獄内にてドイツの同志を思う歌――高知牢獄にて――

槙村浩

『獄内にてドイツの同志を思う歌』は青空文庫で公開されている槙村浩の短編作品。2,081文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。

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10分以内2,081文字
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書き出し

鎌と槌をうちぬく ひろ/″\とした 美くしい 自由の花園をへだてゝ 砲口をそなえた二つの牢獄がそゝり立つ! ―――日本! 東方の突端 この蜜房のようなじめ/\した数千の牢獄の一画に おれらが住み―――潮が 南方のたぎりたつ褐色の急潮が 夜の銃架のように、おし静まった独房のはての 島々の礎石を噛み 残虐な奴隷労働の、憂愁と反逆を箭のような熔熱にのせて 北流し―――化石した憂愁を、大陸の凍岸に崩折れ

初出
底本槇村浩詩集
表記
新字新仮名