30分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
---|
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
---|
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
---|---|---|---|
雲雀病院 | 原民喜 | 30分以内 | |
銀の鈴を振りながら、二頭の小山羊は花やリボンで飾られてゐる大きな乳母車を牽いて行つた。 | |||
入梅 | 久坂葉子 | 30分以内 | |
わたしは庭に降りて毛虫を探し、竹棒でそれをつきころしていた。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
朝散太夫とは、支那唐朝の制にて従五品下の雅称、我国にて従五位下の唐名とある。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
アンポンタンはぼんやりと人の顔を眺める癖があったので、「いやだねおやっちゃん、私の顔に出車でも通るのかね。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
一族の石塔五十幾基をもった、朝散太夫藤木氏の末裔チンコッきりおじさんは、三人の兄弟であったが、揃いもそろった幕末お旗本ならずものの見本で、仲兄は切腹、上の兄は他から帰ってきたところを、襖(ふすま)のかげから跳り出た父親が手にかけたのだった。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
青葉の影を「柳の虫」の呼び声が、細く長く、いきな節に流れてゆく。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
神田のクリスチャンの伯母さんの家の家風が、あんぽんたんを甚くよろこばせた。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
この章にうつろうとして、あんぽんたんはあまりあんぽんたんであった事を残念に思う。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
金持ちになれる真理となれない真理――転がりこんで来た金玉を、これは正当な所得ではございませんとかえして貧乏する。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
八月の暑い午後、九歳のあんぽんたんは古帳面屋のおきんちゃんに連れられて、附木店のおきんちゃんの叔母さんの家へいった。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
芦寿賀さんは、向う両国の青柳といった有名な料亭の女将でもあった。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
夏の朝、水をたっぷりつかって、ざぶざぶと浴衣をあらう気軽さ。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
明治廿二年二月の憲法発布の日はその夜明けまで雪が降った。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
あんぽんたんとよばれた少女のおぼつかない記憶にすぎないが、時が、明治十六年ごろから多く廿年代のことであり、偶然にも童女の周囲が、旧江戸の残存者層であって、新文明の進展がおくれがちであったことなど、幾分記録されてよいものであったためか、先輩の推賞を得た拙著『旧聞日本橋』の稿を、ここにつづけることをよろこびといたします。 | |||
旧聞日本橋 | 長谷川時雨 | 30分以内 | |
堀留――現今では堀留町となっているが、日本橋区内の、人形町通りの、大伝馬町二丁目後の、横にはいった一角が堀留で、小網町河岸の方からの堀留なのか、近い小舟町にゆかりがあるのか、子供だったわたしに地の理はよく分らなかったが、あの辺一帯を杉の森とあたしたちは呼んでいた。 | |||
南予枇杷行 | 河東碧梧桐 | 30分以内 | |
上り約三里もある犬寄峠を越えると、もう鼻柱[#「鼻柱」は底本では「鼻桂」]を摩する山びやうぶの中だ。 | |||
水郷柳河 | 北原白秋 | 30分以内 | |
私の郷里柳河は水郷である。 | |||
耶馬渓の一夜 | 田山花袋 | 30分以内 | |
町のお祭か何かで、中津の停車場はひどく雑沓した。 | |||
佗しい放浪の旅 | 徳田秋声 | 30分以内 | |
別府も私の行つた時分は、創始時代とでもいふのであつたらう。 | |||
世界怪談名作集 | 瞿佑 | 30分以内 | |
元の末には天下大いに乱れて、一時は群雄割拠の時代を現出したが、そのうちで方谷孫というのは浙東の地方を占領していた。 | |||
支流 | 斎藤茂吉 | 30分以内 | |
此方から見ると対岸の一ところに支流の水のそそいでゐるのが分かる。 | |||
双葉山 | 斎藤茂吉 | 30分以内 | |
強い双葉山が、四日目に安芸ノ海に負け、五日目に両国に負け、六日目に鹿島洋に負けたので、贔屓客が贔屓するあまり、実にいろいろの事をし、医者の診察をすすめたり、心理学の大家の説を訊いたり、いろいろの事をしてゐる。 | |||
地図 | 太宰治 | 30分以内 | |
