30分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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雲間寸観 | 石川啄木 | 30分以内 | |
雲間寸觀大木頭◎二十三日の議會は豫報の如く所謂三派連合の氣勢の下に提出せられたる内閣不信任の決議案の討議に入り、小氣味よき活劇を演出したるものの如く候。 | |||
病室より | 石川啄木 | 30分以内 | |
五百二十外は海老色の模造革、パチンと開けば、内には溝状に橄欖色の天鵞絨の貼つてある、葉卷形のサツクの中の檢温器!37 といふ字だけを赤く、三十五度から四十二度までの度をこまかに刻んだ、白々と光る薄い錫の板と、透せば仄かに縁に見える、細い眞空管との入つた、丈四寸にも足らぬ小さな獨逸製の檢温器!私はこの小さな檢温器がいとしくて仕方がない。 | |||
郁雨に与ふ | 石川啄木 | 30分以内 | |
郁雨君足下。 | |||
所謂今度の事 | 石川啄木 | 30分以内 | |
二三日前の事である。 | |||
佐渡が島のこと | 江南文三 | 30分以内 | |
東京を立つたのが震災後の十一月、まだバラツクが十分に建たないうちでした。 | |||
佐渡が島を出て | 江南文三 | 30分以内 | |
佐渡が島を出てからひと月あまりになりました。 | |||
相川おけさ | 江南文三 | 30分以内 | |
越後が本家であると言はれるおけさ節の朝から晩まで聞ける相川は、毎年七月十三、十四、十五と三日續いての鑛山まつりに、全島のお祭好きを呼び集めます。 | |||
燕尾服着初めの記 | 徳冨蘆花 | 30分以内 | |
此れは逗子の浦曲に住む漁師にて候、吾れいまだ天長節外務大臣の夜会てふものを見ず候ほどに、――と能がゝりの足どり怪しく明治卅二年十一月三日の夕方のそり/\新橋停車場の改札口を出で来れるは、斯く申す小生なり。 | |||
興津弥五右衛門の遺書(初稿) | 森鴎外 | 30分以内 | |
某儀今年今月今日切腹して相果候事いかにも唐突の至にて、弥五右衛門奴老耄したるか、乱心したるかと申候者も可有之候えども、決して左様の事には無之候。 | |||
おふさ | 長塚節 | 30分以内 | |
刈草を積んだ樣に丸く繁つて居た野茨の木が一杯に花に成つた。 | |||
行乞記 | 種田山頭火 | 30分以内 | |
六月三日(北九州行乞)一年ぶりに北九州を歩きまはるべく出立した、明けたばかりの天地はすが/\しかつた、靄のふかい空、それがだん/\晴れて雲のない空となつた、私は大股に歩調正しく歩いていつた。 | |||
『鉢の子』から『其中庵』まで | 種田山頭火 | 30分以内 | |
この一篇は、たいへんおそくなりましたけれど、結庵報告書ともいうべきものであります。 | |||
行乞記 | 種田山頭火 | 30分以内 | |
七月十四日ずゐぶん早く起きて仕度をしたけれど、あれこれと手間取つて七時出立、小郡の街はづれから行乞しはじめる。 | |||
国府台 | 大町桂月 | 30分以内 | |
烟分二遠樹一幾層横。 | |||
東京の近郊 | 大町桂月 | 30分以内 | |
日本橋より四方五六里内外、徒歩して往復の出來る範圍内の地を、こゝに東京の近郊と稱す。 | |||
真間の手古奈 | 国枝史郎 | 30分以内 | |
一人の年老いた人相見が、三河の国の碧海郡の、八ツ橋のあたりに立っている古風な家を訪れました。 | |||
行乞記 | 種田山頭火 | 30分以内 | |
八月廿八日星晴れの空はうつくしかつた、朝露の道がすが/\しい、歩いてゐるうちに六時のサイレンが鳴つた、庵に放つたらかしい(マヽ)おいた樹明君はどうしたか知ら!駄菓子のお婆さんが、よびとめて駄菓子を下さつた。 | |||
