一九三二・二・二六―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
槙村浩
『一九三二・二・二六』は青空文庫で公開されている槙村浩の短編作品。1,265文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 1,265文字 |
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書き出し書出 | 営舎の高窓ががた/\と揺れるばったのやうに塀の下にくつゝいてゐる俺達の上を風は横なぐりに吹き芝草は頬(ほゝ)を、背筋を、針のやうに刺す兵営の窓に往き来する黒い影と時どき営庭の燈(ひ)に反射する銃剣を見詰めながらおれは思ふ、斃(たふ)されたふたりの同志を同志よおれは君を知らない君の経歴も、兵営へもぐり込んで君が何をしたかも兵営の高塀と歩哨の銃剣とはお互の連絡を断ってしまったおれは君たちがお... |
初出 | 「大衆の友」1932(昭和7)年4月号 |
底本 | 槇村浩詩集 |
表記 | 新字旧仮名 |
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