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当世女装一斑

泉鏡花

『当世女装一斑』は青空文庫で公開されている泉鏡花の短編作品。4,847文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
4,847文字
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書出

こゝに先づ一個の裸美人ありと仮定せよ、一代女に記したる、(年紀は十五より十八まで、当世顔は少し丸く、色は薄花桜にして面道具の四つ不足なく揃ひて、目は細きを好まず、眉濃く、鼻の間せはしからず次第高に、口小さく、歯並あら/\として皓(しろ)く、耳長みあつて縁浅く、身を離れて根まで見透き、額はわざとならず自然の生えどまり、首筋立伸びて後れなしの後髪、手の指はたよわく長みあつて爪薄く、足は八文三分に定め、親指反つて裏すきて、胴間常の人より長く、腰しまりて肉置逞ましからず、尻付豊かに、物腰衣裳つき...

初出
底本日本の名随筆38 装
表記
新字旧仮名
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