飢えたる百姓達
今野大力
『飢えたる百姓達』は青空文庫で公開されている今野大力の短編作品。2,036文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 2,036文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 稲の穂先へ米が幾粒実ったとてもそれが生活への打撃の少ないものはいい一粒の種から一粒の穂先が首を天上へ――野は早くも荒涼寒冷に夜はあける稲ハセは痩せて鳥の飢えたる鳴き声に不吉な暗示を、百姓達はああどうしようもない組合もないいや増しに来る寒さは吹雪となって腿引の破れへ首を釣り穀物の尠い土地に雑草の種は蒔かれる。 |
初出 | 「文芸戦線」1930(昭和5)年1月号 |
底本 | 今野大力作品集 |
表記 | 新字新仮名 |
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