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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
無月物語久生十蘭60分以内18,666

後白河法皇の院政中、京の賀茂磧でめずらしい死罪が行なわれた。

後白河法皇の院政中、京の賀茂磧でめずらしい死罪が行なわれた。

原子爆弾雑話中谷宇吉郎30分以内6,943

昭和十二年の七月、北支の蘆溝橋に起った一事件は、その後政府の不拡大方針にもかかわらず、目に見えない大きい歴史の力にひきずられて、漸次中支に波及して行った。

昭和十二年の七月、北支の蘆溝橋に起った一事件は、その後政府の不拡大方針にもかかわらず、目に見えない大きい歴史の力にひきずられて、漸次中支に波及して行った。

「支那游記」自序芥川竜之介5分以内359

「支那游記」一巻は畢竟天の僕に恵んだ(或は僕に災いした)Journalist 的才能の産物である。

「支那游記」一巻は畢竟天の僕に恵んだ(或は僕に災いした)Journalist 的才能の産物である。

人間製造国枝史郎30分以内10,754

一  大阪の町は寂しかった。

一  大阪の町は寂しかった。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,259

一  兩國の川開きが濟んで間もなく、それは脂汗のにじむやうな、いやに、蒸し暑い晩でした。

一  兩國の川開きが濟んで間もなく、それは脂汗のにじむやうな、いやに、蒸し暑い晩でした。

久米正雄氏の事芥川竜之介5分以内564

久米は官能の鋭敏な田舎者です。

久米は官能の鋭敏な田舎者です。

小さな部屋坂口安吾60分以内15,324

「扨て一人の男が浜で死んだ。ところで同じ時刻には一人の男が街角を曲っていた」――  という、これに似通った流行唄の文句があるのだが、韮山痴川は、白昼現にあの街角この街角を曲っているに相違ない薄気味の悪い奴を時々考えてみると厭な気がした。

「扨て一人の男が浜で死んだ。ところで同じ時刻には一人の男が街角を曲っていた」――  という、これに似通った流行唄の文句があるのだが、韮山痴川は、白昼現にあの街角この街角を曲っているに相違ない薄気味の悪い奴を時々考えてみると厭な気がした。

奇談クラブ〔戦後版〕野村胡堂30分以内11,333

プロローグ 「さて皆様、私はここで、嘘のような話を聴いて頂きたいのであります。話の真実性については、皆様の御判断に任せるとして、兎も角も、これは決して嘘ではないということだけは、当夜の盛大な結婚式に列席した方々は、証明して下さることと思います」  話し手の小塚金太郎は、斯んな調子で始めました。

プロローグ 「さて皆様、私はここで、嘘のような話を聴いて頂きたいのであります。話の真実性については、皆様の御判断に任せるとして、兎も角も、これは決して嘘ではないということだけは、当夜の盛大な結婚式に列席した方々は、証明して下さることと思います」  話し手の小塚金太郎は、斯んな調子で始めました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内20,742

一  江戸開府以來の捕物の名人と言はれた錢形の平次が、幽靈から手紙を貰つたといふ不思議な事件は、子分のガラツ八こと、八五郎の思ひも寄らぬ縮尻から始まりました。

一  江戸開府以來の捕物の名人と言はれた錢形の平次が、幽靈から手紙を貰つたといふ不思議な事件は、子分のガラツ八こと、八五郎の思ひも寄らぬ縮尻から始まりました。

悪魔小川未明30分以内7,734

一  道の上が白く乾いて、風が音を立てずに木を揺っていた。

一  道の上が白く乾いて、風が音を立てずに木を揺っていた。

十時五十分の急行モーリス・ルヴェル30分以内4,143

「今日お発ちだそうですね、ムッシュウ」  と跛の男が私に問いかけた。

「今日お発ちだそうですね、ムッシュウ」  と跛の男が私に問いかけた。

(酒)中原中也5分以内61

酒 梅 原因が分りません 蜘蛛は五月雨に逃げ場を失ひました キセルを折れ キセルを折れ 犬が骨を…… ヘン、如何です?

酒 梅 原因が分りません 蜘蛛は五月雨に逃げ場を失ひました キセルを折れ キセルを折れ 犬が骨を…… ヘン、如何です?

