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60分以内で読める青空文庫の中編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
桂馬の幻想坂口安吾
60分以内
木戸六段が中座したのは午後三時十一分であった。
性格としての空間戸坂潤
60分以内
問題を知識――認識――の範囲に限ろうと思う。
津田青楓君の画と南画の芸術的価値寺田寅彦
60分以内
私は永い前から科学と芸術、あるいはむしろ科学者と芸術家との素質や仕事や方法に相互共通な点の多い事に深い興味を感じている。
二日物語幸田露伴
60分以内
此一日其観見世間是滅法、欲求無尽涅槃処、怨親已作平等心、世間不行慾等事、随依山林及樹下、或復塚間露地居、捨於一切諸有為、諦観真如乞食活、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
絶景万国博覧会小栗虫太郎
60分以内
一、尾彦楼の寮に住む三人のこと並びに老遊女二つの雛段を飾ることなんにしろ明治四十一年の事とて、その頃は、当今の接庇雑踏とは異なり、入谷田圃にも、何処かもの鄙(ひな)びた土堤の悌(おもかげ)が残っていた。
花束の虫大阪圭吉
60分以内
岸田直介が奇怪な死を遂げたとの急報に接した弁護士の大月対次は、恰度忙しい事務もひと息ついた形だったので、歳若いながらも仕事に掛けては実直な秘書の秋田を同伴して、取るものも不取敢大急ぎで両国駅から銚子行の列車に乗り込んだ。
両面競牡丹酒井嘉七
60分以内
奈良坂やさゆり姫百合にりん咲き――常磐津『両面月姿絵』港の街とは申しますものの、あの辺りは、昔から代々うち続いた旧家が軒をならべた、静かな一角でございまして、ご商売屋さんと申しますれば、三河屋さんとか、駒屋さん、さては、井筒屋さんというような、表看板はごく、ひっそりと、格子戸の奥で商売をされている様なお宅ばかり――それも、ご商売と申すのは、看板だけ、多くは、家代々からうけついだ、財産や家宅をもって、のんびりと気楽にお暮しになって...
陳情書西尾正
60分以内
There are more things in heaven and earth, Horatius, Than are dreamt of in your philosophy.※(いき)Shakspeare, Hamlet.※(いき)ハムレット「――この天地の間にはな、所謂哲学の思いも及ばぬ大事があるわい。
佳日太宰治
60分以内
これは、いま、大日本帝国の自存自衛のため、内地から遠く離れて、お働きになっている人たちに対して、お留守の事は全く御安心下さい、という朗報にもなりはせぬかと思って、愚かな作者が、どもりながら物語るささやかな一挿話である。
腐った蜉蝣蘭郁二郎
60分以内
黄昏――その、ほのぼのとした夕靄が、地肌からわき騰って来る時間になると、私は何かしら凝乎としてはいられなくなるのであった。
植物人間蘭郁二郎
60分以内
鬱蒼と膨れあがって見える雑木の森が、左右から迫っている崖に地肌も見えぬばかり覆いかぶさっていた。
脳波操縦士蘭郁二郎
60分以内
森源の温室奥伊豆――と呼ばれているこのあたりは、東京からいって、地理的にはほんの僅かな距離にあるのに、まるで別天地といってもよいほど、南国のような、澄み切った紺碧の空と、そして暖かい光線に充ち満ちていた。
徳川氏時代の平民的理想北村透谷
60分以内
(第一)焉馬、三馬、源内、一九等の著書を読む時に、われは必らず彼等の中に潜める一種の平民的虚無思想の絃(いと)に触るゝ思あり。
明治文学管見北村透谷
60分以内
一、快楽と実用明治文学も既に二十六年の壮年となれり、此歳月の間に如何なる進歩ありしか、如何なる退歩ありしか、如何なる原素と如何なる精神が此文学の中に蟠(わだかま)りて、而して如何なる現象を外面に呈出したるか、是等の事を研究するは緊要なるものなり、而して今日まで未だ此範囲に於て史家の技倆を試みたるものはあらず、唯だ「国民新聞」の愛山生ありて、其の鋭利なる観察を此範囲に向けたるあるのみ。
明治文学史山路愛山
60分以内
序論飛流直下三千丈、疑是銀河落九天。
島木赤彦臨終記斎藤茂吉
60分以内
大正十五年三月十八日の朝、東京から行つた藤沢古実君が、※蔭山房(しいんさんばう)に赤彦君を見舞つた筈(はず)である。
熊野奈智山若山牧水
60分以内
眼の覺めたままぼんやりと船室の天井を眺めてゐると、船は大分搖れてゐる。
移民学園清水紫琴
60分以内
上身は錦繍に包まれて、玉殿の奥深くといふ際にこそあらね。
葛のうら葉清水紫琴
60分以内
その上憎きもかの人、恋しきもかの人なりけり。
心の鬼清水紫琴
60分以内
上五百機立てて綾錦、織りてはおろす西陣の糸屋町といふに、親の代より仲買商手広く営みて、富有の名遠近にかくれなき近江屋といふがあり。
当世二人娘清水紫琴
60分以内
その女学校これはこれはの顔ばかりと、人の悪口にいひつるは十幾年の昔にて、今は貴妃小町の色あるも、納言式部の才なくてはと、色あるも色なきも学びの庭へ通ふなる、実に有難の御世なれや、心利きたる殿原は女学校の門に斥候を放ちて、偵察怠りなきもあり、己れ自ら名のり出て、遠からむものは音にも聞け、近くは寄りて眼にも見よと、さすがにいひは放たねど、学識の高きを金縁の眼鏡にも示し、流行に後れぬ心意気を、洋服の仕立襟飾りの色にも見せて、我と思はむ姫あらばと、心に喚はりたまふもありとかや。
