恋の伝七郎

山本周五郎

『恋の伝七郎』は青空文庫で公開されている山本周五郎の長編作品。29,062文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。

文字数
1時間〜29,062文字
人気
2,145PV
書き出し

歌舞伎役者もはだしの美男 「みんなどうした、そんな隅の方へ引込んでしまってどうしようというんだ」村松銀之丞は竹刀に素振りをくれながら、端麗な顔でぐるっとまわりを見まわした、「道場は剣術の稽古をする所で居眠りをする場所じゃあない、さあおれが揉んでやるから出て来い、そこにいる松井、おまえ出ろ」「いや、いや拙者はちょっと頭が痛いもんで」松井某は片手で額を押えながら慌てて後へ退った。

初出「講談雑誌」博文館、1946(昭和21)年10月号
底本山本周五郎全集第二十巻 晩秋・野分
表記
新字新仮名