界性をくぎるたびに、何かしらこんなものかと思い出してくるものだ 昔のあなたの「拷問に耐える歌」が、あんなに愛誦されている世の中に あ | |||
| 板垣先生の銅像を拝して | 槙村浩 | 5分以内 | |
(一)たそがれ告ぐる鐘の音に 誘はれて散る木々の葉の 雪は夕日に照りはへて げに厳めしの銅像や (二)自由の祖先高知市の 偉人を偲ぶ銅像の 其の勇ましき姿こそ 永き偉人のかたみなれ (大正十三・一・六) | |||
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