5分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
2,201-2,250件 / 全4,139件
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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草津から伊香保まで | 田山花袋 | 5分以内 | |
高原から下りた処には、両岸から絶壁が迫つて、綺麗な谷川が流れて居た。 | |||
談片 | 田山花袋 | 5分以内 | |
さうですね、避暑についての話と言つても、別に面白いこともありませんね。 | |||
春 | 田山花袋 | 5分以内 | |
春といふと、曾て紀州にあそんだ時のことが思ひ出されて来た。 | |||
春雨にぬれた旅 | 田山花袋 | 5分以内 | |
志摩から伊勢、紀伊と旅して行つた時のことが第一に思ひ出される。 | |||
北京の一夜 | 田山花袋 | 5分以内 | |
突然私は犬の凄じく吼える声が夜の空気を劈(つんざ)いてきこえて来るのを耳にした。 | |||
山のホテル | 田山花袋 | 5分以内 | |
金剛山にある二つのホテル、中でも長安寺にあるものは面白い。 | |||
三本の棗 | 片山広子 | 5分以内 | |
いま浜田山の庭にある棗の木は私にとつては三本目の棗である。 | |||
灯火節 | 片山広子 | 5分以内 | |
先日読んだ話のなかに燈火節といふ字が出てゐた、二月の何日であつたか日が分らないまま読んでゐたのを、今日辞書で探してみると、燈火節二月二日、旧教にては、この日に蝋燭行列をなし、一年中に用ひる蝋燭を祓ひ清むる風習あるを以てこの名あり、とあつた。 | |||
ばらの花五つ | 片山広子 | 5分以内 | |
むかし私はたいそう暇の多い人間だつた。 | |||
万葉の手古奈とうなひ処女 | 杉田久女 | 5分以内 | |
或日私は沈丁花の匂ふ窓辺で万葉集をひもどいてゐる中、ふと高橋虫麿の葦屋の菟名負処女の墓の長歌に逢着して非常な興味を覚えたのである。 | |||
初期詩篇 | 原口統三 | 5分以内 | |
天外脱走日輪は遠く逃げゆく有明けの天上ふかく日輪は遠ざかりゆく仰ぎ見よ暁闇の空罪びとの涙もしるく薄冥の雲間に凍り日輪は遠く消えゆく一九四三・十二・三十[#改ページ]海に眠る日海に溶け込む太陽だランボオかれは真昼の海に眠る。 | |||
茶の本 | 村岡博 | 5分以内 | |
この『茶の本』はかつて『亡羊』に載せた訳に多少筆を加えまとめてこの文庫に収めたものである。 | |||
茶の本 | 村岡博 | 5分以内 | |
改版にあたって、多少改訳を施し遺漏を補い、さらに一般読者のために注を増補した。 | |||
狸問答 | 鈴木鼓村 | 5分以内 | |
私は、よく怪物に勝つことがあるよ、しかし或(あるい)は負けていたのかもしれないがね――数年前、さる家を訪ねて、昼飯の馳走に与って、やがてその家を辞して、ぶらぶら向島の寺島村の堤にかかったのが、四時頃のことだ、秋の頃で戸外は未だ中々明るい、私が昼の膳に出してくれた、塩鰹が非常に好味といったので、その主人が、それなら、まだ残っているこの片身を持って行きたまえというので、それを新聞紙に包んでもらって、片手に提げながらやってくると、堤の上を二三町歩むか歩まぬ内突然、四辺が真暗に暮れてし... | |||
今戸狐 | 小山内薫 | 5分以内 | |
これは狐か狸だろう、矢張、俳優だが、数年以前のこと、今の沢村宗十郎氏の門弟で某という男が、或(ある)夏の晩他所からの帰りが大分遅くなったので、折詰を片手にしながら、てくてく馬道の通りを急いでやって来て、さて聖天下の今戸橋のところまで来ると、四辺は一面の出水で、最早如何することも出来ない、車屋と思ったが、あたりには、人の影もない、橋の上も一尺ばかり水が出て、濁水がゴーゴーという音を立てて、隅田川の方へ流込んでいる、致方がないので、衣服の裾を、思うさま絡上げて、何しろこの急流故、流されては一... | |||
因果 | 小山内薫 | 5分以内 | |
俳優というものは、如何いうものか、こういう談を沢山に持っている、これも或(ある)俳優が実見した談だ。 | |||
女の膝 | 小山内薫 | 5分以内 | |
私の実見は、唯のこれが一度だが、実際にいやだった、それは曾(かつ)て、麹町三番町に住んでいた時なので、其家の間取というのは、頗(すこぶ)る稀(ま)れな、一寸字に書いてみようなら、恰(あだか)も呂の字の形とでも言おうか、その中央の棒が廊下ともつかず座敷ともつかぬ、細長い部屋になっていて、妙に悪るく陰気で暗い処だった。 | |||