愉快な教室佐藤春夫30分以内10,453

(1)  ラフカディオハーン――帰化して日本の名を小泉八雲と名告った文豪の意見によると、人間の草木や小動物に対する愛情の有無というものは先天的な天性によるもので、後天的に教育によっては与えることのできないものであるということであるが、幸なことにわたくしは、この天性を父母から極めてゆたかに受け継いで来ている。

(1)  ラフカディオハーン――帰化して日本の名を小泉八雲と名告った文豪の意見によると、人間の草木や小動物に対する愛情の有無というものは先天的な天性によるもので、後天的に教育によっては与えることのできないものであるということであるが、幸なことにわたくしは、この天性を父母から極めてゆたかに受け継いで来ている。

虱芥川竜之介30分以内4,176

一  元治元年十一月二十六日、京都守護の任に当つてゐた、加州家の同勢は、折からの長州征伐に加はる為、国家老の長大隅守を大将にして、大阪の安治川口から、船を出した。

一  元治元年十一月二十六日、京都守護の任に当つてゐた、加州家の同勢は、折からの長州征伐に加はる為、国家老の長大隅守を大将にして、大阪の安治川口から、船を出した。

世評(一幕二場)菊池寛30分以内4,318

――よしと云ひあしと云はれつ難波がた       うきふししげき世を渡るかな―― 人物 所 時 凡て知れず。

――よしと云ひあしと云はれつ難波がた       うきふししげき世を渡るかな―― 人物 所 時 凡て知れず。

活人形泉鏡花1時間〜41,252

急病  系図  一寸手懸  宵にちらり  妖怪沙汰  乱れ髪  籠の囮  幻影  破廂  夫婦喧嘩  みるめ、かぐはな  無理 強迫  走馬燈  血の痕  火に入る虫  ※呀!  同士討  虐殺  二重の壁  赤城様――得三様  旭 [#改ページ] 一 急病  雲の峰は崩れて遠山の麓に靄薄く、見ゆる限りの野も山も海も夕陽の茜に染みて、遠近の森の梢に並ぶ夥多寺院の甍は眩く輝きぬ。

急病  系図  一寸手懸  宵にちらり  妖怪沙汰  乱れ髪  籠の囮  幻影  破廂  夫婦喧嘩  みるめ、かぐはな  無理 強迫  走馬燈  血の痕  火に入る虫  ※呀!  同士討  虐殺  二重の壁  赤城様――得三様  旭 [#改ページ] 一 急病  雲の峰は崩れて遠山の麓に靄薄く、見ゆる限りの野も山も海も夕陽の茜に染みて、遠近の森の梢に並ぶ夥多寺院の甍は眩く輝きぬ。

パアテル・セルギウスレオ・トルストイ1時間〜53,563

一  千八百四十何年と云ふ頃であつた。

一  千八百四十何年と云ふ頃であつた。

赤い駱駝梅崎春生30分以内11,886

まだ部隊にいた時分、潜水艦勤務を五年もやったという古参の特務中尉がいて、それがおれたちにときどき話を聞かせてくれたが、そのなかでこんな話が今でも深く頭にのこっている。

まだ部隊にいた時分、潜水艦勤務を五年もやったという古参の特務中尉がいて、それがおれたちにときどき話を聞かせてくれたが、そのなかでこんな話が今でも深く頭にのこっている。

文芸の哲学的基礎夏目漱石1時間〜49,597

東京美術学校文学会の開会式に一場の講演を依頼された余は、朝日新聞社員として、同紙に自説を発表すべしと云う条件で引き受けた上、面倒ながらその速記を会長に依頼した。

東京美術学校文学会の開会式に一場の講演を依頼された余は、朝日新聞社員として、同紙に自説を発表すべしと云う条件で引き受けた上、面倒ながらその速記を会長に依頼した。

天皇と競馬吉川英治5分以内1,099

五月五日には天皇賞レースがある。

五月五日には天皇賞レースがある。

ばけものばなし岸田劉生30分以内10,910

*  これは怪談をするのではない、ばけものについて、いろいろと考えた事や感じたこと等、思い出すままに描いてみようと思うのである。

*  これは怪談をするのではない、ばけものについて、いろいろと考えた事や感じたこと等、思い出すままに描いてみようと思うのである。

『心』予告夏目漱石5分以内81

今度は短篇をいくつか書いて見たいと思ひます、その一つ一つには違つた名をつけて行く積ですが予告の必要上全体の題が御入用かとも存じます故それを「心」と致して置きます。

今度は短篇をいくつか書いて見たいと思ひます、その一つ一つには違つた名をつけて行く積ですが予告の必要上全体の題が御入用かとも存じます故それを「心」と致して置きます。

