暁月夜
樋口一葉
『暁月夜』は青空文庫で公開されている樋口一葉の中編作品。16,030文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数 | 60分以内 16,030文字 |
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書き出し書出 | 第一回櫻(さくら)の花に梅が香とめて柳の枝にさく姿と、聞くばかりも床しきを心にくき獨(ひと)りずみの噂(うはさ)、たつ名みやび男の心を動かして、山の井のみづに浮岩るヽ戀(こひ)もありけり、花櫻香山家ときこえしは門表の從(じゆ)三位よむまでもなく、同族中に其人ありと知られて、行く水のながれ清き江戸川の西べりに、和洋の家づくり美は極めねど、行く人の足を止むる庭木のさまざま、翠色したヽる松にまじりて紅葉のあるお邸と問へば、中の橋のはし板とヾろくばかり、扨(さて)も人の知るは夫のみならで、... |
初出 | 「都の花 第百一號」金港堂、1893(明治26)年2月19日 |
底本 | 都の花 第百一號 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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