30分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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女の怪異 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
ぼつぼつではあるが街路の左右に点いた街路照明の電燈の燈(ひ)を見ると菊江はほっとした。 | |||
雨夜続志 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
芝の青松寺で自由党志士の追悼会のあった時のことである。 | |||
宇賀長者物語 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
※(きれい)牡丹の花の咲いたような王朝時代が衰えて、武家朝時代が顕れようとしている比のことでありました。 | |||
黄灯 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
入口の障子をがたがたと開けて、学生マントを着た小兵な学生が、雨水の光る蛇目傘を半畳にして、微暗い土間へ入って来た。 | |||
ある神主の話 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
漁師の勘作はその日もすこしも漁がないので、好きな酒も飲まずに麦粥を啜(すす)って夕飯をすますと、地炉の前にぽつねんと坐って煙草を喫んでいた。 | |||
天才 | アントン・チェーホフ | 30分以内 | |
避暑がてら、士官の後家さんの別荘に間借りをしている画家のエゴール・サヴィチは、いま自分の部屋の寝床に腰かけて、朝のメランコリイに耽っている最中である。 | |||
マリ・デル | アントン・チェーホフ | 30分以内 | |
その晩は身体があいていた。 | |||
蜜柑山散策 | 北原白秋 | 30分以内 | |
蜜柑山でも見に行かうかと、日向ぼつこから私が立つと、夕暮君も、それはよからうと続いて立ち上つた。 | |||
ある親子の問答(一幕) | 岸田国士 | 30分以内 | |
山上のホテル――食堂のベランダ、夏のをはり――午後九時頃。 | |||
感化院の太鼓(二場) | 岸田国士 | 30分以内 | |
麦太郎繭子海老子夫人女事務員葱沢院長袖原さん其他無言の人物[#改ページ]第一場公園の一隅――杉の木立を透して黒板塀が続いて見え、梅雨晴れの空に赤瓦が光つてゐる。 | |||
ガンバハル氏の実験(ラヂオドラマ) | 岸田国士 | 30分以内 | |
アナウンサーの紹介につづいて、別のアナウンサーの声で――――只今から、ガンバハル氏の「精神と電気」といふ御講演がございます。 | |||
写真(一幕) | 岸田国士 | 30分以内 | |
人物三好大尉三好夫人女中隣の細君忠坊東京の郊外――初秋の午後。 | |||
迷子になつた上等兵(ラヂオドラマ) | 岸田国士 | 30分以内 | |
星野少尉臼田軍曹小西上等兵兵卒A同B同C同D荒物屋の主人その妻その娘[#改ページ]大正二三年頃の秋ある歩兵聯隊の夜間演習が東京近在の農村を中心として行はれる。 | |||
親方コブセ | 金史良 | 30分以内 | |
X市在住土工達の親方コブセの噂はかねがね耳にはさんでいたが、私がじかに彼と会ったのは、金鵄がまだ九銭から十銭になる直前だから、ついこの間のことである。 | |||
甘話休題 | 古川緑波 | 30分以内 | |
※もう僕の食談も、二十何回と続けたのに、ちっとも甘いものの話をしないものだから、菓子については話が無いのか、と訊いて来た人がある。 | |||
牛鍋からすき焼へ | 古川緑波 | 30分以内 | |
※「おうなにしますか、それとも、ギュウがいいかい?」と、僕の祖母は、鰻を「おうな」牛肉を「ギュウ」と言った。 | |||
神戸 | 古川緑波 | 30分以内 | |
久しぶりで、神戸の町を歩いた。 | |||
