30分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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藤棚の陰から | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
若葉のかおるある日の午後、子供らと明治神宮外苑をドライヴしていた。 | |||
災難雑考 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
大垣の女学校の生徒が修学旅行で箱根へ来て一泊した翌朝、出発の間ぎわに監督の先生が記念の写真をとるというので、おおぜいの生徒が渓流に架したつり橋の上に並んだ。 | |||
三斜晶系 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
夢七月二十七日は朝から実に忙しい日であった。 | |||
糸車 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
祖母は文化十二年(一八一五)生まれで明治二十二年(一八八九)自分が十二歳の歳末に病没した。 | |||
小浅間 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
峰の茶屋から第一の鳥居をくぐってしばらくこんもりした落葉樹林のトンネルを登って行くと、やがて急に樹木がなくなって、天地が明るくなる。 | |||
地図をながめて | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
「当世物は尽くし」で「安いもの」を列挙するとしたら、その筆頭にあげられるべきものの一つは陸地測量部の地図、中でも五万分一地形図などであろう。 | |||
天災と国防 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
「非常時」というなんとなく不気味なしかしはっきりした意味のわかりにくい言葉がはやりだしたのはいつごろからであったか思い出せないが、ただ近来何かしら日本全国土の安寧を脅かす黒雲のようなものが遠い水平線の向こう側からこっそりのぞいているらしいという、言わば取り止めのない悪夢のような不安の陰影が国民全体の意識の底層に揺曳していることは事実である。 | |||
破片 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
昭和九年八月三日の朝、駒込三の三四九、甘納豆製造業渡辺忠吾氏(二七)が巣鴨警察署衛生係へ出頭し「十日ほど前から晴天の日は約二千、曇天でも約五百匹くらいの蜜蜂が甘納豆製造工場に来襲して困る」と訴え出たという記事が四日の夕刊に出ていた。 | |||
俳句の精神 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
俳句の成立と必然性五七五の定型と、季題および切れ字の插入という制約によって規定された従来普通の意味での俳句あるいは発句のいわゆる歴史的の起原沿革については、たぶんそういう方面に詳しい専門家が別項で述べ尽くされることと思うから、ここで自分などが素人くさい蛇足を添える必要はないであろう。 | |||
物売りの声 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
毎朝床の中でうとうとしながら聞く豆腐屋のラッパの音がこのごろ少し様子が変わったようである。 | |||
B教授の死 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
さわやかな若葉時も過ぎて、日増しに黒んで行く青葉のこずえにうっとうしい微温の雨が降るような時候になると、十余年ほど前に東京のSホテルで客死したスカンジナビアの物理学者B教授のことを毎年一度ぐらいはきっと思い出す。 | |||
病床生活からの一発見 | 萩原朔太郎 | 30分以内 | |
病床生活からの一発見萩原朔太郎病気といふものは、私にとつて休息のやうに思はれる。 | |||
花枕 | 正岡子規 | 30分以内 | |
上神の工が削りなしけん千仞の絶壁、上平に草生ひ茂りて、三方は奇しき木の林に包まれ、東に向ひて開く一方、遙の下に群れたる人家、屈曲したる川の流を見るべし。 | |||
炭焼のむすめ | 長塚節 | 30分以内 | |
低い樅(もみ)の木に藤の花が垂れてる所から小徑を降りる。 | |||
日記のうち | 与謝野晶子 | 30分以内 | |
十一月十三日きゆうきゆうと云ふ音が彼方でも此方でもして、何処の寝台ももう畳まれて居るらしいので、わたしも起きないでは悪いやうな気がして蒲団の上に坐つた。 | |||
六日間 | 与謝野晶子 | 30分以内 | |
三月七日机の前に坐ると藍色の机掛の上に一面に髪の毛の這つて居るのが日影でまざまざと見えた。 | |||
午後 | 与謝野晶子 | 30分以内 | |
二人は先刻クリシイの通で中食して帰つて来てからまだ一言も言葉を交さない。 | |||
戸の外まで | 与謝野晶子 | 30分以内 | |
自室から出ましてね、廊下の向うの隅に腰を掛けて車丁に、『わたしは巴里へ行くのよ。 | |||
女が来て | 与謝野晶子 | 30分以内 | |
