60分以内で読める青空文庫の中編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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ベートーヴェンの生涯 | ロマン・ロラン | 60分以内 | |
クールラントの牧師カルル・アメンダ宛一八〇一年六月一日、ヴィーン親しい善きアメンダ、心からなる友よ。 | |||
ベートーヴェンの生涯 | ロマン・ロラン | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]付録ベートーヴェンへの感謝*ロマン・ロランヴィーンにおけるベートーヴェン記念祭の講演[#改丁]われわれの生活の偉大な伴侶であってくれたその人に、私は、この一時代の感謝の言葉を――Dankgesang(ダンクゲザング)(感謝の歌)をささげる。 | |||
ベートーヴェンの生涯 | ロマン・ロラン | 60分以内 | |
ベートーヴェンをいっそうよく識ろうと志すならば、以下の概要的な表に挙げられているところの主要な著述や記録によって考究することができるであろう。 | |||
断腸亭日乗 | 永井荷風 | 60分以内 | |
荷風年四十有二正月元旦。 | |||
習書要訣 | 北大路魯山人 | 60分以内 | |
普通習書と申しますと、ご承知の通り筆をもって習うことが主なんでございますが、実は筆をもって習うということもさることながら、書を分ろう、書というものはどういう「質」のものであるかということが分りたい、分らなくてはならない、そういう「書性」とでもいうことをお互いに分っていこうということが主でありまして、書く方が第二なんであります。 | |||
現代能書批評 | 北大路魯山人 | 60分以内 | |
まえがき人の価値は、厳密にいえば、棺を覆うて始めて決まる。 | |||
私の作陶体験は先人をかく観る | 北大路魯山人 | 60分以内 | |
長次郎(安土、桃山時代)……日本陶芸史上唯一の芸術家。 | |||
三浦環のプロフィール | 吉本明光 | 60分以内 | |
三月十日の空襲で東京の一半は焼野原になってしまった。 | |||
松本たかし句集 | 松本たかし | 60分以内 | |
雨音のかむさりにけり虫の宿作者が虫の音を静に聞いて居つた。 | |||
美しい日本の歴史 | 吉川英治 | 60分以内 | |
鼻の白粉一夜、ある映画館で私はつい飛んでもない自分の阿呆をあたりのつつましい観客たちに暴露していた。 | |||
小説のタネ | 吉川英治 | 60分以内 | |
鳴門秘帖のころいま帰って来たばかりなんですよ。 | |||
親鸞聖人について | 吉川英治 | 60分以内 | |
先ごろは、親鸞聖人の大遠忌があり、今夜も親鸞聖人についてご関心の深い、またご信仰の深い皆さまのお集まりと思うのでありますが、私はそうした皆さまにお話し申し上げるほどの何も持っていないんです。 | |||
『唯研ニュース』 | 戸坂潤 | 60分以内 | |
創刊の辞会員の待望によって、『唯研ニュース』が創刊される運びになった。 | |||
断腸亭日乗 | 永井荷風 | 60分以内 | |
荷風年四十三正月元日。 | |||
一九三七年を送る日本 | 戸坂潤 | 60分以内 | |
個人に公的生活と私生活とがあるように、社会全体にも云わば公的生活と私的生活との区別がある。 | |||
朝鮮の友に贈る書 | 柳宗悦 | 60分以内 | |
私の知れる、または見知らぬ多くの朝鮮の友に、心からのこの書翰を贈る。 | |||
石仏 | 小泉八雲 | 60分以内 | |
第五高等中学校(五高)の背後にある立田山の一角は――なだらかな丘陵となっていて、小さな段々畑が連なっている――そこに村の小峯という古い墓地がある。 | |||
海蛍の話 | 神田左京 | 60分以内 | |
序言動物の發光物質の理化學的研究に沒頭してゐるものが、目下世界の學界に僅かに三人ゐる。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「あツ、ヒ、人殺しツ」宵闇を劈(つんざ)く若い女の聲は、雜司ヶ谷の靜まり返つた空氣を、一瞬、※(むし)えこぼれるほど掻き立てました。 | |||
忘春詩集 | 室生犀星 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]佐藤惣之助兄におくる[#改ページ]忘春詩集序言この詩集がはしなく忘春と名づけられたのも、今から考へると何となく相応しいやうな気がする。 | |||
末野女 | 室生犀星 | 60分以内 | |
一人の吃りの男に、道順を尋ねる二人づれの男がゐて、道すぢのことで、三人が烈しく吃り合ひながら、あちらの道を曲るのだとか、こちらの小路からはいつて行くのだとか言つて、ちんぷん、かんぷん言葉が亂れて譯が判らなくなつて了つた。 | |||
巷の子 | 室生犀星 | 60分以内 | |
西洋封筒の手紙が一通他の郵便物に混じりこんでゐて、開いて見ると、わたくしはあなたのお作品が好きで大概の物は逃がさずに讀んでゐるが、好きといふことは作者の文章のくせのやうなものに、親身な知己を感じてゐるものらしく、そのくせのやうな所に讀んでまゐりますと、まるめこまれる自分の心の有樣がよく解りまして、そこで讀んでゆく速度をおさへてゐる間が大變に愉しうございます。 | |||
渚 | 室生犀星 | 60分以内 | |
齒醫者への出がけに、ななえが來た。 | |||
はるあはれ | 室生犀星 | 60分以内 | |
むかし男がゐた。 | |||
帆の世界 | 室生犀星 | 60分以内 | |
私は女の裸體といふものをつねに怖れた。 | |||
夢 | 和辻哲郎 | 60分以内 | |
夢の話をするのはあまり気のきいたことではない。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、美い新造が是非逢はしてくれつて、來ましたぜ」とガラツ八の八五郎、薄寒い縁にしやがんで、柄にもなく、お月樣の出などを眺めてゐる錢形の平次に聲を掛けました。 | |||
暁月夜 | 樋口一葉 | 60分以内 | |
