60分以内で読める青空文庫の中編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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歌へる日まで | 牧野信一 | 60分以内 | |
蝉――テテツクス――ミユーズの下僕――アポロの使者――白昼の夢想家――地上に於ける諸々の人間の行状をオリムパスのアポロに報告するためにこの世につかはされた観光客――客の名前をテテツクスといふ――蝉。 | |||
鬼の門 | 牧野信一 | 60分以内 | |
『ヒストリイ・オヴ・デビルズ』『デビルズ・デイクシヨナリイ』『クラシカル・マヂシアンズ・ボキアブラリイ・ブツク』私は、その頃右の如き表題の辞書を繙きながら、「クリステンダム物語」「ドクトル・フアウスタスの巡遊記」「ジークフリード遠征録」「セント・ジヨージ快挙録」その他の、これに類する種々の物語を耽読した。 | |||
女に臆病な男 | 牧野信一 | 60分以内 | |
務めの帰途、村瀬は銀座へ廻つて、この間うちから目星をつけておいた濃緑地に虹色の模様で唐草風を織り出したネクタイを一本購つた。 | |||
酒盗人 | 牧野信一 | 60分以内 | |
私は、マールの花模様を唐草風に浮彫りにした銀の横笛を吹きずさみながら、………………おゝこれはこれノルマンデイの草原から長蛇船の櫂をそろへて勇ましく波を越えまた波と闘ひ月を呪ふ国に到着したガスコンの後裔………………と歌つた。 | |||
早春のひところ | 牧野信一 | 60分以内 | |
そのころ私は、文科の学生でありましたが、小説といふものにいさゝかの興味もなく――といふよりも小説の類ひを読んだことがなかつたので――主に西洋の哲学や科学の書に親しみ、興味と云へば星の観測ぐらゐのものでした。 | |||
天狗洞食客記 | 牧野信一 | 60分以内 | |
今更申すまでもないことだが、まつたく人には夫々様々な癖があるではないか、貧棒ゆすりだとか爪を噛むとか、手の平をこするとか、決して相手の顔を見ないで内ふところに向つてはなしをするとか、無闇に莨を喫すとか――とそれこそ枚挙に遑はない。 | |||
沼辺より | 牧野信一 | 60分以内 | |
こんな沼には名前などは無いのかと思つてゐたところが、このごろになつてこれが鬼涙沼といふのだといふことを知つた。 | |||
剥製 | 牧野信一 | 60分以内 | |
“I chatter, chatter, as I flowTo join the brimming river,For men may come and men may go,But I go on for ever”………………うたでもうたつてゐないと絶え入りさうなので、私はあたりの物音を怕れながら、聴心器のゴム管で耳をおさへ、自分で自分の鼓動に注意するのであつたが、やがては川の流れの無何有に病らひ... | |||
船の中の鼠 | 牧野信一 | 60分以内 | |
都を遠く離れた或る片田舎の森蔭で、その頃私は三人の友達と共にジヤガイモや唐もろこしを盗んで、憐れな命をつないで居りました。 | |||
変装綺譚 | 牧野信一 | 60分以内 | |
図書館を出て来たところであつた、たゞひとりの私は――。 | |||
まぼろし | 牧野信一 | 60分以内 | |
和やかな初夏の海辺には微風の気合ひも感ぜられなかつた。 | |||
武者窓日記 | 牧野信一 | 60分以内 | |
たとへこの身は千里の山河を隔てようとも魂は離れはせぬぞよ。 | |||
山男と男装の美女 | 牧野信一 | 60分以内 | |
糧食庫に狐や鼬が現れるので、事務所の壁には空弾を込めた大型の短銃が三つばかり何時でも用意してあつたが、事務員の僕と、タイピストのミツキイは、狐や鼬に備へるためではなく、夫々一挺宛の短銃を腰帯の間に備へるのを忘れたことはなかつた。 | |||
裸虫抄 | 牧野信一 | 60分以内 | |
横須賀にゐる妹(彼の妻の)のところで、当分彼の息子をあづかりたいと云つて寄越したのである。 | |||
露路の友 | 牧野信一 | 60分以内 | |
