5分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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旅からのはがき | 水野葉舟 | 5分以内 | |
今、花巻に着いた九時、今、花巻に着いた。 | |||
這って来る紐 | 田中貢太郎 | 5分以内 | |
某禅寺に壮い美男の僧があって附近の女と関係しているうちに、僧は己の非行を悟るとともに大に後悔して、田舎へ往って修行をすることにした。 | |||
法衣 | 田中貢太郎 | 5分以内 | |
千住か熊谷かのことであるが、其処に某尼寺があって、その住職の尼僧と親しい壮い男が何時も寺へ遊びに来ていたが、それがふっつりと来なくなった。 | |||
皿屋敷 | 田中貢太郎 | 5分以内 | |
番町の青山主膳の家の台所では、婢(げじょ)のお菊が正月二日の昼の祝いの済んだ後の膳具を始末していた。 | |||
浜の冬 | 長塚節 | 5分以内 | |
冬の日のことである。 | |||
菠薐草 | 長塚節 | 5分以内 | |
余が村の一族の間には近代美人が輩出した。 | |||
現代若き女性気質集 | 岡本かの子 | 5分以内 | |
これは現代の若き女性気質の描写であり、諷刺であり、概観であり、逆説である。 | |||
女性の不平とよろこび | 岡本かの子 | 5分以内 | |
女が、男より行儀をよくしなければならないということ。 | |||
時代色 | 岡本かの子 | 5分以内 | |
センチメンタルな気風はセンチと呼んで唾棄軽蔑されるようになったが、世上一般にロマンチックな気持ちには随分憧れを持ち、この傾向は追々強くなりそうである。 | |||
異性に対する感覚を洗練せよ | 岡本かの子 | 5分以内 | |
現代の女性の感覚は色調とか形式美とか音とかに就いて著るしく発達して来た。 | |||
女性崇拝 | 岡本かの子 | 5分以内 | |
西洋人は一体に女性尊重と見做されているが、一概にそうも言い切れない。 | |||
山茶花 | 岡本かの子 | 5分以内 | |
ひとの世の男女の行ひを捨てて五年夫ならぬ夫と共棲(す)み今年また庭のさざんくわ夫ならぬ夫とならびて眺め居る庭のさざんくわ夫ならぬ夫にしあれどひとたびは夫にてありしつまなりしその昔よりつまならぬ今の語らひ浄くしてあはれはふかし今年また庭のさざんくわならび居て二人はながむる。 | |||
愛よ愛 | 岡本かの子 | 5分以内 | |
この人のうえをおもうときにおもわず力が入る。 | |||
術三則 | 泉鏡花 | 5分以内 | |
帝王世紀にありといふ。 | |||
聞きたるまゝ | 泉鏡花 | 5分以内 | |
吾(われ)聞く、東坡が洗兒詩に、人皆養子望聰明。 | |||
対州厳原港にて | 長塚節 | 5分以内 | |
對州へ渡るには博多から夜出て朝着く。 | |||
壱岐国勝本にて | 長塚節 | 5分以内 | |
地圖を見ても直ぐ分る。 | |||
関東防空大演習を嗤う | 桐生悠々 | 5分以内 | |
防空演習は、曾て大阪に於ても、行われたことがあるけれども、一昨九日から行われつつある関東防空大演習は、その名の如く、東京付近一帯に亘る関東の空に於て行われ、これに参加した航空機の数も、非常に多く、実に大規模のものであった。 | |||
高尾紀行 | 正岡子規 | 5分以内 | |
旅は二日道連は二人旅行道具は足二本ときめて十二月七日朝例の翁を本郷に訪ふて小春のうかれありきを促せば風邪の鼻すゝりながら俳道修行に出でん事本望なりとて共に新宿さしてぞ急ぎける。 | |||
鎌倉一見の記 | 正岡子規 | 5分以内 | |
面白き朧月のゆふべ柴の戸を立ち出でゝそゞろにありけばまぼろしかと見ゆる往來のさまもなつかしながら都の街をはなれたるけしきのみ思ひやられて新橋までいそぎぬ。 | |||
初夏に座す | 岡本かの子 | 5分以内 | |
人生の甘酸を味はひ分けて来るほど、季節の有難味が判つて来る。 | |||
『それから』予告 | 夏目漱石 | 5分以内 | |
色々な意味に於てそれからである。 | |||
『三四郎』予告 | 夏目漱石 | 5分以内 | |
田舎の高等学校を卒業して東京の大学に這入つた三四郎が新しい空気に触れる、さうして同輩だの先輩だの若い女だのに接触して色々に動いて来る、手間は此(この)空気のうちに是等の人間を放す丈である、あとは人間が勝手に泳いで、自ら波瀾が出来るだらうと思ふ、さうかうしてゐるうちに読者も作者も此(この)空気にかぶれて是等の人間を知る様になる事と信ずる、もしかぶれ甲斐のしない空気で、知り栄のしない人間であつたら御互に不運と諦めるより仕方がない、たゞ尋常である、摩訶不思議は書けない。 | |||
文芸とヒロイツク | 夏目漱石 | 5分以内 | |
自然主義といふ言葉とヒロイツクと云ふ文字は仙台平の袴と唐桟の前掛の様に懸け離れたものである。 | |||
艇長の遺書と中佐の詩 | 夏目漱石 | 5分以内 | |
昨日は佐久間艇長の遺書を評して名文と云(い)つた。 | |||
三田社会科学研究会 | 野呂栄太郎 | 5分以内 | |
成立以来十名前後を上下していたわが研究会も、五月二十四日の公開講演会、その後の講義開始等によって一躍六十余名を擁するにいたった。 | |||
三田社会科学研究会報告 | 野呂栄太郎 | 5分以内 | |
ともかくも順調な歩みをもって、華々しくはないが危なっけの少ない生長を遂げている。 | |||
原子爆弾 | 原民喜 | 5分以内 | |
