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5分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
愚の旗竹内浩三
5分以内
人は、彼のことを神童とよんだ。
五月のように竹内浩三
5分以内
なんのためにともかく生きているともかくどう生きるべきかそれはどえらい問題だそれを一生考え考えぬいてもはじまらん考えれば考えるほど理屈が多くなりこまるこまる前に次のことばを知ると得だ歓喜して生きよヴィヴェ・ジョアイユウ理屈を言う前にヴィヴェ・ジョアイユウ信ずることはめでたい真を知りたければ信ぜよそこに真はいつでもある弱い人よボクも人一倍弱い信...
竹内浩三
5分以内
さいげんなくざんござんごと雨がふるまっくらな空からざんござんごとおしよせてくるぼくは傘もないしお金もない雨にまけまいとしてがちんがちんとあるいたお金をつかうことはにぎやかだからすきだものをたべることはにぎやかだからすきだぼくはにぎやかなことがすきださいげんなくざんござんごと雨がふるぼくは傘もないしお金もないき...
空をかける竹内浩三
5分以内
蛍光を発して夜の都の空をかける風に指がちぎれ鼻がとびさる虹のように蛍光が夜の都の空に散る風に首がもげ脚がちぎれる風にからだが溶けてしまう蛾が一匹死んでしまった。
うたうたいは竹内浩三
5分以内
うたうたいはうたうたえときみ言えど口おもくうたうたえず。
竹内浩三
5分以内
銭湯へゆく麦畑をとおるオムレツ形の月大きな暈(かさ)をきてひとりぼっち熟れた麦強くにおうかのおなごのにおいチイチイと胸に鳴くかのおなごはいってしまったあきらめておくれといってしまった麦の穂を噛み噛みチイチイと胸に鳴く。
北海に竹内浩三
5分以内
夜の大海原に星もなくさぶい風が波とたたかい吹雪だ灯もない吹雪だあれくるう北海あれるただ一つの生き物ウキをたよりに生きのび生きのびる人間助かるすべも絶えたそれでも雪をかみ風をきき生きていた生きていたやがてつかれはてて死んだ。
チャイコフスキイのトリオ竹内浩三
5分以内
アアちゃん白い雪のふる木の葉のちる寒い風のふくアアちゃんぼくはたたずみうづくまり寒い風のふく湯気のちぎれとぶアアちゃんぼくは地べたに爪あとをつけケシの種子をほりかえすアアちゃん。
メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト竹内浩三
5分以内
若草山やそよ風の吹く大和の野かすみかすみそよ風の吹くおなごの髪やそよ風の吹くおなごの髪や枯草のかかれるを手をのばしとってやるおなごのスカアトやつぎあとのはげしさおなごの目や雲の映れるそよ風の映れる二人はいつまでとその言葉やその言葉やそよ風の吹く。
トスカニニのエロイカ竹内浩三
5分以内
がらがらまぬけたいかづちがらがらトスカニニのゆくトスカニニのエロイカのゆくがらがら花を見蛇を見むすめを見見るものを見がらがら帽子を忘れステッキを忘れズボンを忘れがらがらひたぶるトスカニニのエロイカのゆく。
モオツアルトのシンホニイ四〇番竹内浩三
5分以内
大名行列のえいほえいほ殿凱風快晴北斎の赤富士にござりまする。
竹内浩三
5分以内
ぼくが帰るとまもなくまだ八月に入ったばかりなのに海はその表情を変えはじめた白い歯をむき出して大波小波をぼくにぶっつけるぼくは帰るとすぐに誰もなぐさめてくれないので海になぐさめてもらいにやってきた海はじつにやさしくぼくを抱いてくれた海へは毎日来ようと思った秋は海へまっ先にやってくるもう秋風なのだ乾いた砂をふきあげる風だぼくは眼をほそめて海を見ておった表情を変えた海を...
行軍二竹内浩三
5分以内
あの山を越えるときおれたちは機関車のように蒸気ばんでおっただまりこんでがつんがつんとあるいておった急に風がきて白い雪のかたまりをなげてよこした水筒の水は口の中をガラスのように刺したあの山を越えるときおれたちは焼ける樟樹であったいまあの山はまっ黒でその上にぎりぎりとオリオン星がかがやいているじっとこうして背嚢にもたれて地べたの上でいきづいていたものだまたもや風がきて雨をおれたちの顔にか...