おそく帰る時には兵野は玄関からでなしに、庭をまはつて椽側から入る習慣だつたが、その晩は余程烈しく泥酔してゐたと見へて、雨戸を閉めるのを忘れたと見へる。 | |||
R漁場と都の酒場で | 牧野信一 | 60分以内 | |
停車場へ小包を出しに行き、私は帰りを、裏山へ向ふ野良路をたどり、待ち構へてゐた者のやうにふところから「シノン物語」といふ作者不明の絵本をとり出すと、それらの壮烈な戦争絵を見て吾を忘れ、誰はゞかることも要らぬ大きな声を張りあげて朗読しながら歩いてゐた。 | |||
ゾイラス | 牧野信一 | 60分以内 | |
海の遠鳴りをきゝながら私は、手風琴を弾いてゐた。 | |||
ダイアナの馬 | 牧野信一 | 60分以内 | |
二度つゞけて土曜日が雨だつた。 | |||
ダニューヴの花嫁 | 牧野信一 | 60分以内 | |
白雲は尽くる時無からん、白雲は尽くる時無からん……白雲は――。 | |||
行乞記 | 種田山頭火 | 60分以内 | |
十二月廿八日曇、雨、どしや降り、春日へ、そして熊本へ。 | |||
スプリングコート | 牧野信一 | 60分以内 | |
丘を隔てた海の上から、汽船の笛が鳴り渡つて来た。 | |||
F村での春 | 牧野信一 | 60分以内 | |
夜、眠れないと云つても樽野のは、それだけ昼間熟睡するからなので、神経衰弱といふわけではなかつた。 | |||
雪景色 | 牧野信一 | 60分以内 | |
滝は、あまり創作(小説)のことばかり想つてゐるのが重苦しくなつたのでスケツチ箱をさげて散歩に出かけた。 | |||
山を越えて | 牧野信一 | 60分以内 | |
彼女等の夫々の父親からの依頼で二人の娘をそちらへおくることになつたから、彼女等を夫々オフイスの一員に加へて貰ひたい、詳しいことは当人達からきいての上で、山の見学を望んでゐる二人の幼い学生達に能ふだけの満足を与へて欲しい――。 | |||
山彦の街 | 牧野信一 | 60分以内 | |
哄笑の声が一勢に挙つたかと思ふと、罵り合ひが始まつてゐる――鳥のやうな声で絶叫する者がある、女の悲鳴が耳をつんざくばかりに聞えたかと思ふと、男の楽し気な合唱が始まつてゐる――殴れ!とか、つまみ出してしまへ!とか、そんな凄まじい声がして、「あゝ、痛いツ!」「御免だ……」「救けて呉れ!」そんな悲鳴が挙つたりするので、これは容易ならぬ事件が起つたのか!と思つて誰しもちよいと立止つて様子を窺つたが、同時に軽い苦笑を浮べて行き過ぎてしまふのであつた。 | |||
籔のほとり | 牧野信一 | 60分以内 | |
どうして此処の座敷の欄間にはあのやうな扇があんな風に五つも六つもかゝげてあるんだらう!装飾の意味にしてはあくどすぎる!何となくわけあり気に見えるではないか?それにしてもあれは一体何に使ふものなのだらうか?扇子には違ひないが、あれを扇子に使ふ者は仁王より他にはあるまい!樽野は祖母の家に来る毎によくそんなことを思つたことがあるが、別段誰に訊ねようともしなかつた。 | |||
貧しき日録 | 牧野信一 | 60分以内 | |
こゝは首都の郊外である。 | |||
夏ちかきころ | 牧野信一 | 60分以内 | |
あいつの本箱には、黒い背中を縦に此方向きにした何十冊とも数知れない学生時代のノート・ブツクが未だに、何年も前から麗々と詰つてゐる。 | |||
鶴がゐた家 | 牧野信一 | 60分以内 | |
母がゐる町の近くに帰つたが母と同じ家に住む要もなく、何処にゐても自由であり、それなのに、何故自分は今までの都にとゞまらなかつたのか?でなければ、何故、常々憧れてゐる妻を伴つての長い旅路にたゝなかつたのか、それにも何の妨げもなかつたのに――?何故、初めての眼新しい刺激のある何処かの地に住はうとはしなかつたのか、何か仄かな明るさを感じさせるのはそのことだけだつたが――?樽野は稍ともすれば熱つぽい吐息と一処にそんな意味の呟きを洩した、そんな意味もあるらしかつた、彼の... | |||
蝉 | 牧野信一 | 60分以内 | |
「あたしは酔ツぱらひには慣れてゐるから夜がどんなに遅くならうと、どんなにあなたが騒がうと今更何とも思はないが――」周子は、そんな前置きをした後に夫の滝野に詰つた。 | |||