夜釣の怪 | 池田輝方 | 5分以内 | |
私の祖父は釣が所好でして、よく、王子の扇屋の主人や、千住の女郎屋の主人なぞと一緒に釣に行きました。 | |||
青銅鬼 | 柳川春葉 | 5分以内 | |
何日だったか、一寸忘れたが、或(ある)冬の夜のこと、私は小石川区金富町の石橋思案氏の家を訪れて、其処を辞したのは、最早十一時頃だ、非常に真暗な晩なので、全く鼻を撮まれても解らないほどであった、ふいと私は氏の門を出て、四五間行くと、その細い横町の先方から、低く草履の音がして、道の片隅を来るものがある、私は手に巻煙草を持っていたので、漸々二人が近寄って遂に通過ぎる途端、私は思わずその煙草を一服強く吸った拍子に、その火でその人の横顔を一寸見ると驚いた、その蒼褪(あおざめ)た顔といったら、到底人... | |||
一つ枕 | 柳川春葉 | 5分以内 | |
これは友人の談だ、ある年の春の末、もう青葉の頃だったが、その男は一夜友人に誘われて吉原のさる青楼へ上った、前夜は流連をして、その日も朝から酒を飲んでいたが、如何にも面白くない、友人に断って自分だけは帰ろうとしたが、友人が無理に引止めるので、仕方なしに、その宵はまだ早かったが、三階の一番隅の部屋で、一人寝ていると、外もそろそろ賑(にぎやか)になって来たようだが、自分の部屋の近所ではヒッソリと静かで、時々下の方で重い草履の音が、パタリパタリと寝むそうに聞え、窓越の裏の田甫からは蛙(かわず)の... | |||
月夜峠 | 水野葉舟 | 5分以内 | |
これも同じく遠野で聞いた談だ。 | |||
取り交ぜて | 水野葉舟 | 5分以内 | |
○高橋五郎氏に聴いた話である。 | |||
感応 | 岩村透 | 5分以内 | |
私がまだ巴里で画生をしていた時分は、一緒に部屋借りをしていたのは、布哇生れの米国人であった。 | |||
死体室 | 岩村透 | 5分以内 | |
私は今度躯(からだ)に腫物が出来たので、これは是非共、入院して切開をしなければ、いけないと云うから、致方なく、京都の某病院へ入りました。 | |||
大叫喚 | 岩村透 | 5分以内 | |
これも、矢張メリケン幽霊だ。 | |||
子供の霊 | 岡崎雪声 | 5分以内 | |
私が十三歳の時だから、丁度慶応三年の頃だ、当時私は京都寺町通の或る書房に居たのであるが、その頃に其頃の主人夫婦の間に、男の子が生れた。 | |||
死神 | 岡崎雪声 | 5分以内 | |
往来で放歌をすることは、近頃大分厳ましくなったが、或(ある)意味からいうと許してもよさそうなものだ、というのは、淋しい所などを夜遅く一人などで通る時には、黙って行くと、自然下らぬ考事などが起って、遂には何かに襲われるといったような事がある、もしこの場合に、謡曲の好きな人なら、それを唸(うな)るとか、詩吟を口吟むとか、清元をやるとか、何か気を紛らして、そんな満らぬ考を打消すと、結局夢中にそんな所も過ぎるので、これ等は誠によいことだと自分は思う。 | |||
白い蝶 | 岡田三郎助 | 5分以内 | |
友の家を出たのは、最早夕暮であった、秋の初旬のことで、まだ浴衣を着ていたが、海の方から吹いて来る風は、さすがに肌寒い、少し雨催の日で、空には一面に灰色の雲が覆い拡って、星の光も見えない何となく憂鬱な夕だ、四隣に燈(ともし)がポツリポツリと見え初めて、人の顔などが、最早明白とは解らず、物の色が凡て黄ろくなる頃であった。 | |||
薄どろどろ | 尾上梅幸 | 5分以内 | |
▲幽霊の家柄でいて、幽霊種がないというのはちと妙なものですが、実際私の経験という方からいっては、幽霊談皆無といっても可いのです、尤(もっと)もこれは幽霊でない、夢の事ですが、私を育ててくれた乳母が名古屋に居まして、私が子供の内に銀杏が好で仕様がないものだから、東京へ来ても、わざわざ心にかけて贈ってくれる。 | |||
鬼無菊 | 北村四海 | 5分以内 | |
信州の戸隠山麓なる鬼無村という僻村は、避暑地として中々佳い土地である、自分は数年前の夏のこと脚気の為め、保養がてらに、数週間、此地に逗留していた事があった。 | |||
頭上の響 | 北村四海 | 5分以内 | |
「君、如何だ、近頃は不思議が無いか」私の友人は、よく私にこういうて笑うが、私には如何してもそれが冗談として打消されない、矢張何か一種の神秘作用としか思われないのである、如何いうものか吉兆の方は無い――尤(もっと)も私の今日までの境遇上からでもあろうが――が奇妙に凶事に関しては、事件の大小を論せず、必ず自分には前報がある、遅いのは三四日前、早いのは一年も二年も以前にちゃんと解る、如何して知れるというと、即ち自分の頭の真上で何か響があるのだ、それにまた奇妙なのは、事件が大きければ大き... | |||
