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泉鏡花の全作品

青空文庫で公開されている泉鏡花の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
貝の穴に河童の居る事泉鏡花
60分以内
雨を含んだ風がさっと吹いて、磯(いそ)の香が満ちている――今日は二時頃から、ずッぷりと、一降り降ったあとだから、この雲の累った空合では、季節で蒸暑かりそうな処を、身に沁(し)みるほどに薄寒い。
紅玉泉鏡花
60分以内
時。
錦染滝白糸泉鏡花
30分以内
場所。
七宝の柱泉鏡花
30分以内
山吹つつじが盛だのに、その日の寒さは、俥(くるま)の上で幾度も外套の袖をひしひしと引合せた。
若菜のうち泉鏡花
10分以内
春の山――と、優に大きく、申出でるほどの事ではない。
栃の実泉鏡花
30分以内
朝六つの橋を、その明方に渡った――この橋のある処は、いま麻生津という里である。
玉川の草泉鏡花
10分以内
――これは、そゞろな秋のおもひでである。
売色鴨南蛮泉鏡花
60分以内
はじめ、目に着いたのは――ちと申兼ねるが、――とにかく、緋縮緬であった。
みさごの鮨泉鏡花
1時間〜
「旦那さん、旦那さん。
鷭狩泉鏡花
60分以内
初冬の夜更である。
木の子説法泉鏡花
60分以内
「――鱧(はも)あみだ仏、はも仏と唱うれば、鮒(ふな)らく世界に生れ、鯒(こち)へ鯒へと請ぜられ……仏と雑魚して居べし。
半島一奇抄泉鏡花
60分以内
「やあ、しばらく。
古狢泉鏡花
60分以内
「しゃッ、しゃッ、しゃあっ!……」寄席のいらっしゃいのように聞こえるが、これは、いざいざ、いでや、というほどの勢いの掛声と思えば可い。
小春の狐泉鏡花
60分以内
朝――この湖の名ぶつと聞く、蜆(しじみ)の汁で。
逗子より泉鏡花
10分以内
拝啓、愚弟におんことづけの儀承り候。
白い下地泉鏡花
5分以内
色といえば、恋とか、色情とかいう方面に就いての題目ではあろうが、僕は大に埒外に走って一番これを色彩という側に取ろう、そのかわり、一寸仇ッぽい。
当世女装一斑泉鏡花
30分以内
こゝに先づ一個の裸美人ありと仮定せよ、一代女に記したる、(年紀は十五より十八まで、当世顔は少し丸く、色は薄花桜にして面道具の四つ不足なく揃ひて、目は細きを好まず、眉濃く、鼻の間せはしからず次第高に、口小さく、歯並あら/\として皓(しろ)く、耳長みあつて縁浅く、身を離れて根まで見透き、額はわざとならず自然の生えどまり、首筋立伸びて後れなしの後髪、手の指はたよわく長みあつて爪薄く、足は八文三分に定め、親指反つて裏すきて、胴間常の人より長く、腰しまりて肉置逞ましからず、尻付豊かに、物腰衣裳つき...
海の使者泉鏡花
30分以内
上何心なく、背戸の小橋を、向こうの蘆(あし)へ渡りかけて、思わず足を留めた。
凱旋祭泉鏡花
30分以内
紫の幕、紅の旗、空の色の青く晴れたる、草木の色の緑なる、唯うつくしきものの弥が上に重なり合ひ、打混じて、譬(たと)へば大なる幻燈の花輪車の輪を造りて、烈しく舞出で、舞込むが見え候のみ。
女客泉鏡花
30分以内
「謹さん、お手紙、」と階子段から声を掛けて、二階の六畳へ上り切らず、欄干に白やかな手をかけて、顔を斜に覗(のぞ)きながら、背後向きに机に寄った当家の主人に、一枚を齎(もた)らした。
妖僧記泉鏡花
30分以内
加賀の国黒壁は、金沢市の郊外一里程の処にあり、魔境を以て国中に鳴る。
陽炎座泉鏡花
1時間〜
「ここだ、この音なんだよ。
革鞄の怪泉鏡花
60分以内
「そんな事があるものですか。
唄立山心中一曲泉鏡花
1時間〜
「ちらちらちらちら雪の降る中へ、松明がぱっと燃えながら二本――誰も言うことでございますが、他にいたし方もありませんや。
菎蒻本泉鏡花
60分以内
如月のはじめから三月の末へかけて、まだしっとりと春雨にならぬ間を、毎日のように風が続いた。
