白い蝶
岡田三郎助
『白い蝶』は青空文庫で公開されている岡田三郎助の短編作品。1,525文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 1,525文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 友の家を出たのは、最早夕暮であった、秋の初旬のことで、まだ浴衣を着ていたが、海の方から吹いて来る風は、さすがに肌寒い、少し雨催の日で、空には一面に灰色の雲が覆い拡って、星の光も見えない何となく憂鬱な夕だ、四隣に燈(ともし)がポツリポツリと見え初めて、人の顔などが、最早明白とは解らず、物の色が凡て黄ろくなる頃であった。 |
初出 | |
底本 | 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会 |
表記 | 新字新仮名 |
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