30分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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津軽地方特有の俚諺 | 福士幸次郎 | 30分以内 | |
雪国の東北人は概してさうだが、わが津軽地方人も老若男女を問はず話好きで、且つ大概話上手である。 | |||
畦道 | 永井荷風 | 30分以内 | |
国府台から中山を過ぎて船橋の方へと松林に蔽はれた一脈の丘陵が延長してゐる。 | |||
買出し | 永井荷風 | 30分以内 | |
船橋と野田との間を往復してゐる総武鉄道の支線電車は、米や薩摩芋の買出しをする人より外にはあまり乗るものがないので、誰言ふとなく買出電車と呼ばれてゐる。 | |||
にぎり飯 | 永井荷風 | 30分以内 | |
深川古石場町の警防団員であつた荒物屋の佐藤は三月九日夜半の空襲に、やつとのこと火の中を葛西橋近くまで逃げ延び、頭巾の間から真赤になつた眼をしばだゝきながらも、放水路堤防の草の色と水の流を見て、初て生命拾ひをしたことを確めた。 | |||
紙風船(一幕) | 岸田国士 | 30分以内 | |
[#ページの左右中央]人物夫妻時晴れた日曜の午後所庭に面した座敷[#改ページ]夫(縁側の籐椅子に倚り、新聞を読んでゐる)「米国フラー建材会社のターナー支配人が一日目白文化村を訪れて、おゝロスアンゼルスの縮図よ!と申しましたやうに、目白文化村は今日瀟洒たる美しい住宅地になりました」妻(縁側近く座蒲団を敷き、編物をしてゐる)なに、それは。 | |||
葉桜(一幕) | 岸田国士 | 30分以内 | |
[#ページの左右中央]人物母娘時四月下旬の真昼所母の居間――六畳[#改ページ]開け放された正面の丸窓から、葉桜の枝が覗いてゐる。 | |||
ぶらんこ(一幕) | 岸田国士 | 30分以内 | |
夫妻夫の同僚茶の間朝妻(チヤブ台の上に食器を並べながら)あなた、さ、もう起きて下さい。 | |||
穀神としての牛に関する民俗 | 中山太郎 | 30分以内 | |
牛を穀神とするは世界共通の信仰牛を穀神として崇拝したのは、殆んど世界共通の信仰であるが、殊に印度、支那、我国において、その濃厚なるを認める。 | |||
獅子舞雑考 | 中山太郎 | 30分以内 | |
一、枯れ木も山の賑やかし我国の獅子舞は、起原をアッシリヤに発し、支那を経て輸入されたものであると、説く学者がある〔註一〕。 | |||
坂本竜馬手記 | 坂本竜馬 | 30分以内 | |
四月廿三日夜危難之後明光丸ニ移り鞆の港ニ上陸ス。 | |||
蝸牛の角 | 和辻哲郎 | 30分以内 | |
芸術の検閲(大正十一年十一月)ロダンの「接吻」が公開を禁止されたとき、大分いろいろな議論が起こった。 | |||
断腸亭日乗 | 永井荷風 | 30分以内 | |
荷風歳卅九◯九月十六日、秋雨連日さながら梅雨の如し。 | |||
母子像 | 久生十蘭 | 30分以内 | |
進駐軍、厚木キャンプの近くにある、聖ジョセフ学院中学部の初年級の担任教諭が、受持の生徒のことで、地区の警察署から呼出しを受けた。 | |||
打出の小槌 | 外村繁 | 30分以内 | |
――私の三男は家中の愛嬌者である。 | |||
赤絵鉢 | 柳宗悦 | 30分以内 | |
上野の美術倶楽部で、又々山中商会による大展観があつた。 | |||
京都の朝市 | 柳宗悦 | 30分以内 | |
私は大正の終りから昭和の八年まで足掛九年も京都に住んだが、今から想うと、もっとよくこの旧都やその周辺の文化の跡を見ておくべきであった。 | |||
雑器の美 | 柳宗悦 | 30分以内 | |
無学ではあり貧しくはあるけれども、彼は篤信な平信徒だ。 | |||
和紙十年 | 柳宗悦 | 30分以内 | |
之は思出の記である。 | |||
思ひ出すままに | 宇野浩二 | 30分以内 | |
私が「文藝春秋」の創刊号を見たのは、たしか、本屋の店頭であつた。 | |||
質屋の小僧 | 宇野浩二 | 30分以内 | |
私がどんなに質屋の世話になつたかといふ事は、これまで、小説に、随筆に、既にしばしば書いたことである。 | |||
歴史とは何か | 津田左右吉 | 30分以内 | |
世界の文化民族の多くは、その文化が或る程度に発達して文字が用ゐられて来ると、今日常識的に歴史的記録といはれるやうなものを何等かの形に於いて作り、さうしてそれを後世に伝へた。 | |||
帝大聖書研究会終講の辞 | 矢内原忠雄 | 30分以内 | |
今日はイザヤ書第三十四、三十五章の御話をしようと思う。 | |||
百万人のそして唯一人の文学 | 青野季吉 | 30分以内 | |
純小説と通俗小説の限界が、戦後いよいよ曖昧になつて来た。 | |||
姉弟と新聞配達 | 犬養健 | 30分以内 | |
早春の夕暮だつた。 | |||
猪鹿蝶 | 久生十蘭 | 30分以内 | |
いつお帰りになって?昨夜?よかったわ、間にあって……ちょいと咲子さん、昨日、大阪から久能志貴子がやってきたの。 | |||
『火星兵団』の作者の言葉 | 海野十三 | 30分以内 | |
この書『火星兵団』は、私がこれまでに書いた一等長い小説であります。 | |||
藍瓶 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
玄関の格子戸がずりずりと開いて入って来た者があるので、順作は杯を持ったなりに、その前に坐った女の白粉をつけた眼の下に曇のある顔をちょと見てから、右斜にふりかえって玄関のほうを見た。 | |||
赤い土の壺 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
