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サガレンの浮浪者

広海大治

『サガレンの浮浪者』は青空文庫で公開されている広海大治の短編作品。2,652文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内
2,652文字
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書出

ただようてくる温ったかい三平汁の香 堪え兼ねて牧草の束に顔を埋める しのびよる背筋の冷さ 浅い眠りの夢は破れる ああ! 一杯の飯を食いたい 赤い毛布を巻きつけた むくんだ足 寒気は骨の中まで突き通す 伸び放題の鼻ひげに 呼吸は霜をたくわえ 鼻孔はきんきんとひからびる 破目板の隙間から躍り込む風 小屋に舞う雪神楽 やがて粉雪はうず高く層を重ねる 辛うじて乾草の小屋に宿り 打ち震え闇の中に聞く 猛

初出「詩人」1936(昭和11)年4月号
底本日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
表記
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