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今戸狐

小山内薫

『今戸狐』は青空文庫で公開されている小山内薫の短編作品。573文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
573文字
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書出

これは狐か狸だろう、矢張、俳優だが、数年以前のこと、今の沢村宗十郎氏の門弟で某という男が、或夏の晩他所からの帰りが大分遅くなったので、折詰を片手にしながら、てくてく馬道の通りを急いでやって来て、さて聖天下の今戸橋のところまで来ると、四辺は一面の出水で、最早如何することも出来ない、車屋と思ったが、あたりには、人の影もない、橋の上も一尺ばかり水が出て、濁水がゴーゴーという音を立てて、隅田川の方へ流込ん

初出
底本文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
表記
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