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10分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「10分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
洋灯はくらいか明るいか室生犀星
10分以内
新橋駅に降りた私はちいさな風呂敷包と、一本のさくらの洋杖を持つたきりであつた。
花あやめ萩原朔太郎
10分以内
皐月あやめさくころ。
二十三夜萩原朔太郎
10分以内
『エ、おい、べら棒な。
人民詩人への戯詩槙村浩
10分以内
中野重治「ここは穴だ黒くて臭い」これは中野重治の生涯のスローガンだった彼は帝国ホテルのまん中で立停り鼻をいじりながらこう呟いたそれから機関車の後姿を見送ってうや/\しく敬礼しながらだがこの偉大な「大男」の煤臭いにおいにへきえきしてまたこう呟いた列車が雨のふる品川駅につくと彼は前衛の乗客を見送りながら大きく息をついて「さようなら」と言った中野はいつも「さようなら」と言いたが...
餅の歌槙村浩
10分以内
餅とは何と鋤き返された幼い南の郊外の野の思い出のように甘いものだろう!高岡のひとりぼっちの叩き廻っても後の沼地一ぱいがらんどうな響きしかはね返してこぬ豚箱の中で僕はしみじみと生のうどんの皮をひっぺかしながらそう思ったそれは青い蚊帖が雨上りの甘酸っぱい臭いをたてながら差入れの風鈴と一しよにゆさ/\揺れていた時だった!背の低い長髪のいつも怒ったような顔をしたそれで...
乗用車発表に際して豊田喜一郎
10分以内
トヨダ乘用車の發表は既に五月頃から屡々噂に上り各方面から非常な期待を以て觀られてゐたがその後愛知縣刈谷の同工場ではボデーの製作を順調に進め先月[六月]中旬新組立工場完成移轉を機として愈々生産能力も擴充された。
とかげ室生犀星
10分以内
わたしの今住んでいるところは、川原につづいた貸家で庭には樹も草もない。
都会と田舎萩原朔太郎
10分以内
ひとり私のかんがへてゐることは、もえあがるやうな大東京の夜景です、かかるすばらしい都會に住んでゐる人たちは、さかんなもりあがる群集をして、いつも磨かれたる大街道で押しあひ、入りこみたる建築と建築との家竝のあひだにすべりこむ、そこにはさびしい裏町の通りがあり、ゆがんだ酒場の軒がごたごたと混みあつてゐる、だぶだぶとながれる不潔な掘割、煤煙ですすぼけたその附近の悲しい空氣、そしてせまくるしい往來では、いつも醉...
獄内にてドイツの同志を思う歌槙村浩
10分以内
鎌と槌をうちぬくひろ/″\とした美くしい自由の花園をへだてゝ砲口をそなえた二つの牢獄がそゝり立つ!―――日本!東方の突端この蜜房のようなじめ/\した数千の牢獄の一画におれらが住み―――潮が南方のたぎりたつ褐色の急潮が夜の銃架のように、おし静まった独房のはての島々の礎石を噛み残虐な奴隷労働の、憂愁と反逆を箭のような熔熱にのせて北流し―――化石した憂愁を、大陸の凍岸に崩折れしめあ...
