5分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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祈祷 | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
黄菊はすでに散つてしまつた漕手よ船路を遠くかへつてくる時さびしい海鳥はますとに飛びかひ日は憂鬱の浪にただよふ。 | |||
記憶 | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
記憶をたとへてみれば記憶は雪のふるやうなものでしづかに生活の過去につもるうれしさ。 | |||
敵 | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
鶉や鷓鴣の飛びゆくかなたにふたたび白堊の城は現はれ風のやうに消えてしまつた。 | |||
近日所感 | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
朝鮮人あまた殺されその血百里の間に連なれりわれ怒りて視る、何の慘虐ぞ。 | |||
クリスマス | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
クリスマスとは何ぞや我が隣の子の羨ましきにそが高き窓をのぞきたり。 | |||
南京陥落の日に | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
歳まさに暮れんとして兵士の銃劍は白く光れり。 | |||
広瀬河畔を逍遥しつつ | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
物みなは歳日と共に亡び行く。 | |||
父の墓に詣でて | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
わが草木とならん日にたれかは知らむ敗亡の歴史を墓に刻むべき。 | |||
昔の小出新道にて | 萩原朔太郎 | 5分以内 | |
兵士の行軍の後に捨てられ破れたる軍靴のごとくに汝は路傍に渇けるかな。 | |||
月産五百台が我社の根本方針 | 豊田喜一郎 | 5分以内 | |
わが社の第一回販賣店協議會は去る四月廿七日午前十時半から刈谷の工場で開催されたが、同日午後の會議の席上常務豐田喜一郎氏は大要左の如き挨拶を爲し當工場の方針を明かにしたことは頗る注目を惹いた。 | |||
誤って健康を伝えられた同志たちに | 槙村浩 | 5分以内 | |
健康(1)の一語をかる/″\しく口にするな!健康(1)の錯誤は健康の犠牲よりいたましいこれほどわたしら共同の仕事の大きな邪魔者があろうか!どちらがより多く仕事が出来るか?獄内で坐っているわたしらにか、獄外で迫害に耐えているきみらにか?わたしらはいつもきみらの過誤と素朴と情熱とを愛したわたしらは出獄した時のきみらの仕事の成果をまじめに期待したその後をわたしらが引きついでやりぬくために!だが仕事をせぬために過誤せぬ... | |||
異郷なる中国の詩人たちに | 槙村浩 | 5分以内 | |
わたしらはあなたの国では、正しい詩人は舌をひっこぬかれると聞いたわたしらはなお聞いた―――資本をつなぐ軍部と軍閥の鉄道の上にひっこぬかれた詩人らの舌がわたしらの故郷の海のさん/\たる珊瑚珠のように、串刺しにしてさらされてあるのを荒らされた珠は、海の青さの海で真紅に燃えていたその一粒々々は揺れ合い折れ重なり、嵐の中で彼自身の地肌を完全に保存したわたしらえの侵害をあなたらの禦いだのには及ばなかったが根限りあなたらえの侵害を守ろうとし... | |||
京都帝国大学(十四行詩) | 槙村浩 | 5分以内 | |
十二の仮面のような頭蓋時計。 | |||