富士屋ホテル | 古川緑波 | 30分以内 | |
箱根宮の下の富士屋ホテルは、われら食子にとって、忘れられない美味の国だった。 | |||
博多にて | 小泉八雲 | 30分以内 | |
人力車で旅行していて、できるのはあたりを眺めることと夢見ることくらいである。 | |||
第二海豹と雲 | 北原白秋 | 30分以内 | |
古代新頌懸巣飛べよ、深山懸巣、神神はまた目ざめぬ。 | |||
知らない人 | 太宰治 | 30分以内 | |
ことしの正月は、さんざんでありました。 | |||
文庫版『雀の卵』覚書 | 北原白秋 | 30分以内 | |
※(しもと)初版本について初版『雀の卵』は大正十年八月にアルスより刊行された。 | |||
下頭橋由来 | 吉川英治 | 30分以内 | |
飯櫃十八になるお次が、ひとつの嫁入りの資格にと、巣鴨村まで千蔭流の稽古に通い始めてから、もう二年にもなる。 | |||
峠に関する二、三の考察 | 柳田国男 | 30分以内 | |
山の彼方ビョルンソンのアルネの歌は哀調であるけれども、我々日本人にはよくその情合がわからない。 | |||
凍るアラベスク | 妹尾アキ夫 | 30分以内 | |
風の寒い黄昏だった。 | |||
和人わ舟お食う | 知里真志保 | 30分以内 | |
chiep と chep――魚のことおアイヌわ「チえ※」chiep と言い、また詰めて「ちェ※」chep と言う。 | |||
時代・児童・作品 | 小川未明 | 30分以内 | |
時代は、生動しています。 | |||
支那を識るの途 | 橘樸 | 30分以内 | |
廣大な支那大陸の天然現象を研究することはその道の學者にとつて興味深いことに相違ないが、一般人の支那を知り度いとか支那は不可解だという云ふ場合の「支那」は其の殆ど總ての場合に於て專ら其人文現象のみを意味するのである。 | |||
韓非子解題 | 小柳司気太 | 30分以内 | |
第韓非の傳本書の著者韓非は、韓の公室の一族なり。 | |||
海浜日誌 | 牧野信一 | 30分以内 | |
――日。 | |||
余の倅に就いて | 牧野信一 | 30分以内 | |
試みに、余の三歳になる一子をとらへて、――葛西をぢちやんに如何されたか?と訊ねて見給へ!彼は、忽ち武張つた表情をして、次のやうな動作をするであらう。 | |||
エハガキの激賞文 | 牧野信一 | 30分以内 | |
友を訪ねて僕は一ト頃外国製のエハガキを集めたことがある、その頃は、集めた数々のものを酷く大切にして、夫々のアルバムを「科学篇」とか「歴史篇」とか「物語篇」とか「考古篇」とか「美術篇」とか「地理篇」とかといふ風に分類して悦に入つた。 | |||
川蒸気は昔のまゝ | 牧野信一 | 30分以内 | |
さあ、これから宿へ帰つて「東京見物記」といふ記事を書くのだ――おいおい、タキシイを呼び止めて呉れ、何方側だ?何方側だ?俺には見当がつかぬ――などゝ僕は同伴の妻に云ひ寄るのであつたが、妻君は、前の晩に友達と別れてから、夫と手を携へて怖る/\訪れた赤坂辺のダンスホールを訪れたところが、そこで、案外にも平気で踊ることが出来たので、自信を得てしまつて、やつぱり村の野天やアバラ屋で古風な蓄音機に合せて村の友達連と踊るよりは此方の方が遥かに好もしい。 | |||
新興芸術派に就ての雑談 | 牧野信一 | 30分以内 | |
S・S・F倶楽部員の座談会。 | |||
喜劇考 | 牧野信一 | 30分以内 | |
KATA-KOMASドリアン――彼女は私達の愛馬の名前である。 | |||
卓上演説 | 牧野信一 | 30分以内 | |
おゝ皆さん、今宵、この真夏の夜の夢の、いとも花やかなる私達の円卓子にお集りになつた学識に富み夢に恵まれ、且つまたゲルマン系の「冒険の歌」より他に歌らしい歌も弁へぬ南方の蛮人(私)を指命して一場の演説を所望なさるゝといふ最も趣味拡き紳士よ、淑女よ、私は立ち上りました、私はマルテン・ルーテルの祈りを口吟みながら立ち上りました――。 | |||
三田に来て | 牧野信一 | 30分以内 | |
