山本周五郎の全作品

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
女は同じ物語山本周五郎60分以内21,693

一 「まあ諦めるんだな、しょうがない、安永の娘をもらうんだ」と竜右衛門がその息子に云った、「どんな娘でも、結婚してしまえば同じようなものだ、娘のうちはいろいろ違うようにみえる、或る意味では慥かに違うところもある、が、或る意味では、女はすべて同じようなものだ、おまえのお母さんと、枝島の叔母さんを比べてみろ、――私は初めはお母さんよりも、枝島の、……いや、まあいい」と竜右衛門は云った、「とにかく、私

一 「まあ諦めるんだな、しょうがない、安永の娘をもらうんだ」と竜右衛門がその息子に云った、「どんな娘でも、結婚してしまえば同じようなものだ、娘のうちはいろいろ違うようにみえる、或る意味では慥かに違うところもある、が、或る意味では、女はすべて同じようなものだ、おまえのお母さんと、枝島の叔母さんを比べてみろ、――私は初めはお母さんよりも、枝島の、……いや、まあいい」と竜右衛門は云った、「とにかく、私

無頼は討たず山本周五郎30分以内11,739

一  浅黄色にくっきり晴れた空だ。

一  浅黄色にくっきり晴れた空だ。

桑の木物語山本周五郎1時間〜40,361

一  その藩に伝わっている「杏花亭筆記」という書物には、土井悠二郎についてあらまし次のように記している。

一  その藩に伝わっている「杏花亭筆記」という書物には、土井悠二郎についてあらまし次のように記している。

明暗嫁問答山本周五郎60分以内20,819

養子  備後のくに福山藩、阿部伊予守十万石の国家老に高滝勘太夫という老人がいた。

養子  備後のくに福山藩、阿部伊予守十万石の国家老に高滝勘太夫という老人がいた。

お繁山本周五郎30分以内6,973

一  曇日であった。

一  曇日であった。

醜聞山本周五郎60分以内23,155

一  苅田壮平はなめらかに話した。

一  苅田壮平はなめらかに話した。

正体山本周五郎30分以内7,450

龍助危篤という電報を手にしたとき、津川は電文の意味を知るよりも佐知子に会えるなと思うほうがさきだった。

龍助危篤という電報を手にしたとき、津川は電文の意味を知るよりも佐知子に会えるなと思うほうがさきだった。

日本婦道記山本周五郎30分以内8,782

一 「そういう高価なものは困りますよ、そちらの鮒を貰っておきましょう」  書庫へ本を取りにいった戻りにふとそういう妻の声をきいて、太宰は廊下の端にたちどまった。

一 「そういう高価なものは困りますよ、そちらの鮒を貰っておきましょう」  書庫へ本を取りにいった戻りにふとそういう妻の声をきいて、太宰は廊下の端にたちどまった。

夕靄の中山本周五郎30分以内9,647

一  彼は立停って、跼み、草履の緒のぐあいを直す恰好で、すばやくそっちへ眼をはしらせた。

一  彼は立停って、跼み、草履の緒のぐあいを直す恰好で、すばやくそっちへ眼をはしらせた。

半之助祝言山本周五郎60分以内22,471

一  折岩半之助が江戸から着任した。

一  折岩半之助が江戸から着任した。

蛮人山本周五郎30分以内6,824

貝殻を焼いて石灰をつくる工場が中堀から荒地へ出はずれたところにあった。

貝殻を焼いて石灰をつくる工場が中堀から荒地へ出はずれたところにあった。

評釈勘忍記山本周五郎60分以内17,906

一  駒田紋太夫は癇癖の強い理屈好きな老人であるが、酒がはいってるときはものわかりのよい人情家になる。

一  駒田紋太夫は癇癖の強い理屈好きな老人であるが、酒がはいってるときはものわかりのよい人情家になる。

鼓くらべ山本周五郎30分以内8,721

一  庭さきに暖い小春日の光が溢れていた。

一  庭さきに暖い小春日の光が溢れていた。

三悪人物語山本周五郎1時間〜29,445

一  井住のくに佐貝は中世日本における唯一の自由都市であった。

一  井住のくに佐貝は中世日本における唯一の自由都市であった。

柿山本周五郎60分以内12,973

一 「おい牧野、起きないか」 「勘弁して呉れ、本当にもう駄目だ」 「……仕様がないな」  起しあぐねて兵馬は振返った。