獄中のコンミューンの戦士の詩を憶って | 槙村浩 | 5分以内 | |
コンミューンの戦士をして墓の中より起たしめよ、よし東方の墓堀り人夫らが釘づけ、磐石の錘を据え置こうとわが森山啓氏が肩をすくめ、全身の力もて突立ち上る時あなたはアトラスのように地球の屈辱を荷わぬだろうかわたしは獄中で若い憂愁が瞼を襲うときいつもあなたのコンミューンの詩を想い出したそれはわたしらにとって無上の刺激剤だった苦難の時代をわりあい間違なく進みえたことについてわたしらは心からの感謝をあなたに捧げる... | |||
詩諷 | 槙村浩 | 5分以内 | |
「われ/\は諷射しよう!」と詩人大江鉄麿は、幅広いこめかみを引きつけて吃りながら言った「保留と伏字の泥沼で、編輯者が自分で自分の評判を悪くしたとき犬の詩を書く代りに書かすことが、ジャーナリズムの紹介業者たちの仕事となっているときわれ/\がみんな真面目な吃りであることを強いられているときわれ/\は正確に、そして効果的に吃ろう!刺すことは、敵の一卒を倒すだろうだが散兵壕はいま大量屠殺のまっさいちゅうだわれ/\が射程を拡大しなけ... | |||
同志下司順吉 | 槙村浩 | 5分以内 | |
―――同志よ固く結べ生死を共にせん―――いかなる迫害にもあくまで屈せずに―――われら若き兵士プロレタリアのそれは牢獄の散歩の時間だった独房の前で彼のトランクを小脇に抱えているむかしの友同志下司と彼の口笛に七年ぶりで出あったのは!彼は勇敢な、おとなしい、口笛の上手な少年だっただが夏の朝の澄明さに似たあわたゞしい生活が流れてから境遇と政治の過流が私たちを異った都市と都市との地下に埋めたそして今日――... | |||
野兎の歌 | 槙村浩 | 5分以内 | |
(ふん、芸術家ってものは、獄中ですらきれ/″\ながら守りたてゝいる組織を、あまり勝手に外で、解散しすぎるぢゃないか。 | |||
シュレジェンの織工によせて | 槙村浩 | 5分以内 | |
おなじみの古調でハイネはしみじみとシュレジェンの織工の歌をぼくに告げた無慈悲な神々、王と、不実な祖国とえ三重の呪咀を織りこんだむかしの労働者の歌をその后ぼくは皇帝の監獄部屋で皇帝の親衛兵たちのボロを解きながら皇帝の緋色の衣装を拝受したこのマンチュリアの婦人服に似た着衣は皇帝の女囚によって織られた三重の呪咀は、高貴な織物の一片々々にしみわたっていた僕は毎朝監守の前で、わざとおどけた小供のような情熱をもってこの筒っぽの着更... | |||
トヨタ自動車一周年を迎へて | 豊田喜一郎 | 5分以内 | |
昨年[一九三五年]十一月二十一日にトヨタ自動車が始めて形となつて皆樣の前に表はれたのでございますが、當時、私はノツピキならぬ用事のため、滿洲に旅行して居りました。 | |||
田木繁に | 槙村浩 | 5分以内 | |
(前半紛失)このエピソードを思い出すたびに、わたしらはなぜか最近のあなたの詩を思い出さずにはいられない昔のあなたの「拷問に耐える歌」が、あんなに愛誦されている同志田木繁、こんな猫が、あなたの地区の工場の行きすがりに、ふっと道を横ぎりはせぬだろうか自分自身に限界性をくぎるたびに、何かしらこんなものかと思い出してくるものだ昔のあなたの「拷問に耐える歌」が、あんなに愛誦されている世の中にあの記録的な「松ヶ鼻の渡し」の闘いを、なぜまた精悍に開始し... | |||
BOITEUX ・ BOITEUSE | 李箱 | 5分以内 | |
長イモノ短イモノ十文字×然シ CROSS ニハ油ガツイテイタ墜落已ムヲ得ナイ平行物理的ニ痛クアツタ(以上平面幾何学)×をれんぢ大砲匍匐×若シ君ガ重症ヲ負フタトシテモ血ヲ流シタトスレバ味気ナイおー沈黙ヲ打撲シテホシイ沈黙ヲ如何ニ打撲シテ俺ハ洪水ノヨウニ騒乱スベキカ沈黙ハ沈黙... | |||
LE URINE | 李箱 | 5分以内 | |
焔の様な風が吹いたけれどもけれども氷の様な水晶体はある。 | |||