琉球、首里の城の大広間は朱の唐様の燭台にとりつけてある無数の五十匁掛の蝋燭がまばゆい程明るく燃えて昼の様にあかるかつた。 | |||
山の湯雑記 | 折口信夫 | 30分以内 | |
山の※※(スガル)[#「虫+羸」、166-1]の巣より出で入道の上立ちどまりつつるひそかなりけり前に来たのは、ことしの五月廿日、板谷を越えて米沢へ出ると、町は桜の花盛りであった。 | |||
日本美 | 折口信夫 | 30分以内 | |
私は日本の民俗の上からお話を申し上げたいと思つてゐます。 | |||
門松のはなし | 折口信夫 | 30分以内 | |
正月に門松を立てる訣(わけ)を記憶してゐる人が、今日でもまだあるでせうか。 | |||
人麿の妻 | 斎藤茂吉 | 30分以内 | |
人麿の妻は、万葉の歌から推しても、二人だといふ説があり、三人だといふ説があり、四人だといふ説があり、五人だといふ説がある。 | |||
『さびし』の伝統 | 斎藤茂吉 | 30分以内 | |
短歌には形式上の約束があるために、新らしい言葉がなかなか入り難い。 | |||
リギ山上の一夜 | 斎藤茂吉 | 30分以内 | |
瑞西の首都 Z※rich(チュリヒ) をば午後二時十分発の急行列車で立った。 | |||
呉秀三先生 | 斎藤茂吉 | 30分以内 | |
故正岡子規先生の『仰臥漫録』は、私の精神生活にはなくてかなわぬ書物の一つであった。 | |||
大いなるもの | 宮本百合子 | 30分以内 | |
大いなるものの悲しみ!偉大なるものの歎き!すべての時代に現われた大いなるものは、押並べて其の輝やかしい面を愁の涙に曇らして居る。 | |||
小さい子供 | 宮本百合子 | 30分以内 | |
小寒に入った等とは到底思われない程穏かな好い日なので珍らしく一番小さい弟を連れて植物園へ行って見ました。 | |||
二月七日 | 宮本百合子 | 30分以内 | |
彼女は耳元で激しく泣き立てる小さい妹の声で夢も見ない様な深い眠りから、丁度玉葱の皮を剥(む)く様に、一皮ずつ同じ厚さで目覚まされて行きました。 | |||
一条の縄 | 宮本百合子 | 30分以内 | |
月の冴えた十一月の或る夜である。 | |||
自伝 | 三島霜川 | 30分以内 | |
幼い時から、小説類を讀むことが好きで、十二三の頃から古いものでは水滸傳だとか三國志だとか、新らしいものでは涙香の飜譯物や、南翠の作を好んで讀んだ。 | |||
老子化胡経 | 桑原隲蔵 | 30分以内 | |
如何なる宗教でも、他の國民の間に傳播して行く際には、その國民の有して居つた舊信仰と衝突するものである。 | |||
支那猥談 | 桑原隲蔵 | 30分以内 | |
吾が輩は今支那の時事問題について格別の意見をもつて居らぬ。 | |||
文学に於ける虚構 | 折口信夫 | 30分以内 | |
このごろ、短歌の上で虚構の問題が大分取り扱はれて來た。 | |||
久坂葉子の誕生と死亡 | 久坂葉子 | 30分以内 | |
今からざっと三年半前、一九四九年の夏前に、久坂葉子は、この世に存在しはじめた。 | |||
商品としての近代小説 | 平林初之輔 | 30分以内 | |
文学作品の大衆性の問題は、ルナチヤルスキイ等がいふやうに、文学作品の形式の問題に止まるであらうか?更に進んでは、これは文学そのものに内在する問題であらうか?そして或る作品が大衆性を有するといふこと自体が、その作品の何か非常に望ましき芸術的なメリツト若しくは価値であるだらうか?私は最近まで、この疑問に対して「然り」と答へるのを常としてゐた。 | |||
村々の祭り | 折口信夫 | 30分以内 | |
今宮の自慢話ことしの夏は、そんな間がなくて、とう/\見はづして了うたので、残念に思うてゐる。 | |||
万葉集に現れた古代信仰 | 折口信夫 | 30分以内 | |
万葉集に現れた古代信仰といふ題ですが、問題が広過ぎて、とりとめもない話になりさうです。 | |||
辞書 | 折口信夫 | 30分以内 | |
日本の辞書のできてくる道筋について考えてみる。 | |||
人形の話 | 折口信夫 | 30分以内 | |
歌舞伎に関係のある話は、御祭りの芝の舞台の話でしまっておき、この章では話を変えて、人形の話を簡単にしておきたいと思う。 | |||
神道の新しい方向 | 折口信夫 | 30分以内 | |
昭和二十年の夏のことでした。 | |||
妣が国へ・常世へ | 折口信夫 | 30分以内 | |
われ/\の祖たちが、まだ、青雲のふる郷を夢みて居た昔から、此話ははじまる。 | |||
鬼の話 | 折口信夫 | 30分以内 | |
おにと神と「おに」と言ふ語にも、昔から諸説があつて、今は外来語だとするのが最勢力があるが、おには正確に「鬼」でなければならないと言ふ用語例はないのだから、わたしは外来語ではないと思うてゐる。 | |||
たなばたと盆祭りと | 折口信夫 | 30分以内 | |
この二つの接近した年中行事については、書かねばならぬ事の多すぎる感がある。 | |||
葦笛(一幕) | 宮本百合子 | 30分以内 | |
人物精霊三人シリンクスダイアナ神ニ侍リ美くしい又とない様な精女ペーンマアキュリの長子林の司こんもりしげった森の中遠くに小川がリボンの様に見える所。 | |||
無題 | 宮本百合子 | 30分以内 | |
河原蓬と云う歌めいた響や、邪宗の僧、摩利信乃法師等と云う、如何にも古めかしい呼名が、芥川氏一流の魅力を持って、私の想像を遠い幾百年かの昔に運び去ると同時に、私の心には、又何とも云えないほど、故国の薫りが高まって来た。 |