一 「おい牧野、起きないか」 「勘弁して呉れ、本当にもう駄目だ」 「……仕様がないな」  起しあぐねて兵馬は振返った。

花咲かぬリラ山本周五郎60分以内18,589

一  軍服を着た肩のたくましい背丈の眼だって高い青年が、大股のひどく特徴のある歩きつきで麻布片町坂を下りて来た。

一  軍服を着た肩のたくましい背丈の眼だって高い青年が、大股のひどく特徴のある歩きつきで麻布片町坂を下りて来た。

合歓木の蔭山本周五郎60分以内13,883

一  誰かが自分を見ている。

一  誰かが自分を見ている。

饒舌りすぎる山本周五郎1時間〜28,300

一  奉行職記録所の役部屋へ、小野十太夫がはいって来る。

一  奉行職記録所の役部屋へ、小野十太夫がはいって来る。

天狗岩の殺人魔山本周五郎30分以内8,947

いよいよこの村へも殺人鬼 「伯父さん大変だ、凄い記事ですぜ」  扉を蹴放すような勢でとび込んで来た祐吉は、新聞を片手に振廻しながら、 「殺人鬼権六! 当地へ潜入せり、銀行家宮橋多平氏脅迫さる、脅迫状には五千円を要求しあり、当地住民は恐怖動揺を来し、警察当局もまた非常警戒に任じたり」 「うるさい、うるさい!」  平野大造氏は手を振って制した。

いよいよこの村へも殺人鬼 「伯父さん大変だ、凄い記事ですぜ」  扉を蹴放すような勢でとび込んで来た祐吉は、新聞を片手に振廻しながら、 「殺人鬼権六! 当地へ潜入せり、銀行家宮橋多平氏脅迫さる、脅迫状には五千円を要求しあり、当地住民は恐怖動揺を来し、警察当局もまた非常警戒に任じたり」 「うるさい、うるさい!」  平野大造氏は手を振って制した。

ちゃん山本周五郎60分以内22,746

一  その長屋の人たちは、毎月の十四日と晦日の晩に、きまって重さんのいさましいくだを聞くことができた。

一  その長屋の人たちは、毎月の十四日と晦日の晩に、きまって重さんのいさましいくだを聞くことができた。

松風の門山本周五郎60分以内12,951

一  その洞窟は谿谷にのぞむ断崖の上にあった。

一  その洞窟は谿谷にのぞむ断崖の上にあった。

みずぐるま山本周五郎1時間〜27,473

一  明和五年の春二月。

一  明和五年の春二月。

内蔵允留守山本周五郎60分以内12,256

一  岡田虎之助は道が二岐になっているところまで来て立ちどまり、じっとりと汗の滲み出ている白い額を、手の甲で押し拭いながら、笠をあげて当惑そうに左右を眺めやった。

一  岡田虎之助は道が二岐になっているところまで来て立ちどまり、じっとりと汗の滲み出ている白い額を、手の甲で押し拭いながら、笠をあげて当惑そうに左右を眺めやった。

古今集巻之五山本周五郎60分以内21,761

一 岡本五郎太の手記  寛延二年三月八日の夕方五時から、石浜の「ふくべ」で永井主計のために送別の宴を催した。

一 岡本五郎太の手記  寛延二年三月八日の夕方五時から、石浜の「ふくべ」で永井主計のために送別の宴を催した。

幽霊屋敷の殺人山本周五郎30分以内9,326

謎の白堊館 「どうだね龍介!」  晩餐のあとの珈琲を啜っていた春田博士は、龍介少年を見ながら、読んでいた新聞紙を投げだして話しかけた。

謎の白堊館 「どうだね龍介!」  晩餐のあとの珈琲を啜っていた春田博士は、龍介少年を見ながら、読んでいた新聞紙を投げだして話しかけた。

末っ子山本周五郎1時間〜27,956

一 彼に対する一族の評  祖父の(故)小出鈍翁は云った。

一 彼に対する一族の評  祖父の(故)小出鈍翁は云った。

屏風はたたまれた山本周五郎60分以内12,077

一  吉村弥十郎はその手紙を三度もらって、三度とも読むとすぐに捨てた。

一  吉村弥十郎はその手紙を三度もらって、三度とも読むとすぐに捨てた。

恋の伝七郎山本周五郎1時間〜29,062

歌舞伎役者もはだしの美男 「みんなどうした、そんな隅の方へ引込んでしまってどうしようというんだ」村松銀之丞は竹刀に素振りをくれながら、端麗な顔でぐるっとまわりを見まわした、「道場は剣術の稽古をする所で居眠りをする場所じゃあない、さあおれが揉んでやるから出て来い、そこにいる松井、おまえ出ろ」「いや、いや拙者はちょっと頭が痛いもんで」松井某は片手で額を押えながら慌てて後へ退った。