▽ノ遊戯―― | 李箱 | 5分以内 | |
紙製ノ蛇ガ紙製ノ蛇デアルトスレバ▽ハ蛇デアル▽ハ踊ツタ▽ノ笑ヒヲ笑フノハ破格デアツテ可笑シクアツタすりつぱガ地面ヲ離レナイノハ余リ鬼気迫ルコトダ▽ノ目ハ冬眠デアル▽ハ電燈ヲ三等ノ太陽ト知ル×▽ハ何所ヘ行ツタカココハ煙突ノてつ片デアルカ俺ノ呼吸ハ平常デアル而シテたんぐすてんハ何デアルカ(何ンデモナイ)屈曲シタ直線ソレハ白金ト反射係数ヲ相等シクスル... | |||
異常ナ可逆反応 | 李箱 | 5分以内 | |
任意ノ半径ノ円(過去分詞ノ相場)円内ノ一点ト円外ノ一点トヲ結ビ付ケタ直線二種類ノ存在ノ時間的影響性(ワレワレハコノコトニツイテムトンチヤクデアル)直線ハ円ヲ殺害シタカ顕微鏡ソノ下ニ於テハ人工モ自然ト同ジク現象サレタ。 | |||
運動 | 李箱 | 5分以内 | |
一階の上の二階の上の三階の上の屋上庭園に上つて南を見ても何もないし北を見ても何もないから屋上庭園の下の三階の下の二階の下の一階へ下りて行つたら東から昇つた太陽が西へ沈んで東から昇つて西へ沈んで東から昇つて西へ沈んで東から昇つて空の真中に来ているから時計を出して見たらとまつてはいるが時間は合つているけれども時計はおれよりも若いじやないかと云ふよりはおれは時計よりも老つているじやないとどうしても思はれるのはきつとさうであるに違ひないからおれは時計をすてゝしまつた。 | |||
顔 | 李箱 | 5分以内 | |
ひもじい顔を見る。 | |||
興行物天使 | 李箱 | 5分以内 | |
整形外科はヲンナの目を引き裂いてとてつもなく老ひぼれた曲芸象の目にしてしまつたのである。 | |||
狂女の告白 | 李箱 | 5分以内 | |
ヲンナであある(ママ)S子様には本当に気の毒です。 | |||
線に関する覚書1 | 李箱 | 5分以内 | |
12345678901●●●●●●●●●●2●●●●●●●●●●3●●●●●●●●●●4●●●●●●●●●●5●●●●●●●●●●6●●●●●●●●●●7●●●●●●●●●●8●●●●●●●●●●9●●●●●●●●●●0●●●●●●●●●●(宇宙は羃に依る羃に依る)(人は数字を捨てよ)(静かにオレを電子の陽子にせよ)スペクトル軸X軸Y軸Z速度 ... | |||
空腹―― | 李箱 | 5分以内 | |
右手ニ菓子袋ガナイト云ツテ左手ニ握ラレテアル菓子袋ヲ探シニ今来タ道ヲ五里モ逆戻リシタ×コノ手ハ化石シタコノ手ハ今ハモウ何物モ所有シタクモナイ所有セルモノノ所有セルコトヲ感ジルコトヲモシナイ×今落チツツアルモノガ雪ダトスレバ今落チタ俺ノ涙ハ雪デアルベキダ俺ノ内面ト外面トコノコトノ系統デアルアラユル中間ラハ恐ロシク寒イ左右コノ両側ノ手ラガオ互ノ義理ヲ忘レテ再ビト握手スルコトハ... | |||
神経質に肥満した三角形 | 李箱 | 5分以内 | |
▽よ角力に勝つた経験はどれ丈あるか。 | |||
線に関する覚書2 | 李箱 | 5分以内 | |
1+33+3+1+31+33+1+31+33+3+3+1+3線上の一点A線上の一点B線上の一点CA+B+C=AA+B+C=BA+B+C=C二線の交点A三線の交点B数線の交点C3+1+31+33+3+1+33+3+1+31+31+33+1... | |||
線に関する覚書3 | 李箱 | 5分以内 | |
1231●●●2●●●3●●●323●●●2●●●1●●●∴nPn=n(n−1)(n−2)……(n−n+1)(脳髄は扇子の様に円迄開いた、そして完全に廻転した)一九三一、九、一一。 | |||
線に関する覚書4 | 李箱 | 5分以内 | |
弾丸が一円※を走つた(弾丸が一直線に走つたにおける誤謬らの修正)正六砂糖(角砂糖のこと)瀑筒の海綿質填充(瀑布の文学的解説)一九三一、九、一二。 | |||
線に関する覚書5 | 李箱 | 5分以内 | |