青春の逆説織田作之助1時間〜164,509

第一部  二十歳 第一章 一  お君は子供のときから何かといえば跣足になりたがった。

第一部  二十歳 第一章 一  お君は子供のときから何かといえば跣足になりたがった。

虫の声永井荷風10分以内3,551

東京の町に生れて、そして幾十年という長い月日をここに送った……。

東京の町に生れて、そして幾十年という長い月日をここに送った……。

奇談クラブ〔戦後版〕野村胡堂60分以内12,126

プロローグ  奇談クラブその夜の話し手は、彫刻家の和久井献作でした。

プロローグ  奇談クラブその夜の話し手は、彫刻家の和久井献作でした。

湖南の扇芥川竜之介30分以内9,168

広東に生れた孫逸仙等を除けば、目ぼしい支那の革命家は、――黄興、蔡鍔、宋教仁等はいずれも湖南に生れている。

広東に生れた孫逸仙等を除けば、目ぼしい支那の革命家は、――黄興、蔡鍔、宋教仁等はいずれも湖南に生れている。

共産主義者の犯罪ギルバート・キース・チェスタートン60分以内20,610

三人の男がマンドビル学寮の柔らかい感じの正面にあるチュードル式の低いアーチの下から出てきて、いつ暮れるとも思えないような夏の夕方の日ざしをあびた。

三人の男がマンドビル学寮の柔らかい感じの正面にあるチュードル式の低いアーチの下から出てきて、いつ暮れるとも思えないような夏の夕方の日ざしをあびた。

老嬢と猫モーリス・ルヴェル30分以内4,667

その老嬢は毎朝、町の時計が六時を打つと家を出かけた。

その老嬢は毎朝、町の時計が六時を打つと家を出かけた。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内13,041

一  神田祭は九月十五日、十四日の宵宮は、江戸半分煮えくり返るような騒ぎでした。

一  神田祭は九月十五日、十四日の宵宮は、江戸半分煮えくり返るような騒ぎでした。

肉食之説福沢諭吉5分以内1,953

天地の間に生るゝ動物は肉食のものと肉を喰はざるものとあり。

天地の間に生るゝ動物は肉食のものと肉を喰はざるものとあり。

奇談クラブ〔戦後版〕野村胡堂60分以内13,376

プロローグ  話し手の望月辛吉は、有名なジレッタントで、レコードの蒐集家の一人として知られた男でした。

プロローグ  話し手の望月辛吉は、有名なジレッタントで、レコードの蒐集家の一人として知られた男でした。

母子像久生十蘭30分以内7,855

進駐軍、厚木キャンプの近くにある、聖ジョセフ学院中学部の初年級の担任教諭が、受持の生徒のことで、地区の警察署から呼出しを受けた。

進駐軍、厚木キャンプの近くにある、聖ジョセフ学院中学部の初年級の担任教諭が、受持の生徒のことで、地区の警察署から呼出しを受けた。

乱歩分析大下宇陀児30分以内8,502

畏友江戸川乱歩は、還暦のお祝いをしてもらうことを、たいそう喜び楽しんで待っている。

畏友江戸川乱歩は、還暦のお祝いをしてもらうことを、たいそう喜び楽しんで待っている。

軍国歌謡集山川方夫1時間〜40,079

私は人間が進歩したり、性格が一変したり、というようなことはあまり信じてはいない。

私は人間が進歩したり、性格が一変したり、というようなことはあまり信じてはいない。

銭形平次捕物控野村胡堂1時間〜30,728

一  錢形の平次は、椽側の日向に座布團を持出して、その上に大胡坐をかくと、女房のお靜は後ろに廻つて、片襷をしたまゝ、月代を剃つて居りました。

一  錢形の平次は、椽側の日向に座布團を持出して、その上に大胡坐をかくと、女房のお靜は後ろに廻つて、片襷をしたまゝ、月代を剃つて居りました。

荘子岡本かの子60分以内12,479

紀元前三世紀のころ、支那では史家が戦国時代と名づけて居る時代のある年の秋、魏の都の郊外櫟社の附近に一人の壮年=荘子が、木の葉を敷いて休んでいた。

紀元前三世紀のころ、支那では史家が戦国時代と名づけて居る時代のある年の秋、魏の都の郊外櫟社の附近に一人の壮年=荘子が、木の葉を敷いて休んでいた。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内14,849