「文芸林泉」読後 | 堀辰雄 | 30分以内 | |
「文藝林泉」は室生さんの最近の隨筆集である。 | |||
モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ | 堀辰雄 | 30分以内 | |
Maurice de Gu※rin はラングドックのシャトオ・ド・ケエラに一八一〇年八月五日に生れた。 | |||
春の郊外 | 大町桂月 | 30分以内 | |
桃花の散らぬ程にと、越ヶ谷さして、兩國橋より、東武線の鐵道に乘る。 | |||
房州紀行 | 大町桂月 | 30分以内 | |
江山の姿、とこしなへに變ることなくして、人生の遭逢、竟に期すべからず。 | |||
恋妻であり敵であった | 薄田泣菫 | 30分以内 | |
中央公論の二月号と三月号とに、文壇諸家の交友録が載つてゐました。 | |||
一景話題 | 泉鏡花 | 30分以内 | |
夫人堂神戸にある知友、西本氏、頃日、摂津国摩耶山の絵葉書を送らる、その音信に、なき母のこいしさに、二里の山路をかけのぼり候。 | |||
おばけずきのいわれ少々と処女作 | 泉鏡花 | 30分以内 | |
僕は随分な迷信家だ。 | |||
誓之巻 | 泉鏡花 | 30分以内 | |
団欒石段菊の露秀を忘れよ東枕誓[#改ページ]団欒後の日のまどいは楽しかりき。 | |||
翻訳の苦心 | 幸徳秋水 | 30分以内 | |
翻訳で文名を売る位ひズルいことはない、他人の思想で、他人の文章で、左から横に書たものを、右から堅に器械的に引直すだけの労だらう、電話機や、写字生と大して相違する所はない、と語る人がある、少しも翻訳をしたことのない人、殊に外国文を読まぬ人にコンな考へを持つ者が多い。 | |||
シベリヤの三等列車 | 林芙美子 | 30分以内 | |
1信満洲の長春へ着いたのが十一月十二日の夜でした。 | |||
春の筑波山 | 大町桂月 | 30分以内 | |
追羽子をつくばの山に上らむと思ひたちしは、明治二十四年の夏、富士山にのぼりし時の事なるが、荏苒たる歳月、つくばねの名に負ひて、ひい、ふう、みい、よ、いつ、六歳を數へ來て、都は春の風吹き、山色翠を添ふる今日この頃、少閑を得て、遂に程に上る。 | |||
刑余の叔父 | 石川啄木 | 30分以内 | |
一年三百六十五日、投網打の帰途に岩鼻の崖から川中へ転げ落ちて、したたか腰骨を痛めて三日寝た、その三日だけは、流石に、盃を手にしなかつたさうなと不審がられた程の大酒呑、酒の次には博奕が所好で、血醒い噂に其名の出ぬ事はない。 | |||
枯草 | 野口雨情 | 30分以内 | |
[#ページの左右中央]花も実もなき枯草の一篇わが親愛なる諸兄に捧ぐ[#改ページ]毒も罪も草に咲くさへ毒の花罪の花みな紅からむ羽うるはしき例の童が罪の矢ならば美しかろ唇にふれなば倒るべき毒の花なら甘からむ村の平和雲の香沈む有明の月の森よりそと出でて麦の緑の岡に立ち見るよ平和の村の朝... | |||
都会と田園 | 野口雨情 | 30分以内 | |
[#ページの左右中央]序詩空の上に、雲雀は唄を唄つてゐる渦を巻いてゐる太陽の光波にまかれて唄つてゐる――[#改ページ]時雨唄雨降りお月さん暈(かさ)下され傘さしたい死んだ母さん、後母さん時雨の降るのに下駄下され跣足で米磨ぐ死んだ母さん、後母さん柄杓にざぶざぶ水下され釣瓶が[#「釣瓶が」は底本では「鈞瓶が」... | |||
別後 | 野口雨情 | 30分以内 | |
別後別後逢ひはしませぬ見もしませぬにわしのこの村を馬に乗つて通つた馬も嘶(いなな)くわたしも泣いた逢はれないのに逢ふ気で来てる。 | |||
霰ふる | 泉鏡花 | 30分以内 | |
若いのと、少し年の上なると……この二人の婦人は、民也のためには宿世からの縁と見える。 | |||
印度更紗 | 泉鏡花 | 30分以内 | |