夏の野に幻の破片きらめけり短夜を※[#「血+卜」、232-3、読みは「たお」か]れし山河叫び合ふ炎の樹雷雨の空に舞ひ上る日の暑さ死臭に満てる百日紅重傷者来て飲む清水生温く梯子にゐる屍もあり雲の峰水をのみ死にゆく少女蝉の声人の肩に爪立てて死す夏の月魂呆けて川にかがめり月見草廃虚すぎて蜻蛉の群を眺めやる。 | |||
死と愛と孤独 | 原民喜 | 5分以内 | |
原子爆弾の惨劇のなかに生き残つた私は、その時から私も、私の文学も、何ものかに激しく弾き出された。 | |||
沙漠の花 | 原民喜 | 5分以内 | |
堀辰雄氏から「牧歌」といふ署名入りの美しい本を送つて頂いた。 | |||
惨めな文学的環境 | 原民喜 | 5分以内 | |
昨夜あなたは田中英光のことを近々書くといっていたが、直接面識のあったあなたの書くものは面白いだろうと期待しています。 | |||
「狂気について」など | 原民喜 | 5分以内 | |
「狂気について」は昨年三田文学九月号の Essay on Man のために書いて頂いたものだが、それが標題とされ今度一冊の書物となり読み返すことの出来たのは、僕にとつてほんとに嬉しいことだつた。 | |||
「屍の街」 | 原民喜 | 5分以内 | |
私はあのとき広島の川原で、いろんな怪物を視た。 | |||
悪夢 | 原民喜 | 5分以内 | |
僕は外食に出掛けて行くため裏通りを歩いている。 | |||
一匹の馬 | 原民喜 | 5分以内 | |
五年前のことである私は八月六日と七日の二日、土の上に横たわり空をながめながら寝た、六日は河の堤のクボ地で、七日は東照宮の石垣の横で――、はじめの晩は、とにかく疲れないようにとおもって絶対安静の気持でいた、夜あけになると冷え冷えして空が明るくなってくるのに、かすかなのぞみがあるような気もした、しかし二日目の晩は、土の上にじかに横たわっているとさすがにもう足腰が痛くてやりきれなかった。 | |||
ヒロシマの声 | 原民喜 | 5分以内 | |
ペン・クラブの一行に加わって私はこんど三年振りに広島を訪れた。 | |||
五年後 | 原民喜 | 5分以内 | |
竜ノ彫刻モ高イ石段カラ割レテ墜チ石段ワキノチョロチョロ水ヲニンゲンハ来テハノム炎天ノ溝ヤ樹ノ根ニ黒クナッタママシンデイル死骸ニトリマカレシンデユクハヤサ鳥居ノ下デ火ノツイタヨウニナキワメク真紅ナ女これは五年前のノートに書きなぐっておいたものである。 | |||
戦争について | 原民喜 | 5分以内 | |
コレガ人間ナノデス原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ肉体ガ恐ロシク膨脹シ男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘルオオソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ「助ケテ下サイ」トカ細イ静カナ言葉コレガコレガ人間ナノデス人間ノ顔ナノデス夕食が済んで病妻が床に横はると、雨戸をおろした四辺は急に静かになる。 | |||
平和への意志 | 原民喜 | 5分以内 | |
二つの特輯が私の心を惹いた。 | |||
死について | 原民喜 | 5分以内 | |
お前が凍てついた手で最後のマツチを擦つたとき焔はパツと透明な球体をつくり清らかな優しい死の床が浮び上つた誰かが死にかかつてゐる誰かが死にかかつてゐると、お前の頬の薔薇は呟いた。 | |||
魔のひととき | 原民喜 | 5分以内 | |
魔のひととき尾花の白い幻やたれこめた靄がもう今にも滴り落ちさうな冷えた涙のわきかへるわきかへるこの魔のひとときよとぼとぼと坂をくだり径をゆけば人の世は声をひそめキラキラとゆらめく泉笑まひ泣くあえかなる顔外食食堂のうた毎日毎日が僕は旅人なのだらうか驟雨のあがつた明るい窓の外の鋪道を外食食堂のテーブルに凭れて僕はうつとりと眺めてゐる僕を容れてくれ... | |||
ラジュウムの雁 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
青ざめた薄明穹の水底に少しばかりの星がまたたき出し、胡桃や桑の木は薄くらがりにそっと手をあげごく曖昧に祈ってゐる。 | |||
私の好きなロマンス中の女性 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
一、ロマンスの中の女性は善悪共皆好み候。 | |||
瓢作り | 杉田久女 | 5分以内 | |
今年私は瓢(ひさご)作りを楽しみに、毎朝起きるとすぐ畠へ出てゆく。 | |||
うろこ雲 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
そらいちめんに青白いうろこ雲が浮かび月はその一切れに入って鈍い虹を掲げる。 | |||
図書館幻想 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
おれはやっとのことで十階の床をふんで汗を拭った。 | |||
茶立虫 | 薄田泣菫 | 5分以内 | |
静かな秋の一日、午後三時頃の事でした。 | |||
価 | 薄田泣菫 | 5分以内 | |
大阪に大国柏斎といふ釜師の老人が居る。 | |||
茸の香 | 薄田泣菫 | 5分以内 | |
私は今上醍醐の山坊で、非時の饗応をうけてゐる。 | |||
無学なお月様 | 薄田泣菫 | 5分以内 | |
野尻精一氏は奈良女子高等師範の校長である。 |