一 「親分、大変なものを拾って来ましたぜ」  八五郎のガラッ八は、拇指を蝮にして、自分の肩越しに入口の方を指しながら、日本一の突き詰めた顔をするのでした。

一 「親分、大変なものを拾って来ましたぜ」  八五郎のガラッ八は、拇指を蝮にして、自分の肩越しに入口の方を指しながら、日本一の突き詰めた顔をするのでした。

屍体異変森於菟30分以内6,097

一 「解剖家は須らく困難に耐ゆる事仙人の如く技巧を凝らす事美術家の如く、しかも汚穢を厭わざる事豚の胃袋の如くなるべし。」之は解剖学の大先達のヒルトルの言である。

一 「解剖家は須らく困難に耐ゆる事仙人の如く技巧を凝らす事美術家の如く、しかも汚穢を厭わざる事豚の胃袋の如くなるべし。」之は解剖学の大先達のヒルトルの言である。

槍ヶ岳紀行芥川竜之介10分以内3,952

一  島々と云ふ町の宿屋へ着いたのは、午過ぎ――もう夕方に近い頃であつた。

一  島々と云ふ町の宿屋へ着いたのは、午過ぎ――もう夕方に近い頃であつた。

忘れ残りの記吉川英治1時間〜180,991

五石十人扶持  おもいがけない未知の人から、ぼくらは常々たくさんな手紙をうける。

五石十人扶持  おもいがけない未知の人から、ぼくらは常々たくさんな手紙をうける。

あいびき堀辰雄10分以内2,470

……一つの小径が生い茂った花と草とに掩われて殆ど消えそうになっていたが、それでもどうやら僅かにその跡らしいものだけを残して、曲りながらその空家へと人を導くのである。

……一つの小径が生い茂った花と草とに掩われて殆ど消えそうになっていたが、それでもどうやら僅かにその跡らしいものだけを残して、曲りながらその空家へと人を導くのである。

浮舟泉鏡花60分以内17,652

一 「浪花江の片葉の蘆の結ぼれかかり――よいやさ。」  と蹌踉として、 「これわいな。……いや、どっこいしょ。」  脱いで提げたる道中笠、一寸左手に持換えて、紺の風呂敷、桐油包、振分けの荷を両方、蝙蝠の憑物めかいて、振落しそうに掛けた肩を、自棄に前に突いて最一つ蹌踉ける。

一 「浪花江の片葉の蘆の結ぼれかかり――よいやさ。」  と蹌踉として、 「これわいな。……いや、どっこいしょ。」  脱いで提げたる道中笠、一寸左手に持換えて、紺の風呂敷、桐油包、振分けの荷を両方、蝙蝠の憑物めかいて、振落しそうに掛けた肩を、自棄に前に突いて最一つ蹌踉ける。

性格と表情小津安二郎5分以内1,416

表情がうまい、というだけでは、いけないと思うんだ。

表情がうまい、というだけでは、いけないと思うんだ。

禁断の死針野村胡堂10分以内3,566

「旦那様、これは又大した古疵で御座いますが、――さぞ、お若い時分の、勇ましい思い出でも御座いましょう」 「いや、そう言われると恥かしい、後ろ傷をと言うわけでは無いが、相手の刃物が伸びて、腰車を妙に背後へかけて斬られて居るから、人様の前でうっかり肌を脱ぐと、飛んだ変な目で見られることがある――」  本所割下水に住んで居る、浪人者の原口作左衛門、フト呼び入れた年若い按摩に、腰骨へ斜に残った古疵を見付け

「旦那様、これは又大した古疵で御座いますが、――さぞ、お若い時分の、勇ましい思い出でも御座いましょう」 「いや、そう言われると恥かしい、後ろ傷をと言うわけでは無いが、相手の刃物が伸びて、腰車を妙に背後へかけて斬られて居るから、人様の前でうっかり肌を脱ぐと、飛んだ変な目で見られることがある――」  本所割下水に住んで居る、浪人者の原口作左衛門、フト呼び入れた年若い按摩に、腰骨へ斜に残った古疵を見付け

子規居士と余高浜虚子1時間〜49,324

一  松山城の北に練兵場がある。

一  松山城の北に練兵場がある。

盗聴者アルジャーノン・ブラックウッド1時間〜25,069

九月四日――ロンドン中を歩き回った末、なんとか年収――百二十ポンド――に見合う下宿を発見した。

九月四日――ロンドン中を歩き回った末、なんとか年収――百二十ポンド――に見合う下宿を発見した。

復員坂口安吾5分以内387

四郎は南の島から復員した。

四郎は南の島から復員した。

妙齢泉鏡花5分以内1,756

雨の日のつれ/″\に、佛、教へてのたまはく、昔某の國に一婦ありて女を生めり。

雨の日のつれ/″\に、佛、教へてのたまはく、昔某の國に一婦ありて女を生めり。

赤膏薬岡本綺堂10分以内3,190

今から廿二三年前に上海で出版された「騙術奇談」といふ四巻の書がある。

今から廿二三年前に上海で出版された「騙術奇談」といふ四巻の書がある。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内18,321

一 「親分、お早やうございます。今日も暑くなりさうですね」  御馴染の八五郎、神妙に格子を開けて、見透しの六疊に所在なさの煙草にしてゐる錢形平次に聲を掛けました。

一 「親分、お早やうございます。今日も暑くなりさうですね」  御馴染の八五郎、神妙に格子を開けて、見透しの六疊に所在なさの煙草にしてゐる錢形平次に聲を掛けました。