60分以内で読める青空文庫の中編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、ちょいと逢ってお願いしたいという人があるんだが――」ガラッ八の八五郎は膝っ小僧を揃(そろ)えて神妙に申上げるのです。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
銭形平次はお上の御用で甲府へ行って留守、女房のお静は久し振りに本所の叔母さんを訪ねて、「しいちゃんのは鬼の留守に洗濯じゃなくて、淋しくなってたまらないから、私のようなものを思い出して来てくれたんだろう」などと、遠慮のないことを言われながら、半日油を売った帰り途、東両国の盛り場に差しかかったのは、かれこれ申刻(四時)に近い時分でした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、変なことがありますよ」「何が変なんだ。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、面白くてたまらないという話を聞かせましょうか」ガラッ八の八五郎は、膝っ小僧を気にしながら、真四角に坐りました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「ね、親分、こいつは珍しいでしょう」ガラッ八の八五郎は、旋風のように飛込んで来ると、いきなり自分の鼻を撫(な)で上げるのでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、飯田町の上総屋が死んだそうですね」ガラッ八の八五郎は、またニュースを一つ嗅ぎ出して来ました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
深川の材木問屋春木屋の主人治兵衛が、死んだ女房の追善に、檀那寺なる谷中の清養寺の本堂を修理し、その費用三千両を釣台に載せて、木場から谷中まで送ることになりました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「へッ、へッ、可笑しなことがありますよ、親分」「何が可笑しいんだ。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
笛の名人春日藤左衛門は、分別盛りの顔を曇らせて、高々と腕を拱(こまぬ)きました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「八、あの巡礼を跟(つ)けてみな」平次は顎をしゃくって見せました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
屑屋の周助が殺されました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「八、身体が暇かい」銭形平次は、フラリと来たガラッ八の八五郎をつかまえました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、小柳町の伊丹屋の若旦那が来ましたぜ、何か大変な事があるんですって」「恐ろしく早いじゃないか、待たしておけ」「ヘエ――」平次は八五郎を追いやるように、ガブガブと嗽(うがい)をしました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
公儀御用の御筆師、室町三丁目の「小法師甲斐」は、日本橋一丁目の福用、常盤橋の速水と相並んで繁昌しましたが、わけても小法師甲斐は室町の五分の一を持っているという家主で、世間体だけはともかくも、大層な勢いでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
ガラッ八の八五郎が、両国の水茶屋朝野屋の様子を、三日つづけて見張っておりました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
本郷菊坂の六軒長屋――袋路地のいちばん奥の左側に住んでいる、烏婆アのお六が、その日の朝、無惨な死骸になって発見されたのです。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、良い陽気じゃありませんか。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分は、本当に真面目に聞いて下さるでしょうか、笑っちゃ嫌でございますよ」「藪(やぶ)から棒に、そんな事を言っても判りゃしません。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
これは銭形平次の最初の手柄話で、この事件が平次を有名にしたのです。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、あれを御存じですかえ」ガラッ八の八五郎はいきなり飛び込んで来ると、きっかけも脈絡もなく、こんなことを言うのでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
不動明王の木像が、その右手に持った降魔の利剣で、金貸叶屋重三郎を突き殺したという、江戸開府以来の大騒ぎがありました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、近頃は胸のすくような捕物はありませんね」ガラッ八の八五郎は先刻から鼻を掘ったり欠伸をしたり、煙草を吸ったり全く自分の身体を持て余した姿でした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「八、厄介なことになったぜ」銭形の平次は八丁堀の組屋敷から帰って来ると、鼻の下を長くして待っている八五郎に、いきなりこんなことを言うのです。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