結廬古城下時登古城上古城非疇昔今人自来往坂を登り、また坂を登り――そして、石垣の台上に居並ぶ家々のうちで、一番隅つこの、一番小さい家に居を移した。 | |||
「学生警鐘」と風 | 牧野信一 | 30分以内 | |
氷嚢の下旅まくら熱になやみて風を聴くとり落した手鏡の破片にうつるいくつものわが顔湖はひかりてふるさとは遠い*夜をこめて吹き荒んだ風が、次の日もまたその次の日も絶え間もなく鳴りつづけてゐるといふ――そのやうな風に私はこの町ではぢめて出遇つた。 | |||
〔婦人手紙範例文〕 | 牧野信一 | 30分以内 | |
転地してゐる義妹へ何や彼やと毎日のことばかりに追はれて、ついついお手紙さへも書きおくれて居りましたこと、どうぞおゆるし下さい。 | |||
その村を憶ひて | 牧野信一 | 30分以内 | |
怒田村のこと鬼涙、寄生木、夜見、五郎丸、鬼柳、深堀、怒田、竜巻、惣領、赤松、金棒、鍋川――足柄の奥地に、昔ながらのさゝやかな巣を営んでゐるそれらの村々を私は渡り歩いて、昆虫採集に没頭してゐた。 | |||
岬の春霞 | 牧野信一 | 30分以内 | |
いつまでつゞくか、仮寝の宿――わたしは、そのとき横須賀に置いた家族から離れて湘南電車で二駅離れた海ふちの宿にゐた。 | |||
城ヶ島の春 | 牧野信一 | 30分以内 | |
城ヶ島といふと、たゞちに北原白秋さんを連想する――といふより白秋さんから、わたしは城ヶ島を知り、恰度酒を飲みはじめた十何年か前のころ、わたしたちは酔ひさへすれば、城ヶ島の雨を合唱したものである。 | |||
喧嘩咄 | 牧野信一 | 30分以内 | |
ちかごろ或る日、十何年も他所にあづけ放してあるトランクをあけて見ると昔のエハガキブックや本や手帳にまぢって、二十歳前後の写真を二束見つけた。 | |||
月評 | 牧野信一 | 30分以内 | |
読むのがのろいからと心配して――これで僕は四ヶ月もつゞけて(三ヶ月間は、「早稲田文学」のために――)早く出るものからぼつ/\と読みはじめ、さて、いよ/\書かうといふ段になると、十日も前に読んだものゝ記憶は大ぶんあやしくなり、また繰ひろげて、あれこれと戸惑ひ、結局時間に追はれて半分も読み損つてしまふ有様は、まるでアダムスン漫画のやうであつた。 | |||
書斎を棄てゝ | 牧野信一 | 30分以内 | |
もうわたしは、余程久しい以前から定つた自分の部屋といふものを忘れて、まるで吟遊詩人のやうな日をおくつてゐることだ。 | |||
湖の夢 | 牧野信一 | 30分以内 | |
友人である医学士のF君が、オースチンを購入したので、案内車を先に立てながら富士の五湖をまはつて来ようと、或る晩わたしの部屋を訪れた。 | |||
文学的自叙伝 | 牧野信一 | 30分以内 | |
父親からの迎へが来次第、アメリカへ渡るといふ覚悟を持たせられてゐて、私は小学校へ入る前後からカトリツク教会のケラアといふ先生に日常会話を習ひはじめてゐた。 | |||
浪曼的時評 | 牧野信一 | 30分以内 | |
先月は殆んど一ト月、新緑の中の海辺や山の温泉につかつて文字といふ文字は何ひとつ目にもせず蝶々などを追ひかけて暮し、その間に何か際立つた作品が現れてゐたかも知れないが、それまでは今年になつてからといふものわたしは、その読後感を誌す目的で毎月つゞけて月々の多くの雑誌を読んで来た。 | |||
山峡の凧 | 牧野信一 | 30分以内 | |
百足凧と称する奇怪なかたちの凧は、殆ど人に知られてゐないらしい。 | |||
或るハイカーの記 | 牧野信一 | 30分以内 | |
適量の日本酒を静かに吟味しながら愛用してゐれば、凡そ健康上の効用に此れ以上のものは無いといふことは古来から夙に云はれて居り、わたしなども身をもつてそれを明言出来る者であつたが、誰しも多くの飲酒者は稍ともすれば感情のほとばしるに任せては後悔の種を育てがちになるのも実にも通例の仕儀ながら、わたしも亦その伝で銀座通りなどをおし歩きながらウヰスキーをあをりつゞけたお蔭で、例に依つて例の如く、終ひに閑寂なる療養生活に没頭しなければならなくなつた。 |