10分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「10分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「10分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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心の故郷 | 正宗白鳥 | 10分以内 | |
暮れに、私の家の近所を散歩してゐると、東京工業大學の門前でカミュの『誤解』上演と記されたお粗末な紙看板が目にとまつた。 | |||
月を見ながら | 正宗白鳥 | 10分以内 | |
縁側に蹲んで、庭の樹の葉の隙間から空を仰ぐと、満月に近い月が、涼しさうに青空に浮んでゐる。 | |||
花より団子 | 正宗白鳥 | 10分以内 | |
洗足池畔の私の家の向ひは、東京近郊の桜の名所である。 | |||
論語とバイブル | 正宗白鳥 | 10分以内 | |
吾人はアレキサンダー、シーザー、ナポレオンなど所謂英雄なる者の社会に存在したことを喜ばぬと共に、基督、釈迦、孔子など所謂聖人なる者の出現を謳歌せぬのである。 | |||
見て過ぎた女 | 正宗白鳥 | 10分以内 | |
「戀とは綺麗なことを考へて汚いことを實行するものだ。 | |||
頌歌 | ポール・クローデル | 10分以内 | |
わが魂は主を崇め奉るなり。 | |||
醉ひどれ船 | ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー | 10分以内 | |
われ非情の大河を下り行くほどに曳舟の綱手のさそひいつか無し。 | |||
梅ちらほら | 吉川英治 | 10分以内 | |
×どこでもいい。 | |||
舌のすさび | 吉川英治 | 10分以内 | |
あれはもう何年前か。 | |||
正倉院展を観る | 吉川英治 | 10分以内 | |
ちかごろこんなにみたされた気もちはなかった。 | |||
文化の日 | 吉川英治 | 10分以内 | |
文化の日、十一月三日というと、ぼくら明治生まれのものには、降る雪も――だが菊の香も明治も遠くなりにけり――の感が深い。 | |||
紋付を着るの記 | 吉川英治 | 10分以内 | |
たまにシマのズボンをはくこともないではないが、冠婚葬祭、私はたいがいなばあい平服でとおしている。 | |||
落日の荘厳に似る | 吉川英治 | 10分以内 | |
大観さん、と生前どおりに呼ばせていただく。 | |||
範疇の発生学 | 戸坂潤 | 10分以内 | |
我国の暫く前までの学界情勢では、カント流の範疇が範疇の代表者と考えられていた。 | |||
思想議会たるを知れ | 戸坂潤 | 10分以内 | |
第七十議会の問題となるべきものは数限りがない。 | |||
学界の純粋支持者として | 戸坂潤 | 10分以内 | |
学界というものをごく狭く理解して、研究室や研究所に直接関係がある世界のことだとすると、私は今日では全く学界の外の人である。 | |||
白紙 | 立原道造 | 10分以内 | |
突然が僕を驚かす。 | |||
夜に就て | 立原道造 | 10分以内 | |
※凡そ人は夢のなかに氣ままにしのびいることの出來ないたちのものである。 | |||
ダンセニーの脚本及短篇 | 片山広子 | 10分以内 | |
ダンセニイの「アラビヤ人の天幕」が先日明治座で新劇座の人々に依って上演され、今月になって友田恭助水谷八重子諸氏の手で同じ脚本及び「光の門」「旅宿の一夜」の三種が鉄道協会で試演されるということである。 | |||
ある夜 | 徳田秋声 | 10分以内 | |
彼は此頃だらけ切つた恋愛に引摺られてゐることが、ひどく憂鬱になつて来た。 | |||
あひびき | 堀辰雄 | 10分以内 | |
……一つの小徑が生ひ茂つた花と草とに掩はれて殆ど消えさうになつてゐたが、それでもどうやら僅かにその跡らしいものだけを殘して、曲りながらその空家へと人を導くのである。 | |||
鳥獣剥製所 | 富永太郎 | 10分以内 | |
私はその建物を、圧しつけるやうな午後の雪空の下にしか見たことがない。 | |||
飢えたる百姓達 | 今野大力 | 10分以内 | |
稲の穂先へ米が幾粒実ったとてもそれが生活への打撃の少ないものはいい一粒の種から一粒の穂先が首を天上へ――野は早くも荒涼寒冷に夜はあける稲ハセは痩せて鳥の飢えたる鳴き声に不吉な暗示を、百姓達はああどうしようもない組合もないいや増しに来る寒さは吹雪となって腿引の破れへ首を釣り穀物の尠い土地に雑草の種は蒔かれる。 | |||
「白秋詩集」序 | 北原白秋 | 10分以内 | |
詩は芸術の精華である。 | |||
思ひ出す牧野信一 | 中原中也 | 10分以内 | |
牧野信一が縊死した。 | |||
音楽と世態 | 中原中也 | 10分以内 | |
近頃は音楽界は盛んであるやうだ。 | |||
うらむらさき | 樋口一葉 | 10分以内 | |
上夕暮の店先に郵便脚夫が投込んで行きし女文字の書状一通、炬燵(こたつ)の間の洋燈のかげに讀(よ)んで、くる/\と帶(おび)の間へ卷收(まきをさ)むれば起居に心の配られて物案じなる事一通りならず、おのづと色に見えて、結構人の旦那どの、何うぞしたかとお問ひのかゝるに、いえ、格別の事でも御座りますまいけれど、仲町の姉が何やら心配の事が有るほどに、此方から行けば宜いのなれど、やかましやの良人が暇といふては毛筋ほども明けさせて呉れぬ五月蠅さ、夜分なりと歸(かへ)りは此方から送らせうほど... | |||