第一回櫻(さくら)の花に梅が香とめて柳の枝にさく姿と、聞くばかりも床しきを心にくき獨(ひと)りずみの噂(うはさ)、たつ名みやび男の心を動かして、山の井のみづに浮岩るヽ戀(こひ)もありけり、花櫻香山家ときこえしは門表の從(じゆ)三位よむまでもなく、同族中に其人ありと知られて、行く水のながれ清き江戸川の西べりに、和洋の家づくり美は極めねど、行く人の足を止むる庭木のさまざま、翠色したヽる松にまじりて紅葉のあるお邸と問へば、中の橋のはし板とヾろくばかり、扨(さて)も人の知るは夫のみならで、... | |||
花ごもり | 樋口一葉 | 60分以内 | |
其本郷の何處とやら、丸山か片町か、柳さくら垣根つゞきの物しづかなる處に、廣からねども清げに住なしたる宿あり、當主は瀬川與之助とて、こぞの秋山の手の去る法學校を卒業して、今は其處の出版部とやら編輯局とやらに、月給なにほど成るらん、靜かに青雲の曉をまつらしき身の上、五十を過ぎし母のお近と、お新と呼ぶ從妹の與之助には六歳おとりにて十八ばかりにや、おさなきに二タ親なくなりて哀れの身一つを此處にやしなはるゝ、此三人ぐらし成けり、筒井づゝの昔しもふるけれど、振わけ髮のおさなだちより馴れて... | |||
日本橋附近 | 田山花袋 | 60分以内 | |
日本橋附近は変ってしまったものだ。 | |||
暗夜 | 樋口一葉 | 60分以内 | |
(その一)取まわしたる邸の廣さは幾ばく坪とか聞えて、閉ぢたるまゝの大門は何年ぞやの暴風雨をさながら、今にも覆へらんさま危ふく、松はなけれど瓦に生ふる草の名の、しのぶ昔しはそも誰れとか、男鹿やなくべき宮城野の秋を、いざと移したる小萩原ひとり錦をほこらん頃も、觀月のむしろに雲上の誰れそれ樣、つらねられける袂(たもと)は夢なれや、秋風さむし飛鳥川の淵瀬こゝに變はりて、よからぬ風説は人の口に殘れど、餘波いかにと訪ふ人もなく、哀れに淋しき主從三人は、都會ながらの山住居にも似たるべし... | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「あツ危ねえ」錢形の平次は辛くも間に合ひました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、小柳町の伊丹屋の若旦那が來ましたぜ。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「八、何んか良い事があるのかい、大層嬉しさうぢやないか」「へツ、それほどでもありませんよ親分、今朝はほんの少しばかり寢起がいゝだけで――」ガラツ八と異名で呼ばれる八五郎は、さういひ乍らも湧き上がつて來る滿悦を噛み殺すやうに、ニヤリニヤリと長んがい頤(あご)を撫で廻すのでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
ガラツ八の八五郎が、その晩聟入をすることになりました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、金持になつて見たくはありませんか」八五郎はまた途方もない話を持ち込んで來たのです。 | |||
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「親分、小便組といふのを御存じですかえ」八五郎は長んがい顎を撫でながら、錢形平次のところへノソリとやつて來ました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「八、大變なことがあるさうぢやないか」江戸開府以來と言はれた、捕物の名人錢形平次は、粉煙草の煙りを輪に吹きながら、いとも寛々たる態度で、飛び込んで來た子分の八五郎に、かう浴びせるのでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、驚いちやいけませんよ」毎日江戸中のニユースを掻き集めて、八丁堀の組屋敷から、南北兩町奉行所まで、萬遍なく驅け廻らなきや、足がムズムズして寢つかれないといふ、小判形の八五郎こと、一名順風耳のガラツ八です。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、聽いたでせう?」ガラツ八の八五郎は、鐵砲玉のやうに飛び込んで來ると、格子戸と鉢合せをして、二つ三つキリキリ舞ひをして、バアと狹い土間へ長んがい顎を突き出すのです。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「わツ驚いたの驚かねえの」ガラツ八といふ安値な異名で通る八五郎は、五月の朝の陽を一パイに浴びた格子の中へ、張板を蹴飛ばして、一陣の疾風のやうに飛び込むのでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分變なことを訊くやうですがね」ガラツ八の八五郎は、こんな調子できり出しました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「へツへツ、へツへツ、隨分間拔けな話ぢやありませんか」ガラツ八の八五郎が、たがが外れたやうに笑ひながら、明神下の平次の家に笑ひ込むのです。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「へツ、へツ、へツ、親分」ある朝、八五郎が箍(たが)の外れた桶(をけ)見たいに、笑ひながら飛び込んで來ました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
八五郎の取柄は、誰とでも、すぐ友達になれることでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
八五郎は斯う言つた具合に、江戸の町々から、あらゆる噂話を掻き集めるのでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、長生きをしたくはありませんか」八五郎がまた、途方もないことを言ふのです。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「又出ましたよ、親分」八五郎は飛び込んで來るのです。 | |||
雷門以北 | 久保田万太郎 | 60分以内 | |
広小路……浅草で、お前の、最も親愛な、最も馴染のふかいところはどこだときかれれば広小路の近所とこたえる外はない。 | |||
新古細句銀座通 | 岸田劉生 | 60分以内 | |
おもいで私は明治二十四年に銀座の二丁目十一番地、丁度今の服部時計店のところで生れて、鉄道馬車の鈴の音を聞きながら、青年時代までそこで育って来た。 |