川蒸気は昔のまゝ

牧野信一

『川蒸気は昔のまゝ』は青空文庫で公開されている牧野信一の短編作品。4,488文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。

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30分以内4,488文字
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書き出し

さあ、これから宿へ帰つて「東京見物記」といふ記事を書くのだ――おいおい、タキシイを呼び止めて呉れ、何方側だ? 何方側だ? 俺には見当がつかぬ――などゝ僕は同伴の妻に云ひ寄るのであつたが、妻君は、前の晩に友達と別れてから、夫と手を携へて怖る/\訪れた赤坂辺のダンスホールを訪れたところが、そこで、案外にも平気で踊ることが出来たので、自信を得てしまつて、やつぱり村の野天やアバラ屋で古風な蓄音機に合せて村

初出「婦人サロン 第二巻第五号(五月号)」文藝春秋社、1930(昭和5)年5月1日
底本牧野信一全集第三巻
表記
新字旧仮名