探検実記 地中の秘密江見水蔭
10分以内
――氷川社内の一小破片――それが抑もの初採集――日本先住民は大疑問――余は勞働に耐え得る健康を有す――誰でも知つて居なければならぬ事を、然う誰でも知らずに居る大問題がある。
探検実記 地中の秘密江見水蔭
10分以内
――一ヶ所で打石斧二百七十六――肩骨がメリ/\――這んな物を如何する――非常線――荏原郡縱斷――余の陳列所の雨垂れ落に積重ねてある打製石斧は、數(かぞ)へては見ぬが、先づ謙遜して六七千箇は有ると云(い)はう。
単純な詩形を思う小川未明
10分以内
極めて単調子な、意味のシンプルな子守唄が私の心を魅し去ってしまう。
童話の詩的価値小川未明
10分以内
籠の中で産まれた小鳥は、曾て広い世界を知らず、森の中や、林の中に、自分等の友達の住んでいることを知りませんから、外を恋しがらないかというに、そうでありません。
準備は出来たトヨタは邁進します豊田喜一郎
10分以内
私は過去四年間を自動車と寢食を共にして、四六時中唯それのみを考へつゞけて來ました。
芸術と国民性津田左右吉
10分以内
芸術史家、または芸術の批評家が或る個人の作品を観てそこにその作家の属している国民全体の趣味なりまたは物の見かたなり現わし方なりの或る傾向が見えるというのは尤(もっとも)な話である。
芸術と社会津田左右吉
10分以内
芸術のための芸術と一口にいってしまえば、社会との関係などは初から論にならないかも知れぬ。
仏教史家に一言す津田左右吉
10分以内
歴史家に要する資格のさまざまあるが中に、公平といふことがその重要なるものの一なるは争ふべからず。
炉辺堀辰雄
10分以内
数年まへの春、木曾へ旅したときのこと。
おば金成マツのこと知里真志保
10分以内
おば金成マツが老衰でなくなった。
学問ある蛙の話知里真志保
10分以内
桃太郎の昔話をアイヌ語研究の先輩連に語らせるときっと面白いことになるだろうと思う。
日本語とアイヌ語の関係知里真志保
10分以内
日本民族がその成立において複合民族であるように、その言語もかなり複雑な要素から成った混合語である。
アイヌ語学知里真志保
10分以内
アイヌ語の研究にかけては、世界的な権威として、その名声をうたわれているジョン・バチラー博士が、アイヌ語で説教をして、アイヌを感心させたという話が伝えられております。
アイヌ語のおもしろさ知里真志保
10分以内
アイヌ語やアイヌ文学を扱っていると、われわれの予想もしなかったような考え方にぶつかって戸惑いするのは毎度のことである。
小さい芸術片山広子
10分以内
むかしの世では、あづまから京へ、京から筑紫のはてへと、手紙を書いたり書かれたりすることが、非常に珍しひことであり、又一生のうちの幾つかに数へられるよろこびでもあつたらうと思ふ。
棺の後ろから三好十郎
10分以内
爺さん、立上れ!お前はそっちを担いでくれ、俺はこっちを担ぐ泣くな、爺さん、これがどうしたと言うんだ?死んだんだ、死んだだけだそして死ぬと言う事は死ぬことだ――「お粥でいいから、ねえ、食べさして」と彼奴が言った時に、お粥はおろか、のりも無かったことだ。
わが児に加藤一夫
10分以内
坊や、私は今お前を見るお母さまの側にそい寝して居るお前を見る何と云うこましゃくれた相だ何と云う不思議な生物だそれが十ヵ月前に生れたあのみにくかった肉塊か母の胎内から外にとび出してさながら世の中を馬鹿にしたように一しゃくりくしゃみしてさて初めてオギャアと泣き出したあの肉塊かああお前は実に、私の驚異だまだお前のお誕生が来ないのにお前はもう立派な人間だ人並みにお前は悲しみを知って居る、人並みにお前...
夕がたの人々西村陽吉
10分以内
※かあいそうな娘さんたちよ、夕方の町を二三人ずつ群を成して、いかめしい煉瓦造りの裏門から、吐きだされてゆく娘さんたちよ、おしろいをきれいに顔につけて、折目のただしい海老茶の袴をはき、白足袋に日和下駄をはいてはいるけれど、手に抱えている風呂敷包みの中は、お弁当のからばこ、白い事務服、それから紅い鼻緒の上草履のようなもの。
二笑亭綺譚柳宗悦
10分以内
■式場君には色々の著書がある。
炭坑長屋物語猪狩満直
10分以内
北海道の樺太「北海道のカラフト」みんな、そこの長屋をそう呼んでいた、谷間に並べ建てられたカラフト長屋、一日中ろくすっぽ陽があたらず、どっちり雪の積んでいる屋根から、煙突が線香を並べたように突き出ていた、俺は時々自分の入口を間違い、他家の戸口を開けた、屋根の煙突の何本目、そいつを数えて這入るのが一番完全であった「来年の四月頃になれば陽があたりますよ」古くから此処の長屋に住んでいる工夫の妻がそう言い俺達に聞かしてくれた。
サガレンの浮浪者広海大治
10分以内
ただようてくる温ったかい三平汁の香堪え兼ねて牧草の束に顔を埋めるしのびよる背筋の冷さ浅い眠りの夢は破れるああ!一杯の飯を食いたい赤い毛布を巻きつけたむくんだ足寒気は骨の中まで突き通す伸び放題の鼻ひげに呼吸は霜をたくわえ鼻孔はきんきんとひからびる破目板の隙間から躍り込む風小屋に舞う雪神楽やがて粉雪はうず高く層を重ねる辛うじて乾草の小屋に宿り打ち震え闇の中に聞く猛...
