30分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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簔虫と蜘蛛 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
二階の縁側のガラス戸のすぐ前に大きな楓(かえで)が空いっぱいに枝を広げている。 | |||
子猫 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
これまでかつて猫というもののいた事のない私の家庭に、去年の夏はじめ偶然の機会から急に二匹の猫がはいって来て、それが私の家族の日常生活の上にかなりに鮮明な存在の影を映しはじめた。 | |||
からすうりの花と蛾 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
ことしは庭のからすうりがずいぶん勢いよく繁殖した。 | |||
あひると猿 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
去年の夏信州沓掛駅に近い湯川の上流に沿うた谷あいの星野温泉に前後二回合わせて二週間ばかりを全く日常生活の煩いから免れて閑静に暮らしたのが、健康にも精神にも目に見えてよい効果があったように思われるので、ことしの夏も奮発して出かけて行った。 | |||
物理学と感覚 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
人間がその周囲の自然界の事物に対する知識経験の基になる材料は、いずれも直接間接に吾人の五感を通じて供給されるものである。 | |||
相対性原理側面観 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
世間ではもちろん、専門の学生の間でもまたどうかすると理学者の間ですら「相対性原理は理解しにくいものだ」という事に相場がきまっているようである。 | |||
怪異考 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
物理学の学徒としての自分は、日常普通に身辺に起こる自然現象に不思議を感ずる事は多いが、古来のいわゆる「怪異」なるものの存在を信ずることはできない。 | |||
化け物の進化 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
人間文化の進歩の道程において発明され創作されたいろいろの作品の中でも「化け物」などは最もすぐれた傑作と言わなければなるまい。 | |||
火山の名について | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
日本から南洋へかけての火山の活動の時間分布を調べているうちに、火山の名前の中には互いによく似通ったのが広く分布されていることに気がついた。 | |||
日常身辺の物理的諸問題 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
毎朝起きて顔を洗いに湯殿の洗面所へ行く、そうしてこの平凡な日々行事の第一箇条を遂行している間に私はいろいろの物理学の問題に逢着する。 | |||
物理学圏外の物理的現象 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
物理学は元来自然界における物理的現象を取り扱う学問であるが、そうかと言って、あらゆる物理的現象がいつでも物理学者の研究の対象となるとは限らない。 | |||
時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
時の観念に関しては、哲学者の側でいろいろ昔からむつかしい議論があったようである。 | |||
温泉 | 梶井基次郎 | 30分以内 | |
断片夜になるとその谷間は真黒な闇に呑まれてしまう。 | |||
梁上の足 | 若杉鳥子 | 30分以内 | |
梁上の足若杉鳥子晝間、街から持つて來た昂奮が、夜中私を睡らせなかつた。 | |||
彼女こゝに眠る | 若杉鳥子 | 30分以内 | |
その夜の月は、紺碧の空の幕からくり拔(ぬ)いたやうに鮮やかだつた。 | |||
駆逐されんとする文人 | 内田魯庵 | 30分以内 | |
▲余の住ってる町は以前は組屋敷らしい狭い通りで、多くは小さい月給取の所謂勤人ばかりの軒並であった。 | |||
二十五年間の文人の社会的地位の進歩 | 内田魯庵 | 30分以内 | |
二十五年という歳月は一世紀の四分の一である。 | |||
家庭の読書室 | 内田魯庵 | 30分以内 | |
近ごろは一般に大分本を読むやうになつた。 | |||
筆のしづく | 幸徳秋水 | 30分以内 | |
近日何ぞ傷心の事多きや、緑雨は窮死し、枯川は絏紲の人となる、風日暖にして木々の梢緑なる此頃の景色にも、我は中心転た寂寞の情に堪へず、意強き人は女々しと笑はん、我は到底情を矯むるの力なし。 | |||
母親 | 若杉鳥子 | 30分以内 | |
母親若杉鳥子みを子が会社を馘(くび)になってから、時々、母親の全く知らない青年が訪ねて来た。 | |||
北村透谷詩集 | 北村透谷 | 30分以内 | |
夢中の夢嗚呼かく弱き人ごゝろ、嗚呼かく強き戀の情、[#改ページ]朝靄の歌もらすなよあだうつくしの花、消ゆる汝共に散るものを、うつくしとても幾日經ぬべき、盛りと見しははやすたり[#改ページ]春駒第門出北風に窓閉されて朝夕の伴となるもの書と爐火、軒下の垂氷と共に心凍り眺めて學ぶ雪達摩、けふまでこそは梅櫻、... | |||
霧の不二、月の不二 | 小島烏水 | 30分以内 | |
不二より瞰(み)るに、眼下に飜展せられたる凸版地図の如き平原の中白面の甲府を匝(め)ぐりて、毛ばだちたる皺(しわ)の波を畳み、その波頭に鋭峻の尖(とが)りを起てたるは、是れ言ふまでもなく金峰山、駒ヶ嶽、八ヶ嶽等の大嶽にして、高度いづれも一万尺に迫り、必ずしも我不二に下らざるが如し、不二は自らその高さを意識せざる謙徳の大君なり、裾野より近く不二を仰ぐに愈(いよい)よ低し、偉人と共に家庭居するものは、その那辺が大なるかを解する能はざるが如し。 | |||
病室の花 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
発病する四五日前、三越へ行ったついでに、ベコニアの小さい鉢を一つ買って来た。 | |||
春六題 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