人は光よりも迅く逃げると人は光を見るか、人は光を見る、年齢の真空において二度結婚する、三度結婚するか、人は光よりも迅く逃げよ。 | |||
線に関する覚書6 | 李箱 | 5分以内 | |
数字の方位学数字の力学時間性(通俗思考に依る歴史性)速度と座標と速度etc人は静力学の現象しないことゝ同じくあることの永遠の仮設である、人は人の客観を捨てよ。 | |||
線に関する覚書7 | 李箱 | 5分以内 | |
空気構造の速度―音波に依る―速度らしく三百三十メートルを模倣する(何んと光に比しての甚だしき劣り方だらう)光を楽めよ、光を悲しめよ、光を笑へよ、光を泣けよ。 | |||
破片ノ景色―― | 李箱 | 5分以内 | |
俺は仕方ナク泣イタ電燈ガ煙草ヲフカシタ▽ハデアル×▽ヨ!俺ハ苦シイ俺ハ遊ブ▽ノすりつぱーハ菓子ト同ジデナイ如何ニ俺ハ泣ケバヨイノカ×淋シイ野原ヲ懐ヒ淋シイ雪ノ日ヲ懐ヒ俺ノ皮膚ヲ思ハナイ記憶ニ対シテ俺ハ剛体デアルホントウニ「一緒に歌ひなさいませ」ト云ツテ俺ノ膝ヲ叩イタ筈ノコトニ対シテ▽ハ俺ノ夢デアルすてつき!君ハ淋... | |||
ひげ―― | 李箱 | 5分以内 | |
目ガアツテ居ナケレバナラナイ筈ノ場所ニハ森林デアル笑ヒガ在ツテ居タ2人参3あめりかノ幽霊ハ水族館デアルガ非常ニ流麗デアルソレハ陰欝デデ(ママ)モァルコトダ4渓流ニテ――乾燥シタ植物性デアル秋5一小隊ノ軍人ガ東西ノ方向ヘト前進シタト云フコトハ無意味ナコトデナケレバナラナイ運動場ガ破裂シ亀裂スルバカリデアルカラ6三心円7粟ヲツメタめりけん袋... | |||
二人‥‥1‥‥ | 李箱 | 5分以内 | |
キリストは見窄らしい着物で説教を始めた。 | |||
二人‥‥2‥‥ | 李箱 | 5分以内 | |
アアルカアボネの貨幣は迚も光沢がよくメダルにしていゝ位だがキリストの貨幣は見られぬ程貧弱で何しろカネと云ふ資格からは一歩も出ていない。 | |||
横浜市歌 | 森林太郎 | 5分以内 | |
わが日の本は島国よ朝日かがよう海に連りそばだつ島々なればあらゆる国より舟こそ通えされば港の数多かれどこの横浜にまさるあらめやむかし思えばとま屋の煙ちらりほらりと立てりし処今はもも舟もも千舟泊る処ぞ見よや果なく栄えて行くらんみ代を飾る宝も入りくる港。 | |||
AU MAGASIN DE NOUVEAUTES | 李箱 | 5分以内 | |
四角の中の四角の中の四角の中の四角の中の四角。 | |||
且8氏の出発 | 李箱 | 5分以内 | |
亀裂の入つた荘稼泥地に一本の棍棒を挿す。 | |||
出版法 | 李箱 | 5分以内 | |
※虚偽告発と云ふ罪目が僕に死刑を言渡した。 | |||
二十二年 | 李箱 | 5分以内 | |
前後左右を除く唯一の痕跡に於ける翼段不逝目大不覩胖矮小形の神の眼前に我は落傷した故事を有つ。 | |||
熱河略図 No.2 | 李箱 | 5分以内 | |
1931年の風雲を寂しく語つてゐるタンクが早晨の大霧に赭く錆びついてゐる。 | |||
真昼 | 李箱 | 5分以内 | |
○ELEVATER FOR AMERICA.○三羽の鶏は蛇紋石の階段である。 | |||
『東洋自由新聞』第一号社説 | 中江兆民 | 5分以内 | |
吾儕(わがせい)のこの新聞紙を発兌するや、まさに以て海内三千五百万の兄弟とともに共に向上の真理を講求して、以て国家に報効するあらんと欲せんとするなり。 | |||
草舎にて | 三好達治 | 5分以内 | |
めじろめじろめじろ冬の端山を渡りくるめじろの群れのおしやべりは……それはまるで夏の日の日の暮れ方、とある街角をくる風鈴賣りの、あの毀れ易い硝子の器を百も吊るした、人の肩に擔はれてくる小さな輕い華やかな店さきの、音樂!その商品の一つ一つが互に囁きあつてゐる、ひそやかなれども騷がしい、いつも一つのものでありながら、けれども單調といふのでない、即興歌のより集り。 |