「鸚鵡(おうむ)さん、しばらくね……」と真紅へ、ほんのりと霞(かすみ)をかけて、新しい火の※(もが)(ぱっ)[#「火+發」、123-4]と移る、棟瓦が夕舂日を噛(か)んだ状なる瓦斯暖炉の前へ、長椅子を斜に、ト裳(もすそ)を床。 | |||
黒壁 | 泉鏡花 | 30分以内 | |
上席上の各々方、今や予が物語すべき順番の来りしまでに、諸君が語給いし種々の怪談は、いずれも驚魂奪魄の価値なきにあらず。 | |||
光籃 | 泉鏡花 | 30分以内 | |
田舎の娘であらう。 | |||
房州の一夏 | 大町桂月 | 30分以内 | |
沼村面白かりしは、房州に於ける一夏。 | |||
宗吾霊堂 | 大町桂月 | 30分以内 | |
西の琴平、東の成田不動、汽車をひかへて、參詣者年に數十百萬の多きに及ぶ、迷信の絶えぬ世なる哉。 | |||
鹿野山 | 大町桂月 | 30分以内 | |
鹿野山二十咏大正二年の夏、上總の鹿野山に遊びて、鹿野山二十詠を作る。 | |||
焔 | 原民喜 | 30分以内 | |
雪が溶けて、しぶきが虹になった。 | |||
常磐の山水 | 大町桂月 | 30分以内 | |
利根川千住の名物、鮒の雀燒をさかなに、車中に微醉を買ふ。 | |||
花模様女剣戟 | 小野佐世男 | 30分以内 | |
ドレスの流行のように、映画も演劇も春の虹のように刻々と流行が変って行く。 | |||
幽霊 | 小野佐世男 | 30分以内 | |
残暑がすぎ、凉風がさわやかに落葉をさそう頃になると、きまって思い出すことがある。 | |||
私の洋画経歴 | 小野佐世男 | 30分以内 | |
幼少七歳の頃なりし、ジゴマなる探偵映画当時は活動大写真を見て、動く写真と、その白いコルセットのスカートをながくひきずる令嬢がすごい顔をした大悪漢に、いまやあわやという大危険に小さな心臓を震るわし本気になって心配をし、ニック・カーターという名探偵が現われてこれを救うという大スリルに心を踊らしたのが、そもそも泰西活動大写真を見た最初であった。 | |||
ストリップ修学旅行 | 小野佐世男 | 30分以内 | |
この世の中にとんでもなく楽しいことが起ろうとしているのだよ、めったに無いチャンスだ、どーだい、一つ行って見る気はないかという。 | |||
追憶 | 素木しづ | 30分以内 | |
また秋になつて、まち子夫婦は去年とおなじやうに子供の寢(ね)てる時の食後などは、しみ/″\と故郷の追憶にふけるのであつた。 | |||
おさなご | 羽仁もと子 | 30分以内 | |
かわいいおさなご、幼児はいまもむかしも世界に充満しているけれど、そうして愛らしい意味でも、手のかかる意味でも、私たちの注意をその身のまわりにひきつけずにはおかない彼らだけれど、幼児というものをほんとうに知った人は、むかしから幾人いたでしょう。 | |||
おさなごを発見せよ | 羽仁もと子 | 30分以内 | |
おさなごは、子宝のなかのさらに貴い宝です。 | |||
親子の愛の完成 | 羽仁もと子 | 30分以内 | |
人は結婚して夫婦になれば、だれでもどうしたら二人のあいだがつねに幸福に結びついてゆかれるだろうかと考えて、できるだけの努力をしようと思わない人はないでしょう。 | |||
もゝはがき | 斎藤緑雨 | 30分以内 | |
≪明治三十六年≫○鷸(しぎ)にありては百羽掻也、僕にありては百端書也月や残んの寝覚めの空老れば人の洒落もさびしきものと存候、僕昨今の境遇にては、御加勢と申す程の事もなりかね候へども、この命題の下に見るにまかせ聞くにまかせ、且は思ふにまかせて過現来を問はず、われぞ数かくの歌の如く其時々の筆次第に郵便はがきを以て申上候間願はくは其儘(そのまゝ)を紙面の一隅に御列べ置被下度候、田に棲(す)むもの、野に棲(す)むもの、鷸(しぎ)は四十八品と称し候とかや、僕のも豈夫れ調あ... |