歌舞伎役者もはだしの美男 「みんなどうした、そんな隅の方へ引込んでしまってどうしようというんだ」村松銀之丞は竹刀に素振りをくれながら、端麗な顔でぐるっとまわりを見まわした、「道場は剣術の稽古をする所で居眠りをする場所じゃあない、さあおれが揉んでやるから出て来い、そこにいる松井、おまえ出ろ」「いや、いや拙者はちょっと頭が痛いもんで」松井某は片手で額を押えながら慌てて後へ退った。

豹山本周五郎30分以内6,775

月見山で電車を下りると、いつもひっそりしている道の上に、ざわざわと人の動くのが見えた。

月見山で電車を下りると、いつもひっそりしている道の上に、ざわざわと人の動くのが見えた。

竹柏記山本周五郎1時間〜46,606

一の一  城からさがった孝之助が、父の病間へ挨拶にいって、着替えをしに居間へはいると、家扶の伊部文吾が来て、北畠から使いがあったと低い声で云った。

一の一  城からさがった孝之助が、父の病間へ挨拶にいって、着替えをしに居間へはいると、家扶の伊部文吾が来て、北畠から使いがあったと低い声で云った。

その木戸を通って山本周五郎60分以内22,765

一  平松正四郎が事務をとっていると、老職部屋の若い付番が来て、平松さん田原さまがお呼びですと云った。

一  平松正四郎が事務をとっていると、老職部屋の若い付番が来て、平松さん田原さまがお呼びですと云った。

彩虹山本周五郎60分以内14,335

一 「……ひと夜も逢わぬものならば、二た重の帯をなぜ解いた、それがゆかりの竜田山、顔の紅葉で知れたとや……」  さびのあるというのだろう、しめやかにおちついた佳い声である。

一 「……ひと夜も逢わぬものならば、二た重の帯をなぜ解いた、それがゆかりの竜田山、顔の紅葉で知れたとや……」  さびのあるというのだろう、しめやかにおちついた佳い声である。

山だち問答山本周五郎60分以内16,360

一  追手門を出ると、遠い空でかみなりが鳴りだした。

一  追手門を出ると、遠い空でかみなりが鳴りだした。

菊千代抄山本周五郎1時間〜36,658

一  菊千代は巻野越後守貞良の第一子として生れた。

一  菊千代は巻野越後守貞良の第一子として生れた。

霜柱山本周五郎60分以内14,545

一 「繁野という老職を知っているか」 「繁野、――」石沢金之助は筆を止めて、次永喜兵衛を見あげた、「老職には二人いるが、どうかしたのか」 「としよりの家老のほうだ」 「御家老なら兵庫どのだろう、むろん知っているが、それがどうした」 「おれはつくづく」と云いかけて、喜兵衛は石沢の机へ手を振った、「もう片づくんじゃないのか」 「そう思っていたところだ」 「じゃあ下城してから話そう」と喜兵衛は云った、

一 「繁野という老職を知っているか」 「繁野、――」石沢金之助は筆を止めて、次永喜兵衛を見あげた、「老職には二人いるが、どうかしたのか」 「としよりの家老のほうだ」 「御家老なら兵庫どのだろう、むろん知っているが、それがどうした」 「おれはつくづく」と云いかけて、喜兵衛は石沢の机へ手を振った、「もう片づくんじゃないのか」 「そう思っていたところだ」 「じゃあ下城してから話そう」と喜兵衛は云った、

松林蝙也山本周五郎60分以内12,405

一  松林蝙也、通称を左馬助という。

一  松林蝙也、通称を左馬助という。

枡落し山本周五郎1時間〜34,133

一  ――ねえ、死にましょうよ、とおうめが思いつめたように云った。

一  ――ねえ、死にましょうよ、とおうめが思いつめたように云った。

雪の上の霜山本周五郎1時間〜25,993

一  その仕事は簡単なものであった。

一  その仕事は簡単なものであった。

海浜荘の殺人山本周五郎30分以内8,875

四人の客 「エル、まだかい」  ベランダから無遠慮に覗きながら、高野千之が声をかけた。

四人の客 「エル、まだかい」  ベランダから無遠慮に覗きながら、高野千之が声をかけた。

滝口山本周五郎1時間〜50,455

一  益村安宅が釣りをしていると、畠中辰樹が来て「釣れたか」と云った。

一  益村安宅が釣りをしていると、畠中辰樹が来て「釣れたか」と云った。

青べか日記山本周五郎1時間〜37,904

しっかりしろ三十六、貴様は挫けるのか、世間の奴等に万歳を叫ばし度いのか、元気を出せ、貴様は選ばれた男だぞ、そして確りとその両の足で立上って困苦や窮乏を迎えろ、貴様にはその力があるんだぞ、忘れるな、自分を尚べ大事にしろ。

