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演習一

竹内浩三

『演習一』は青空文庫で公開されている竹内浩三の短編作品。270文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
270文字
人気
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書出

ずぶぬれの機銃分隊であった ぼくの戦帽は小さすぎてすぐおちそうになった ぼくだけあごひもをしめておった きりりと勇ましいであろうと考えた いくつもいくつも膝まで水のある濠があった ぼくはそれが気に入って びちゃびちゃとびこんだ まわり路までしてとびこみにいった 泥水や雑草を手でかきむしった 内臓がとびちるほどの息づかいであった 白いりんどうの花が 狂気のようにゆれておった ぼくは草の上を氷河のよ

初出
底本竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻
表記
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