第二菎蒻本泉鏡花
60分以内
雪の夜路の、人影もない真白な中を、矢来の奥の男世帯へ出先から帰った目に、狭い二階の六畳敷、机の傍なる置炬燵に、肩まで入って待っていたのが、するりと起直った、逢いに来た婦の一重々々、燃立つような長襦袢ばかりだった姿は、思い懸けずもまた類なく美しいものであった。
白金之絵図泉鏡花
1時間〜
片側は空も曇って、今にも一村雨来そうに見える、日中も薄暗い森続きに、畝り畝り遥々(はるばる)と黒い柵を繞(めぐ)らした火薬庫の裏通、寂しい処をとぼとぼと一人通る。
茸の舞姫泉鏡花
60分以内
「杢(もく)さん、これ、何?……」と小児が訊(き)くと、真赤な鼻の頭を撫(な)でて、「綺麗な衣服だよう。
南地心中泉鏡花
1時間〜
「今のは、」初阪ものの赤毛布、という処を、十月の半ば過ぎ、小春凪で、ちと逆上せるほどな暖かさに、下着さえ襲ねて重し、野暮な縞(しま)も隠されず、頬被りがわりの鳥打帽で、朝から見物に出掛けた……この初阪とは、伝え聞く、富士、浅間、大山、筑波、はじめて、出立つを初山と称うるに傚(なら)って、大阪の地へ初見参という意味である。
灯明之巻泉鏡花
1時間〜
「やあ、やまかがしや蝮(まむし)が居るぞう、あっけえやつだ、気をつけさっせえ。
神鷺之巻泉鏡花
1時間〜
白鷺明神の祠(ほこら)へ――一緑の森をその峰に仰いで、小県銑吉がいざ詣でようとすると、案内に立ちそうな村の爺さんが少なからず難色を顕わした。
開扉一妖帖泉鏡花
60分以内
ただ仰向けに倒れなかったばかりだったそうである、松村信也氏――こう真面目に名のったのでは、この話の模様だと、御当人少々極りが悪いかも知れない。
縷紅新草泉鏡花
1時間〜
あれあれ見たか、あれ見たか。
縁結び泉鏡花
60分以内
襖(ふすま)を開けて、旅館の女中が、「旦那、」と上調子の尻上りに云(い)って、坐(すわ)りもやらず莞爾(にっこり)と笑いかける。
月令十二態泉鏡花
10分以内
一月山嶺の雪なほ深けれども、其(そ)の白妙に紅の日や、美しきかな玉の春。
山の手小景泉鏡花
10分以内
矢來町「お美津、おい、一寸、あれ見い。
寸情風土記泉鏡花
30分以内
金澤の正月は、お買初め、お買初めの景氣の好い聲(こゑ)にてはじまる。
逗子だより泉鏡花
5分以内
夜は、はや秋の螢(ほたる)なるべし、風に稻葉のそよぐ中を、影淡くはら/\とこぼるゝ状あはれなり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より泉鏡花
5分以内
櫻山に夏鶯音を入れつゝ、岩殿寺の青葉に目白鳴く。
森の紫陽花泉鏡花
10分以内
千駄木の森の夏ぞ晝(ひる)も暗き。
鉄槌の音泉鏡花
5分以内
天未に闇し。
迷子泉鏡花
10分以内
お孝が買物に出掛ける道だ。
弥次行泉鏡花
30分以内
今は然る憂慮なし。
城崎を憶ふ泉鏡花
30分以内
雨が、さつと降出した、停車場へ着いた時で――天象は卯(う)の花くだしである。
化銀杏泉鏡花
1時間〜
貸したる二階は二間にして六畳と四畳半、別に五畳余りの物置ありて、月一円の極なり。
琵琶伝泉鏡花
60分以内
新婦が、床杯をなさんとて、座敷より休息の室に開きける時、介添の婦人はふとその顔を見て驚きぬ。
湯女の魂泉鏡花
1時間〜
誠に差出がましく恐入りますが、しばらく御清聴を煩わしまする。
政談十二社泉鏡花
1時間〜
東京もはやここは多摩の里、郡の部に属する内藤新宿の町端に、近頃新開で土の色赤く、日当のいい冠木門から、目のふちほんのりと酔を帯びて、杖を小脇に、つかつかと出た一名の瀟洒(しょうしゃ)たる人物がある。
照葉狂言泉鏡花
1時間〜
鞠唄二坪に足らぬ市中の日蔭の庭に、よくもこう生い立ちしな、一本の青楓、塀の内に年経たり。
伊勢之巻泉鏡花
60分以内
昔男と聞く時は、今も床しき道中姿。
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