千ヶ寺詣 | 北村四海 | 5分以内 | |
現今私の家に居る門弟の実見談だが、所は越後国西頸城郡市振村というところ、その男がまだ十二三の頃だそうだ、自分の家の直き近所に、勘太郎という樵夫の老爺が住んでいたが、倅(せがれ)は漁夫で、十七ばかりになる娘との親子三人暮であった、ところがこの家というのは、世にも哀れむべき、癩病の血統なので、娘は既に年頃になっても、何処からも貰手がない、娘もそれを覚ったが、偶然、或(ある)時父兄の前に言出でて、自分は一代法華をして、諸国を経廻ろうと思うから、何卒家を出してくれと決心の色を現したので、父も兄も... | |||
闥の響 | 北村四海 | 5分以内 | |
私が巴里に居た時、一時、リャンコルン街の五十番に家を借りていた事がある、この家屋は四階建で、私の居たのもこの四階の上であった、すると隣家に十二ばかりの女の子を上に八歳ばかりと五歳ばかりの男の子が居た。 | |||
大きな怪物 | 平井金三 | 5分以内 | |
妖怪とか変化とか、生霊とか死霊とか種々な怪物に就ては度々前に話をしたり書いたりしたから改めて申すまでも無かろうから今度は少し変った筋の話をする事にする。 | |||
□本居士 | 本田親二 | 5分以内 | |
時代はよく解りませんが、僕の祖父の若い時ですから、七十年ばかり前でしょう。 | |||
「黒死館殺人事件」著者之序 | 小栗虫太郎 | 5分以内 | |
「黒死館殺人事件」の完成によって、それまで発表した幾つかの短篇は、いずれも、路傍の雑草のごとく、哀われ果敢ないものになってしまった。 | |||
「黒死館殺人事件」序 | 甲賀三郎 | 5分以内 | |
探偵小説界の怪物江戸川乱歩が出現して満十年、同じく怪物小栗虫太郎が出現した。 | |||
トヨタ電気自動車試作 | 豊田喜一郎 | 5分以内 | |
愛知縣擧母トヨタ自動車工業株式會社では我國の燃料資源に適合した最も經濟的な自動車を製作して好評を博してゐるが同社研究所に於ては益々國策に順應した自動車を製作せんとデイゼル・エンヂンを完成し中型乘用車を試作し、我國自動車界に一大センセーシヨンを捲起してゐる矢先に今又蓄電池自動車の製作が發表された。 | |||
蒼馬を見たり | 石川三四郎 | 5分以内 | |
芙美子さん大空を飛んで行く鳥に足跡などはありません。 | |||
蒼馬を見たり | 辻潤 | 5分以内 | |
芙美子さん――しばらく留守にしてゐたので返事が遅れてすみません。 | |||
地山謙 | 片山広子 | 5分以内 | |
Tが私のために筮竹や※木を買つて来て、自分で易を立てる稽古をするやうすすめてくれたのは、もうずゐぶん古い話であつた。 | |||
まどはしの四月 | 片山広子 | 5分以内 | |
その小説はエンチヤンテッド・エプリル(まどはしの四月)といふ題であつたとおぼえてゐる。 | |||
目黒の寺 | 岡本綺堂 | 5分以内 | |
住み馴れた麹町を去って、目黒に移住してから足かけ六年になる。 | |||
亡びゆく花 | 岡本綺堂 | 5分以内 | |
からたちは普通に枳殻と書くが、大槻博士の『言海』によるとそれは誤りで、唐橘と書くべきだそうである。 | |||
当今の劇壇をこのままに | 岡本綺堂 | 5分以内 | |
今の劇壇、それはこのままでいいと思う。 | |||
修禅寺物語 | 岡本綺堂 | 5分以内 | |
この脚本は『文芸倶楽部』の一月号に掲載せられたもので、相変らず甘いお芝居。 | |||
銀座の朝 | 岡本綺堂 | 5分以内 | |
夏の日の朝まだきに、瓜の皮、竹の皮、巻烟草の吸殻さては紙屑なんどの狼籍たるを踏みて、眠れる銀座の大通にたたずめば、ここが首府の中央かと疑わるるばかりに、一種荒凉の感を覚うれど、夜の衣の次第にうすくかつ剥(は)げて、曙(あけぼの)の光の東より開くと共に、万物皆生きて動き出ずるを見ん。 | |||
我楽多玩具 | 岡本綺堂 | 5分以内 | |
私は玩具が好です、幾歳になっても稚気を脱しない故かも知れませんが、今でも玩具屋の前を真直には通り切れません、ともかくも立停って一目ずらりと見渡さなければ気が済まない位です。 | |||
露伴の出世咄 | 内田魯庵 | 5分以内 | |
ある時、その頃金港堂の『都の花』の主筆をしていた山田美妙に会うと、開口一番「エライ人が出ましたよ!」と破顔した。 | |||
大切な雰囲気 | 谷崎潤一郎 | 5分以内 | |
人と人とが長い人生の行路に於いて偶然に行き遭い、相接触し、互いに感化を及ぼし、やがて再び別れ別れになって行く因縁を思うと、奇妙な感じがしないでもない。 |
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