街角の飯屋で竹内浩三
5分以内
カアテンのかかったガラス戸の外で郊外電車のスパァクがお月さんのウィンクみたいだ大きなどんぶりを抱くようにしてぼくは食事をする麦御飯の湯気に素直な咳を鳴らしどぶどぶと豚汁をすするいつくしみ深い沢庵の色よおごそかに歯の間に鳴りひびくおや外は雨になったようですねもうつゆの季節なんですか。
演習一竹内浩三
5分以内
ずぶぬれの機銃分隊であったぼくの戦帽は小さすぎてすぐおちそうになったぼくだけあごひもをしめておったきりりと勇ましいであろうと考えたいくつもいくつも膝まで水のある濠があったぼくはそれが気に入ってびちゃびちゃとびこんだまわり路までしてとびこみにいった泥水や雑草を手でかきむしった内臓がとびちるほどの息づかいであった白いりんどうの花が狂気のようにゆれておったぼくは草の上を氷河のように匍匐(ほふく)し...
よく生きてきたと思う竹内浩三
5分以内
よく生きてきたと思うよく生かしてくれたと思うボクのような人間をよく生かしてくれたと思うきびしい世の中であまえさしてくれない世の中でよわむしのボクがとにかく生きてきたとほうもなくさびしくなりとほうもなくかなしくなり自分がいやになりなにかにあまえたいボクという人間は大きなケッカンをもっているかくすことのできない人間としてのケッカンその大きな弱点をつかま...
YAMA竹内浩三
5分以内
Ishikoro no michiIshikoro no michiKaa tto higa sena wo yakuAoba no Midori ga me ni itaiIshikoro no sakaIshikoro no saka。
入営のことば竹内浩三
5分以内
十月一日、すきとおった空に、ぼくは、高々と、日の丸をかかげます。
人生竹内浩三
5分以内
映画についてむつかしいもの。
骨のうたう(原型)竹内浩三
5分以内
戦死やあわれ兵隊の死ぬるやあわれとおい他国でひょんと死ぬるやだまってだれもいないところでひょんと死ぬるやふるさとの風やこいびとの眼やひょんと消ゆるや国のため大君のため死んでしまうやその心や苔いじらしやあわれや兵隊の死ぬるやこらえきれないさびしさやなかず咆えずひたすら銃を持つ白い箱にて故国をながめる音もなくなにもない骨帰ってはきました...
夕焼け竹内浩三
5分以内
赤い赤い四角い形が障子に落ちている青い青い丸い葉が赤い空気に酔っているひらひらとコーモリが躍る人は静かに戸を閉めて電気をつけて汁をすする赤い明るい西の空も灰色にむしばまれるそしてくろくなってやがてだいやもんどに灯がつくそして人は日記などつけて灯を消し一日が終わったと考えて神に感謝して祈る。
鈍走記(草稿)竹内浩三
5分以内
生まれてきたから、死ぬまで生きてやるのだ。
帰還竹内浩三
5分以内
あなたはかえってきたあなたは白くしずかな箱にいる白くしずかなきよらかなひたぶるひたぶるちみどろひたぶるあなたはたたかっただ日は黒ずみくずれたみなきけみなみよこのときあなたはちった明るくあかくかがやきちったちってきえた白くしずかにきよらかにあなたはかえってきたくにが...
東京竹内浩三
5分以内
東京はタイクツな町だ男も女も笑わずにとがった神経で高いカカトで自分の目的の外は何も考えず歩いて行く東京は冷い町だレンガもアスファルトも笑わずに四角い顔で冷い表情でほこりまみれでよこたわっている東京では漫画やオペラが要るはずだとうなずける。
夜汽車の中で竹内浩三
5分以内
ふみきりのシグナルが一月の雨にぬれてボクは上りの終列車を見て柄もりの水が手につめたくかなしいような気になってなきたいような気になってわびしいような気になってそれでもためいきもなみだも出ずちょうど風船玉がかなしんだみたい自分が世界で一番不実な男のような気がし自分が世界で一番いくじなしのような気がしそれにそれがすこしもはずかしいと思えずとほうにくれて雨足を見たらいくぶんセンチメンタルに...
