頭上の響
北村四海
『頭上の響』は青空文庫で公開されている北村四海の短編作品。814文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 814文字 |
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書き出し書出 | 「君、如何だ、近頃は不思議が無いか」私の友人は、よく私にこういうて笑うが、私には如何してもそれが冗談として打消されない、矢張何か一種の神秘作用としか思われないのである、如何いうものか吉兆の方は無い――尤(もっと)も私の今日までの境遇上からでもあろうが――が奇妙に凶事に関しては、事件の大小を論せず、必ず自分には前報がある、遅いのは三四日前、早いのは一年も二年も以前にちゃんと解る、如何して知れるというと、即ち自分の頭の真上で何か響があるのだ、それにまた奇妙なのは、事件が大きければ大き... |
初出 | |
底本 | 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会 |
表記 | 新字新仮名 |
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