良人は昨日来た某警察署の高等視察のした話をSさんにして居ました。 | |||
執達吏 | 与謝野寛 | 30分以内 | |
(壱)眞田保雄の事を此の十年来何かに附けて新聞雑誌で悪く書く。 | |||
素描 | 与謝野寛 | 30分以内 | |
おれは朝から寝巻の KIMONO のまヽで絵具いぢりを続けて居た。 | |||
遺書に就て | 渡辺温 | 30分以内 | |
その朝、洋画家葛飾龍造の画室の中で、同居人の洋画家小野潤平が死んでいた。 | |||
アンドロギュノスの裔 | 渡辺温 | 30分以内 | |
――曾て、哲人アビュレの故郷なるマドーラの町に、一人の魔法をよく使う女が住んでいた。 | |||
赤い煙突 | 渡辺温 | 30分以内 | |
………………………………(――あたしの赤い煙突。 | |||
風船美人 | 渡辺温 | 30分以内 | |
上野の博覧会で軽気球が上げられた。 | |||
四月馬鹿 | 渡辺温 | 30分以内 | |
何が南京鼠だい『エミやあ!エー坊!エンミイ―おい、エミ公!ちょっと来てくれよオ、大変々々!』出勤際に、鏡台へ向って、紳士の身躾をほどこしていた文太郎君が、突然叫びたてました。 | |||
鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年 | 夏目漱石 | 30分以内 | |
三〇五明治三十九年一月一日午前零時―五時本郷區駒込千駄木町五十七番地より廣島市猿樂町鈴木三重吉へ加計君の所へいつか手紙をやりたい。 | |||
女給 | 細井和喜蔵 | 30分以内 | |
柴田登恵子――といって置く。 | |||
樹木とその葉 | 若山牧水 | 30分以内 | |
駿河灣一帶の風光といふとどうしても富士山がその焦點になる。 | |||
モルモット | 細井和喜蔵 | 30分以内 | |
永いあいだの失業から生活難に追われて焦燥し、妻のヒステリーはひどくこうじて来た。 | |||
支那人の妥協性と猜疑心 | 桑原隲蔵 | 30分以内 | |
緒言日本と支那とは、いはゆる唇齒輔車相倚るべき國で、勿論親善の間柄でなければならぬ。 | |||
停車場の少女 | 岡本綺堂 | 30分以内 | |
「こんなことを申上げますと、なんだか嘘らしいやうに思召すかも知れませんが、これはほんたうの事で、わたくしが現在出会つたのでございますから、どうか其(その)思召でお聴きください。 | |||
あそび | 森鴎外 | 30分以内 | |
木村は官吏である。 | |||
里芋の芽と不動の目 | 森鴎外 | 30分以内 | |
東京化学製造所は盛に新聞で攻撃せられながら、兎(と)に角一廉の大工場になった。 | |||
食堂 | 森鴎外 | 30分以内 | |
木村は役所の食堂に出た。 | |||
文学の本質について(一) | 平林初之輔 | 30分以内 | |
形而上学的文学論の破産「文学は種々の要素から成り立つ。 | |||
悔 | 水野仙子 | 30分以内 | |
ある地方の郡立病院に、長年看護婦長をつとめて居るもとめは、今日一日の時間からはなたれると、急に心も體(からだ)も弛(たる)んでしまつたやうな氣持ちで、暮れて行く廊下を靜(しづ)かに歩いてゐた。 | |||
カンカン虫殺人事件 | 大阪圭吉 | 30分以内 | |
K造船工場の第二号乾船渠に勤めている原田喜三郎と山田源之助の二人が行方不明になってから五日目の朝の事である。 | |||
支那古典学の研究法に就きて | 内藤湖南 | 30分以内 | |
支那を解釋するには、支那人が是迄積み上げた事業と云ふ者を十分に研究して見なければならぬ。 | |||
禹貢製作の時代 | 内藤湖南 | 30分以内 | |
支那古代の經濟事情を研究するに就いて、尚書の禹貢が重要なる史料であることは勿論のことである。 | |||
樹木とその葉 | 若山牧水 | 30分以内 | |
この沼津に移つて來て、いつの間にか足掛五年の月日がたつてゐる。 | |||
樹木とその葉 | 若山牧水 | 30分以内 | |
駿河なる沼津より見れば富士が嶺の前に垣なせる愛鷹の山東海道線御殿場驛から五六里に亙る裾野を走り下つて三島驛に出る。 | |||
樹木とその葉 | 若山牧水 | 30分以内 | |
東京にてM――兄。 | |||
樹木とその葉 | 若山牧水 | 30分以内 | |
昨年の八月いつぱいを伊豆西海岸、古宇といふ小さな漁村で過しました。 | |||
樹木とその葉 | 若山牧水 | 30分以内 | |
私はよく山歩きをする。 | |||
樹木とその葉 | 若山牧水 | 30分以内 | |
その酒の話。 | |||
山と雪の日記 | 板倉勝宣 | 30分以内 | |
夏の日記大正池峰々の谷に抱かれた雪の滴を集めて流れて、梓川は細長い上高地の平原を、焼岳の麓まできた時に、神の香炉から流れ出たラヴァはたちまちにその流れを阻んだ。 | |||
正月とソヴェト勤労婦人 | 宮本百合子 | 30分以内 | |
――ヤア、こんちは。 | |||
三月八日は女の日だ | 宮本百合子 | 30分以内 | |
モスクワじゅうが濡れたビードロ玉だ。 | |||
春の上河内へ | 板倉勝宣 | 30分以内 | |
大正八年三月二十一日。 |
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