しっかりしろ三十六、貴様は挫けるのか、世間の奴等に万歳を叫ばし度いのか、元気を出せ、貴様は選ばれた男だぞ、そして確りとその両の足で立上って困苦や窮乏を迎えろ、貴様にはその力があるんだぞ、忘れるな、自分を尚べ大事にしろ。

超過勤務山本周五郎60分以内15,396

「だめ、だめ」と若い女が云った、「いやよ、そんなことするんならあたし帰るわ」 「ばかだなあ、なんでもないじゃないか」と青年が云った、「こうしたって、こうしたって平気なのに、どうしてそれだけいけないんだ」 「知らないふりしないで」と女が云った、「あたしまだ嫁入りまえなんですからね」 「古臭いよそんなこと、きみの躯はきみのもんじゃないか」と青年が云った、「握手をする手だってキスをする唇だってきみのもん

「だめ、だめ」と若い女が云った、「いやよ、そんなことするんならあたし帰るわ」 「ばかだなあ、なんでもないじゃないか」と青年が云った、「こうしたって、こうしたって平気なのに、どうしてそれだけいけないんだ」 「知らないふりしないで」と女が云った、「あたしまだ嫁入りまえなんですからね」 「古臭いよそんなこと、きみの躯はきみのもんじゃないか」と青年が云った、「握手をする手だってキスをする唇だってきみのもん

だんまり伝九山本周五郎30分以内9,039

一 「どうだい、赤松さまは、いつ見ても恐ろしいなあ、あのかっこうを見てくれ」 「じつにどうも人間とは思えねえ」 「や、や、今日はじまんの樫棒だぜ」  ここは土佐の国浦戸の城中。

一 「どうだい、赤松さまは、いつ見ても恐ろしいなあ、あのかっこうを見てくれ」 「じつにどうも人間とは思えねえ」 「や、や、今日はじまんの樫棒だぜ」  ここは土佐の国浦戸の城中。

寒橋山本周五郎60分以内18,685

一  お孝はときどき自分が恥ずかしくなる。

一  お孝はときどき自分が恥ずかしくなる。

百足ちがい山本周五郎1時間〜28,874

一  江戸の上邸へ着任した秋成又四郎は、その当座かなり迷惑なおもいをさせられた。

一  江戸の上邸へ着任した秋成又四郎は、その当座かなり迷惑なおもいをさせられた。

劇団「笑う妖魔」山本周五郎30分以内8,809

妙な電話 「五郎さん、お電話です」  書生の中野が扉をあけて云った。

妙な電話 「五郎さん、お電話です」  書生の中野が扉をあけて云った。

峠の手毬唄山本周五郎60分以内12,076

一の一 やぐら峠は七曲り  谷間七つは底知れず 峰の茶屋まで霧がまく……。

一の一 やぐら峠は七曲り  谷間七つは底知れず 峰の茶屋まで霧がまく……。

しじみ河岸山本周五郎1時間〜25,940

一  花房律之助はその口書の写しを持って、高木新左衛門のところへいった。

一  花房律之助はその口書の写しを持って、高木新左衛門のところへいった。

麦藁帽子山本周五郎30分以内6,993

斧田はそう訊きたがり屋のほうではない、どちらかといえば日頃から口数も少く、自分の身の廻りのこと以外にはあまり物事に興味をもたぬ男であったが、その老人には初めから奇妙に注意を惹かれた。

斧田はそう訊きたがり屋のほうではない、どちらかといえば日頃から口数も少く、自分の身の廻りのこと以外にはあまり物事に興味をもたぬ男であったが、その老人には初めから奇妙に注意を惹かれた。

十八条乙山本周五郎60分以内13,274

一  その事のおこる五日まえ、西条庄兵衛は妻のあやに火傷をさせた。

一  その事のおこる五日まえ、西条庄兵衛は妻のあやに火傷をさせた。