ことばのうみのおくがき大槻文彦
60分以内
先人、嘗て、文彦らに、王父が誡語なりとて語られけるは、「およそ、事業は、みだりに興すことあるべからず、思ひさだめて興すことあらば、遂げずばやまじ、の精神なかるべからず。
鴛鴦鏡岡本綺堂
60分以内
Y君は語る。
鐘ヶ淵岡本綺堂
60分以内
I君は語る。
水鬼岡本綺堂
60分以内
A君――見たところはもう四十近い紳士であるが、ひどく元気のいい学生肌の人物で、「野人、礼にならわず。
犬神娘国枝史郎
60分以内
安政五年九月十日の、午の刻のことでございますが、老女村岡様にご案内され、新関白近衛様の裏門から、ご上人様がご発足なされました際にも、私はお附き添いしておりました。
猿ヶ京片耳伝説国枝史郎
60分以内
痛む耳「耳が痛んでなりませぬ」と女は云って、掌で左の耳を抑えた。
怪しの者国枝史郎
60分以内
乞食の権七が物語った。
木曽の旅人岡本綺堂
60分以内
T君は語る。
西瓜岡本綺堂
60分以内
これはM君の話である。
白髪鬼岡本綺堂
60分以内
S弁護士は語る。
赤格子九郎右衛門国枝史郎
60分以内
江川太郎左衛門、名は英竜、号は坦庵、字は九淵世々韮山の代官であって、高島秋帆の門に入り火術の蘊奥を極わめた英傑、和漢洋の学に秀で、多くの門弟を取り立てたが、中に二人の弟子が有って出藍の誉を謳われた。
鵞湖仙人国枝史郎
60分以内
時は春、梅の盛り、所は信州諏訪湖畔。
大正女流俳句の近代的特色杉田久女
60分以内
前期雑詠時代大正初期のホトトギス雑詠に於ける婦人俳句は、女らしい情緒の句が大部分であったが、大正七年頃より俄然、純客観写生にめざめ来り、幾多の女流を輩出して近代的特色ある写生句をうむに到った。
方子と末起小栗虫太郎
60分以内
一、髪を切られる少女(方子からの手紙)末起ちゃん、お手紙有難う。
染吉の朱盆国枝史郎
60分以内
ぴかり!剣光!ワッという悲鳴!少し[#「少し」は底本では「少し」]間を置いてパチンと鍔音。
南太平洋科学風土記海野十三
60分以内
第一回はしがき題して南太平洋科學風土記といふが、實は私が報道班員として南太平洋に勤務してゐた時に見聞したあちらの事情を、科學の目を通じて思ひ出すままにくり擴げようといふのである。
人柱の話南方熊楠
60分以内
(南方閑話にも收めたれど、一層増補したる者を爰に入る)建築土工等を固めるため人柱を立てる事は今も或る蕃族に行なはれ其傳説や古蹟は文明諸國に少なからぬ。
私の活動写真傍観史伊丹万作
60分以内
明治三十九年の秋だつたと思う。
イオーヌィチアントン・チェーホフ
60分以内
県庁のあるS市へやって来た人が、どうも退屈だとか単調だとかいってこぼすと、土地の人たちはまるで言いわけでもするような調子で、いやいやSはとてもいいところだ、Sには図書館から劇場、それからクラブまで一通りそろっているし、舞踏会もちょいちょいあるし、おまけに頭の進んだ、面白くって感じのいい家庭が幾軒もあって、それとも交際ができるというのが常だった。
ヤトラカン・サミ博士の椅子牧逸馬
60分以内
マカラム街の珈琲(コーヒー)店キャフェ・バンダラウェラは、雨期の赤土のような土耳古珈琲のほかに、ジャマイカ産の生薑水をも売っていた。
三甚内国枝史郎
60分以内
「御用!御用!神妙にしろ!」捕り方衆の叫び声があっちからもこっちからも聞こえて来る。
独房小林多喜二
60分以内
誰でもそうだが、田口もあすこから出てくると、まるで人が変ったのかと思う程、饒舌になっていた。
閑人詩話河上肇
60分以内
佐藤春夫の車塵集を見ると、「杏花一孤村、流水数間屋、夕陽不見人、※牛麦中宿」といふ五絶を、杏(あんず)咲くさびしき田舎川添ひや家をちこち入日さし人げもなくて麦畑にねむる牛ありと訳してあるが、「家をちこち」はどうかと思ふ。
柳営秘録かつえ蔵国枝史郎
60分以内
天保元年正月五日、場所は浅草、日は午後、人の出盛る時刻であった。
赤格子九郎右衛門の娘国枝史郎
60分以内
何とも云えぬ物凄い睨視!海賊赤格子九郎右衛門が召捕り処刑になったのは寛延二年三月のことで、所は大阪千日前、弟七郎兵衛、遊女かしく、三人同時に斬られたのである。
鸚鵡蔵代首伝説国枝史郎
60分以内
仇な女と少年武士「可愛い坊ちゃんね」「何を申す無礼な」「綺麗な前髪ですこと」「うるさい」「お幾歳?」「幾歳でもよい」「十四、それとも十五かしら」「うるさいと申すに」「お寺小姓?それとも歌舞伎の若衆?」「斬るぞ!」「ホ、ホ、ホ、斬るぞ、うるさい、無礼、なんて、大変威張るのね、いっそ可愛いいわ。
俺の記尾崎放哉
60分以内
俺には名前がない、但し人間が付けてくれたのは有るが、其れを云ふのは暫く差控へて置かう。
入庵雑記尾崎放哉
60分以内
島に来るまでこの度、仏恩によりまして、此庵の留守番に坐らせてもらふ事になりました。
けむりを吐かぬ煙突夢野久作
60分以内
外はスゴイ月夜であった。
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