詩と現代 | 中原中也 | 10分以内 | |
由来芸術と時代との関係は、屡々取扱はれる所ではあるけれどもその問題本来の性質のせゐか、ハツキリとした結論に到達してゐる場合は、極めて稀である。 | |||
新短歌に就いて | 中原中也 | 10分以内 | |
新短歌に就いて論ずることは、非常に困難なことに思はれる。 | |||
デボルド―ヷルモオル | 中原中也 | 10分以内 | |
今月から、何回かにわたつて、マルスリーヌ・デボルド―※ルモオルの詩を、飜訳してゆかうと思ふ。 | |||
近頃芸術の不振を論ず | 中原中也 | 10分以内 | |
近頃芸術が不振かどうか、それからして既に軽々と決めてかゝることは出来ない。 | |||
四十年前のエキスカージョン | 和辻哲郎 | 10分以内 | |
このごろは大和の国も電車やバスの交通が大変便利になって来たので、昔に比べると、古寺めぐりはよほど楽になったようである。 | |||
青年青木三造 | 中原中也 | 10分以内 | |
三造の心事――三造の友人達に。 | |||
その一週間 | 中原中也 | 10分以内 | |
「御暇でしたら、一寸御相談したい事等御座居ますので、私の動く事についての事ですが、岩山さんともいろいろ考へたのですが、で、考へをおかし下さいませんでせうか、お待ちします、御目文字の上、」かういふ、女からの葉書が舞ひ込んだのは、水曜日の正午であつた。 | |||
夏の夜の話 | 中原中也 | 10分以内 | |
夏も半ばを過ぎてゐた。 | |||
一つの境涯 | 中原中也 | 10分以内 | |
普通に人々が、この景色は佳いだのあの景色は悪いだのと云ふ、そんなことは殆んど意味もないことだ。 | |||
私の事 | 中原中也 | 10分以内 | |
どうしてこんなに暗くなるのだらう……どうもこれはかう理由もなく暗くなるのでは、理由を神秘に索めるよりほかはない。 | |||
我が生活 | 中原中也 | 10分以内 | |
明治座に吉右衛門の勧進帳が掛かつてゐる、連日満員である――と電車の中で隣り客の話してゐるのを聞いて、なんとなく観に行きたくなつたのであつた。 | |||
幽霊を見る人を見る | 長谷川伸 | 10分以内 | |
京都の新京極は食べ物屋の飾りつけよりも、小間物や洋品を商う店の京都色の方が強くくる。 | |||
南窗集 | 三好達治 | 10分以内 | |
鴉靜かな村の街道を筧が横に越えてゐるそれに一羽の鴉がとまつて木洩れ陽の中に空を仰ぎ地を眺め私がその下を通るときある微妙な均衡の上に翼を※(をさ)めて秤(はかり)のやうに搖れてゐた湯沸したぎり初めた湯沸し……それはお晝休みの小學校の校庭だ藤棚がある池がある僕らはそこでじやんけんする僕は走る僕は走る……かうして肱をついたまま夜の中にたぎり初めた湯沸し……靜夜柱時... | |||
車中も亦愉し | 小津安二郎 | 10分以内 | |
汽車、電車、バスなどの公衆の交通機関は現代世相の風俗画とも言ふべきで、かういふ観点から例へば通勤の往復も極めて興味ありかつ有益な時間になるわけである。 | |||
芥川の原稿 | 室生犀星 | 10分以内 | |
まだそんなに親しい方ではなく、多分三度目くらいに訪ねた或日、芥川の書斎には先客があった。 | |||
民族の感歎 | 折口信夫 | 10分以内 | |
斎藤さんの文学や、学問に理会のおそかったことが、私一代の後悔でもあり、遺憾でもある。 | |||
忠僕 | 池谷信三郎 | 10分以内 | |
嘉吉は山の温泉宿の主人だった。 | |||
美ヶ原 | 木暮理太郎 | 10分以内 | |
筑摩山脈の武石峠が日本アルプス殊に北アルプスの好展望地であることは、『山岳』五年三号の附録中村清太郎君筆の「冬季信州武石峠より望める日本アルプス略図」に依って世に紹介されてから、山岳の展望に趣味を持つ程の人で知らぬ者は無い位有名になった。 | |||
八ヶ峰の断裂 | 木暮理太郎 | 10分以内 | |
八ヶ峰というのは、鹿島槍ヶ岳と五竜岳との間にある山稜の一大断裂に名付けられた称呼であって、峰とは呼ばれているが実は隆起した地点ではない。 | |||
浅草の喰べもの | 久保田万太郎 | 10分以内 | |
料理屋に、草津、一直、松島、大増、岡田、新玉、宇治の里がある。 | |||
平凡な女 | 林芙美子 | 10分以内 | |
奥様同士が子供を連れての立話に、「まア!お久しうございます。 | |||
禁断の死針 | 野村胡堂 | 10分以内 | |
「旦那様、これは又大した古疵で御座いますが、――さぞ、お若い時分の、勇ましい思い出でも御座いましょう」「いや、そう言われると恥かしい、後ろ傷をと言うわけでは無いが、相手の刃物が伸びて、腰車を妙に背後へかけて斬られて居るから、人様の前でうっかり肌を脱ぐと、飛んだ変な目で見られることがある――」本所割下水に住んで居る、浪人者の原口作左衛門、フト呼び入れた年若い按摩に、腰骨へ斜に残った古疵を見付けられて、思わず赤面いたしました。 | |||
猟色の果 | 野村胡堂 | 10分以内 | |
女性というものの平凡さに、江島屋宗三郎は、つくづく愛憎を尽かして居りました。 |