竹内浩三
5分以内
ふわふわ雲が飛んでいるそれは春の真綿雲むくむく雲が湧いて来たそれは夏の入道雲さっさと雲が掃いたようそれは秋空よい天気どんより灰色いやな雲それは雪雲冬の空まあるい空のカンヴァスにいろんな雲を描き分けるお天道さんはえらい方。
演習二竹内浩三
5分以内
丘のすそに池がある丘の薄は銀のヴェールである丘の上につくりもののトオチカがある照準の中へトオチカの銃眼をおさめておいておれは一服やらかした丘のうしろに雲がある丘を兵隊が二人かけのぼって行った丘も兵隊もシルエットであるこのタバコのもえつきるまでおれは薄の毛布にねむっていよう。
冬に死す竹内浩三
5分以内
蛾が静かに障子の桟からおちたよ死んだんだねなにもしなかったぼくはこうしてなにもせずに死んでゆくよひとりで生殖もしなかったの寒くってねなんにもしたくなかったの死んでゆくよひとりでなんにもしなかったからひとはすぐぼくのことを忘れてしまうだろういいのぼくは死んでゆくよひとりでこごえた蛾みたいに。
竹内浩三
5分以内
空には雲がなければならぬ日本晴れとは誰がつけた名かしらんが日本一の大馬鹿者であろう雲は踊らねばならぬ踊るとは虹に鯨がくびをつることであろう空には雲がなければならぬ雲は歌わねばならぬ歌はきこえてはならぬ雲は雲は自由であった。
射撃について竹内浩三
5分以内
松の木山に銃声がいくつもとどろいた山の上に赤い旗がうごかない雲を待っている銃声が止むとごとんごとんと六段返しみたいに的が回転するおれの弾は調子づいたとみえてうつたびに景気のいい旗が上ったおれの眼玉は白雲ばかり見ていた。
芸術としての探偵小説野村胡堂
5分以内
捕物作家である私は探偵小説のファンとしての立場から、探偵小説に対する私見を述べてみたいと思う。
最近の犯罪の傾向に就て野村胡堂
5分以内
支那の詐偽、及び犯罪に関するいろいろな徴候を見ると、非常に緻密な組織になっている。
随筆銭形平次野村胡堂
5分以内
捕物小説は、ただもう卑俗な、全く無価値な文学であるかの様に読まぬうちから、或いは一寸めくって見て、軽侮する傾向が強いが、これは如何?捕物小説はも一度見なおされるべきではないか。
捕物小説のむずかしさ野村胡堂
5分以内
捕物小説を書くことの六つかしさに私は近頃悩み抜いて居る。
無題(故海野十三氏追悼諸家文集)野村胡堂
5分以内
「海野さんのものを全部読まして下さい」と言って来た、若い電気学生があった。
涙香に還れ野村胡堂
5分以内
江戸川乱歩氏が盛んに売り出そうとしている頃、それは確か関東大震災の翌年あたりであったと思う。
乱歩氏と私と野村胡堂
5分以内
江戸川乱歩氏と初めて逢ったのは、今から三十年ほど前の、報知新聞社の応接間であった。
春夫と旅行できなかつた話太宰治
5分以内
一社會人として、こゝに一文を草しなければかなはぬ義務を感じてゐる。
明石鯛に優る朝鮮の鯛北大路魯山人
5分以内
たいについて、京都、大阪で、子ども時分から聞きこんでいることは、玄海灘を越してきたたいでなくては美味くないということだ。
鮎ははらわた北大路魯山人
5分以内
鮎の美味いのは大きさから言うと、一寸五分ぐらいから四、五寸ぐらいまでのものである。
鮎を食う北大路魯山人
5分以内
鮎は水が清くて、流れの急な、比較的川幅の広い川で育ったのでないと、発育が充分でなく、その上、味も香気も、ともによくない。
洗いづくりの美味さ北大路魯山人
5分以内
美味いさかな、それはなんと言っても、少数の例外は別として関西魚である。
鮑の水貝北大路魯山人
5分以内
あわびの水貝は、あわびを切っただけでよいようなものであるが、これは元来、江戸前の料理だ。
生き烏賊白味噌漬け北大路魯山人
5分以内
東京で西京漬けと呼んでいるのは、京都産の白味噌に魚類を漬け込んだものを言う。
海にふぐ山にわらび北大路魯山人
5分以内
ふしぎなような話であるが、最高の美食はまったく味が分らぬ。
夏日小味北大路魯山人
5分以内
夏の暑さがつづくと、たべものも時に変ったものが欲しくなる。
数の子は音を食うもの北大路魯山人
5分以内
お正月になると、大概の人は数の子を食う。
くちこ北大路魯山人
5分以内
このごろ、酒に適する、また、美食家の気に入る美味いものの第一品はくちこの生であろう。
序に代えて北大路魯山人
5分以内
私たちが料理をとやかく言ったり、美味い不味いを口にしますと、ぜいたくを言っているように聞えて困るのですが、私が言うのはそうじゃないのです。
筍の美味さは第一席北大路魯山人
5分以内
筍(たけのこ)の缶詰ものは、一流日本料理の料理になる資格はないが、二流以下の料理用としては、年中、日本料理にも中国料理にも重宝されているくらいだから、美食原品として一等席へ坐してもよいものであろう。
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