永禄四年の夏のことであった。 | |||
赤い花 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
※(きれい)明治十七八年と云えば自由民権運動の盛んな時で、新思潮に刺戟せられた全国の青年は、暴戻な政府の圧迫にも屈せず、民権の伸張に奔走していた。 | |||
悪僧 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
何時の比のことであったか朝鮮の王城から南に当る村に鄭(てい)と云う老宰相が住んでいた。 | |||
雨夜草紙 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
※(みは)小さくなった雨が庭の無花果の葉にぼそぼそと云う音をさしていた。 | |||
馬の顔 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
暗い中から驟雨のような初夏の雨が吹きあげるように降っていた。 | |||
切支丹転び | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
大久保相模守は板倉伊賀守と床几を並べて、切支丹の宗徒の手入を検視していた。 | |||
白っぽい洋服 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
務は電車の踏切を離れて丘の方へ歩いた。 | |||
藤の瓔珞 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
※(きれい)憲一は裏庭づたいに林の方へ歩いて往った。 | |||
草藪の中 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
夕月が射して虫が鳴いていた。 | |||
水面に浮んだ女 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
外から帰って来た平兵衛は、台所の方で何かやっていた妻を傍へ呼んだ。 | |||
雀が森の怪異 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
明治――年六月末の某夜、彼は夜のふけるのも忘れてノートと首っぴきしていた。 | |||
頼朝の最後 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
※建久九年十二月、右大将家には、相模川の橋供養の結縁に臨んだが、その帰途馬から落ちたので、供養の人びとに助け起されて館へ帰った。 | |||
雪の夜の怪 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
昼間のうちは石ばりをしたようであった寒さが、夕方からみょうにゆるんでいる日であった。 | |||
萌黄色の茎 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
給仕女のお菊さんは今にもぶらりとやって来そうに思われる客の来るのを待っていた。 | |||
指環 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
ふと眼を覚ましてみると、電燈の光が微紅く室の中を照らしていた。 | |||
一握の髪の毛 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
章一は目黒駅へ往く時間が迫って来たので急いで著更えをしていた。 | |||
神仙河野久 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
神仙の実在を信じて「神仙記伝」と云う書物を編輯していたと云う宮中掌典の宮地嚴夫翁が明治四十三年、華族会館で講演した講演筆記の写しの中から得た材料によって話すことにする。 | |||
文妖伝 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
乳色をしたグローブから漏れる朧夜の月の光を盛ったような電燈の光、その柔かな光に輪廓のはっきりした※(みは)な小さな顔をだした女給のお葉は、客の前の白い銚子を執って、にっと笑いながらぽっちり残っている盃(さかずき)に注いだ。 | |||
女賊記 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
館林の城下では女賊の噂で持ち切っていた。 | |||
参宮がえり | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
明治五年比の晩春の夕方、伊良湖岬の手前の磯(いそ)に寄せて来た漁船があった。 | |||
警察署長 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
ニコリフスクに恐ろしい殺戮の起った時分のことであった。 | |||
岐阜提灯 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
※(みは)真澄はその晩も台所へ往って、酒宴の後しまつをしている婢(じょちゅう)から、二本の残酒と一皿の肴(さかな)をもらって来て飲んでいた。 | |||
女の首 | 田中貢太郎 | 30分以内 | |
新吉は公園の活動写真館の前を歩きながら、今のさき点いたばかりの白昼のような電燈の光に浮き出て見える群集の顔をじろじろ見ていたが、思い出したようにその眼を活動写真館の看板絵にやった。 |