ブンゴウサーチ

夜汽車の中で

竹内浩三

『夜汽車の中で』は青空文庫で公開されている竹内浩三の短編作品。263文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
263文字
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書出

ふみきりのシグナルが一月の雨にぬれて ボクは上りの終列車を見て 柄もりの水が手につめたく かなしいような気になって なきたいような気になって わびしいような気になって それでも ためいきも なみだも出ず ちょうど 風船玉が かなしんだみたい 自分が世界で一番不実な男のような気がし 自分が世界で一番いくじなしのような気がし それに それがすこしもはずかしいと思えず とほうにくれて雨足を見たら いく

初出
底本竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻
表記
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