西瓜喰ふ人 | 牧野信一 | 60分以内 | |
滝が仕事を口にしはじめて、余等の交際に少なからぬ変化が現れて以来、思へば最早大分の月日が経つてゐる。 | |||
環魚洞風景 | 牧野信一 | 60分以内 | |
「まつたく、ひどい音響だね!あれは――もう僕は、大抵慣れたつもりなんだが、だがさつぱり駄目だよ。 | |||
蔭ひなた | 牧野信一 | 60分以内 | |
或る朝、私が朝飯を済ませて煙草を喫してゐるとAが来て、あがらないで、「君、直ぐ散歩へ行かう、早く早く、直ぐ仕度をして呉れ。 | |||
或る日の運動 | 牧野信一 | 60分以内 | |
「妾のところにも、Fさんを遊びに連れてお出でな。 | |||
秋晴れの日 | 牧野信一 | 60分以内 | |
彼は、飲酒があまり体質に適してゐないためか、毎朝うがひをする時に、腹の中から多量の酒臭い不快な水を吐き出した。 | |||
明るく・暗く | 牧野信一 | 60分以内 | |
天井の隅に、小さい四角な陽がひとつ、炎ゆるやうにキラキラと光つてゐた。 | |||
雲は天才である | 石川啄木 | 60分以内 | |
六月三十日、S――村尋常高等小学校の職員室では、今しも壁の掛時計が平常の如く極めて活気のない懶(もの)うげな悲鳴をあげて、――恐らく此時計までが学校教師の単調なる生活に感化されたのであらう、――午後の第三時を報じた。 | |||
赤痢 | 石川啄木 | 60分以内 | |
凸凹の石高路、その往還を右左から挾んだ低い茅葺屋根が、凡そ六七十もあらう、何の家も、何の家も、古びて、穢くて、壁が落ちて、柱が歪んで、隣々に倒り合つて辛々支へてる様に見える。 | |||
葬列 | 石川啄木 | 60分以内 | |
久し振で帰つて見ると、嘗(かつ)ては『眠れる都会』などと時々土地の新聞に罵られた盛岡も、五年以前とは余程その趣を変へて居る。 | |||
葉書 | 石川啄木 | 60分以内 | |
××村の小学校では、小使の老爺に煮炊をさして校長の田辺が常宿直をしてゐた。 | |||
漂泊 | 石川啄木 | 60分以内 | |
曇ツた日だ。 | |||
鰻に呪われた男 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
「わたくしはこの温泉へ三十七年つづけて参ります。 | |||
怪獣 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
「やあ、あなたも……。 | |||
兜 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
わたしはこれから邦原君の話を紹介したい。 | |||
経帷子の秘密 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
吉田君は語る。 | |||
くろん坊 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
このごろ未刊随筆百種のうちの「享和雑記」を読むと、濃州徳山くろん坊の事という一項がある。 | |||
鼠 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
大田蜀山人の「壬戌(じんじゅつ)紀行」に木曾街道の奈良井の宿のありさまを叙して「奈良井の駅舎を見わたせば梅、桜、彼岸ざくら、李(すもも)の花、枝をまじえて、春のなかばの心地せらる。 | |||
鷲 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
今もむかしも川崎の大師は二十一日が縁日で、殊に正五九の三月は参詣人が多い。 | |||
山越しの弥陀 | 折口信夫 | 60分以内 | |
極樂の東門に向ふ難波の西の海入り日の影も舞ふとかや渡來文化が、渡來當時の姿をさながら持ち傳へてゐると思はれながら、いつか内容は、我が國生得のものと入りかはつてゐる。 | |||
穴 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
Y君は語る。 |