都会と田舎
萩原朔太郎
『都会と田舎』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。2,043文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 2,043文字 |
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書き出し書出 | ひとり私のかんがへてゐることは、もえあがるやうな大東京の夜景です、かかるすばらしい都會に住んでゐる人たちは、さかんなもりあがる群集をして、いつも磨かれたる大街道で押しあひ、入りこみたる建築と建築との家竝のあひだにすべりこむ、そこにはさびしい裏町の通りがあり、ゆがんだ酒場の軒がごたごたと混みあつてゐる、だぶだぶとながれる不潔な掘割、煤煙ですすぼけたその附近の悲しい空氣、そしてせまくるしい往來では、いつも醉... |
初出 | |
底本 | 萩原朔太郎全集 第三卷 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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