暦の上の季節はいつでも天文学者の計画したとおりに進行して行く。 | |||
田園雑感 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
現代の多くの人間に都会と田舎とどちらが好きかという問いを出すのは、蛙(かえる)に水と陸とどっちがいいかと聞くようなものかもしれない。 | |||
笑い | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
子供の時分から病弱であった私は、物心がついてから以来ほとんど医者にかかり通しにかかっていたような漠然とした記憶がある。 | |||
案内者 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
どこかへ旅行がしてみたくなる。 | |||
断水の日 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
十二月八日の晩にかなり強い地震があった。 | |||
亮の追憶 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
亮(りょう)の一周忌が近くなった。 | |||
池 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
大学の池のまわりも、去年の火事で、だいぶ様子が変わってしまった。 | |||
路傍の草 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
車上「三上」という言葉がある。 | |||
Liber Studiorum | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
震災後復興の第一歩として行なわれた浅草凌雲閣の爆破を見物に行った。 | |||
時事雑感 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
煙突男ある紡績会社の労働争議に、若い肺病の男が工場の大煙突の頂上に登って赤旗を翻し演説をしたのみならず、頂上に百何十時間居すわってなんと言ってもおりなかった。 | |||
カメラをさげて | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
このごろ時々写真機をさげて新東京風景断片の採集に出かける。 | |||
映画の世界像 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
映画のスクリーンの平面の上に写し出される光と影の世界は現実のわれらの世界とは非常にかけはなれた特異なものであって両者の間の肖似はむしろきわめてわずかなものである。 | |||
「手首」の問題 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
バイオリンやセロをひいてよい音を出すのはなかなかむつかしいものである。 | |||
生ける人形 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
四十年ほど昔の話である。 | |||
夏目漱石先生の追憶 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
熊本第五高等学校在学中第二学年の学年試験の終わったころの事である。 | |||
田丸先生の追憶 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
なくなってまもない人の追憶を書くのはいろいろの意味で困難なものである。 | |||
火事教育 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
旧臘押し詰まっての白木屋の火事は日本の火災史にちょっと類例のない新記録を残した。 | |||
空想日録 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
白熊の死探険船シビリアコフ号の北氷洋航海中に撮影されたエピソード映画の中に、一頭の白熊を射殺し、その子を生け捕る光景が記録されている。 | |||
映画雑感(Ⅱ) | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
制服の処女評判の映画「制服の処女」を一見した。 | |||
蒸発皿 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
亀井戸まで久しぶりで上京した友人と東京会館で晩餐をとりながら愉快な一夕を過ごした。 | |||
記録狂時代 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
何事でも「世界第一」という名前の好きなアメリカに、レコード熱の盛んなのは当然のことであるが、一九二九年はこのレコード熱がもっとも猖獗(しょうけつ)をきわめた年であって、その熱病が欧州にまでも蔓延した。 | |||
涼味数題 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
涼しさは瞬間の感覚である。 | |||
錯覚数題 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
ハイディンガー・ブラッシ目は物を見るためのものである。 | |||
試験管 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
靴のかかと夏になったので去年の白靴を出して見ると、かかとのゴムがだいぶすり減っている。 | |||
沓掛より | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
草をのぞく浅間火山のすそ野にある高原の一隅に、はなはだ謙遜なHという温泉場がある。 | |||
ジャーナリズム雑感 | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
いつかある大新聞社の工場を見学に行ってあの高速度輪転機の前面を瀑布のごとく流れ落ちる新聞紙の帯が、截断され折り畳まれ積み上げられて行く光景を見ていたとき、なるほどこれではジャーナリズムが世界に氾濫するのも当然だという気がしないではいられなかった。 | |||
函館の大火について | 寺田寅彦 | 30分以内 | |
昭和九年三月二十一日の夕から翌朝へかけて函館市に大火があって二万数千戸を焼き払い二千人に近い死者を生じた。 |
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