運動
李箱
『運動』は青空文庫で公開されている李箱の短編作品。248文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 248文字 |
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書き出し書出 | 一階の上の二階の上の三階の上の屋上庭園に上つて南を見ても何もないし北を見ても何もないから屋上庭園の下の三階の下の二階の下の一階へ下りて行つたら東から昇つた太陽が西へ沈んで東から昇つて西へ沈んで東から昇つて西へ沈んで東から昇つて空の真中に来ているから時計を出して見たらとまつてはいるが時間は合つているけれども時計はおれよりも若いじやないかと云ふよりはおれは時計よりも老つているじやないとどうしても思はれるのはきつとさうであるに違ひないからおれは時計をすてゝしまつた。 |
初出 | 「朝鮮と建築 第十集第八号」朝鮮建築会、1931(昭和6)年8月 |
底本 | 李箱作品集成 |
表記 | 新字旧仮名 |
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