華厳経と法華経槙村浩
10分以内
華厳経と法華経は古来仏教の二大聖典として、併称された。
竹林生活北原白秋
10分以内
*あの第一回の烈震以来、その後千数百回の余震に、人人はどれだけ脅かされたか。
アインシュタイン博士のこと長岡半太郎
10分以内
アインシュタインは相對性原理を以つて世界に名を知られているが、その原理を辨えている人は幾人あるか知り難い。
巽軒先生喜寿の祝辞中島徳蔵
10分以内
私はまだ郷の中學に居た頃に、始めて先生の「心理新説」を讀んだ。
知的作用と感情と増田惟茂
10分以内
知的作用について吾々は二つの方面を區別する事が出來る。
特殊部落の言語喜田貞吉
10分以内
特殊部落の人達の口にする言語は、その付近の普通部落の言語と幾らか違ったところがある。
特殊部落と細民部落・密集部落喜田貞吉
10分以内
従来普通に特殊部落と云っておった我が同胞中の或る部族のことを、近ごろ内務省あたりでは、細民部落といっている。
来り人の地位と職業喜田貞吉
10分以内
山の幸、海の幸にのみ活きておった太古の状態から、次第に進んで世の中の秩序も整頓し、住人にも一定の株が出来ては、他国者や風来人がやって来て、住み着こうとしても容易な事ではない。
エタと非人と普通人喜田貞吉
10分以内
踏み出しの方向如何によって、一歩の差は遂に千里の差となる。
編輯雑感喜田貞吉
10分以内
自分がこの特別号の発行を思い付いたのは、本年二月下旬、東京築地本願寺で催された同情融和会の折であった。
螽蟖の記室生犀星
10分以内
きりぎりすは夜明けの四時になると鳴き止む。
冬の庭室生犀星
10分以内
冬になると庭を眺める時がすくない。
美女西東三鬼
10分以内
船欄に夜露べつとり逃ぐる旅私はいつも逃げてばかりゐるやうです。
心霊の抱く金塊大倉燁子
10分以内
(上)ツイ二三日前のこと、私達は赤い丸卓子を囲んで昂奮に汗ばんだ顔を並べ、心霊学者深井博士の話を、熱心に聞いていた。
信濃の山女魚の魅力葉山嘉樹
10分以内
私が今住っている処は、東に南アルプス山系の仙丈ヶ岳や、白根山系の山々、など、殆んど年中雪を頂いている、一万尺内外の高山の屏風を遠望し、西には、僅か数里の距離を置いて、西駒山脈、詰り中央アルプスが亙っている。
尚白箚記西周
10分以内
凡そ百科の學術に於ては、統一の觀有る事緊要たる可し。
人智論西周
10分以内
此前ノ御談會ニ嘗テ人ノ性理ヲ論ジ、之ヲ分チテ智情意ノ三部トナスコトヲ概論シタリ。
健康を釣る正木不如丘
10分以内
釣の法悦境海釣りや磯釣り、さては湖沼の舟釣りを除くと、釣にはあるく事がつきものになつて居る。
歳棚に祭る神柳田国男
10分以内
歳棚に祭る神いわゆる三が日の本当の正月に対して、十五日を小正月と呼ぶ地方は多い。
探偵小説と音楽野村胡堂
10分以内
近代探偵小説に一つの型を与えた、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」は、あの苛辣冷静な性格に似ずヴァイオリンをよくし時には助手のワトソン博士に一曲を奏でて聴かす余裕があり、緊迫した空気の中で、トスカニーニの指揮するモーツァルトに興味を持ったりしている。
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