師走に入ると、寒くてよく晴れた天気がつづきました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
その晩、代地のお秀の家で、月見がてら、お秀の師匠に当る、江戸小唄の名人十寸見露光の追善の催しがありました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、何かこう胸のすくようなことはありませんかね」ガラッ八の八五郎は薄寒そうに弥蔵を構えたまま、膝小僧で銭形平次の家の木戸を押し開けて、狭い庭先へノソリと立ったのでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、折角ここまで来たんだから、ちょいと門前町裏を覗いてみましょうか」銭形平次と子分の八五郎は、深川の八幡様へお詣りした帰り、フト出来心で結改場(楊弓場)を覗いたのが、この難事件に足を踏込む発端でした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
伽羅大尽磯屋貫兵衛の涼み船は、隅田川を漕(こ)ぎ上って、白鬚の少し上、川幅の広いところを選って、中流に碇(いかり)をおろしました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「御免」少し職業的に落着き払った声、銭形平次はそれを聞くと、脱いでいた肌を入れて、八五郎のガラッ八に目くばせしました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「やい、ガラッ八」「ガラッ八は人聞きが悪いなア、後生だから、八とか、八公とか言っておくんなさいな」「つまらねエ見得を張りやがるな、側に美しい新造でも居る時は、八さんとか、八兄哥とか言ってやるよ、平常使いはガラッ八で沢山だ。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分の前だが、この頃のように暇じゃやりきれないね、ア、ア、ア、ア」ガラッ八の八五郎は思わず大きな欠伸をしましたが、親分の平次が睨(にら)んでいるのを見ると、あわてて欠伸の尻尾に節をつけたものです。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「江戸中の評判なんですがね、親分」「何が評判なんだ」ガラッ八の八五郎が、何か変なことを聞込んで来たらしいのを、銭形の平次は浮世草紙の絵を眺めながら、無関心な態度で訊き返しました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
話はガラッ八の八五郎から始まります。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、美い新造が是非逢わしてくれって、来ましたぜ」とガラッ八の八五郎、薄寒い縁にしゃがんで、柄にもなく、お月様の出などを眺めている銭形の平次に声を掛けました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分の前だが――」ガラッ八の八五郎は、何やらニヤニヤとしております。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
小網町二丁目の袋物問屋丸屋六兵衛は、とうとう嫁のお絹を追い出した上、倅(せがれ)の染五郎を土蔵の二階に閉じ籠めてしまいました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、変なことがありますよ」八五郎のガラッ八が、長い顔を糸瓜棚の下から覗かせたとき、銭形の平次は縁側の柱にもたれて、粉煙草をせせりながら、赤蜻蛉の行方を眺めておりました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
三河町一丁目の大元締、溝口屋鐘五郎の家は、その晩割れ返るような賑わいでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
ガラッ八の八五郎はぼんやり日本橋の上に立っておりました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、変なことがあるんだが――」ガラッ八の八五郎がキナ臭い顔を持ち込んだのは、まだ屠蘇(とそ)機嫌のぬけ切らぬ、正月六日のことでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「八、どこの帰りだ。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「こいつは可哀想だ」銭形平次も思わず顔を反けました。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「お早う」ガラッ八の八五郎は、尋常な挨拶をして、慎み深く入って来ると、お静のくんで出した温かい茶を、お薬湯のように押し戴いて、二た口三口啜(すす)りながら、上眼づかいに四辺を見廻すのでした。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 60分以内 | |
「親分、こいつは変っているでしょう。 | |||
日の出 | 国木田独歩 | 60分以内 | |
某法學士洋行の送別會が芝山内の紅葉館に開かれ、會(くわい)の散じたのは夜の八時頃でもあらうか。 | |||
舌を噛み切った女 | 室生犀星 | 60分以内 | |
京にのぼる供は二十人くらい、虫の垂衣で蔽うた馬上の女のすがたは、遠目にも朝涼の中で清艶を極めたものであった。 | |||
野に臥す者 | 室生犀星 | 60分以内 | |
経之の母御は朝のあいさつを交したあとに、ふしぎそうな面持でいった。 | |||
姫たちばな | 室生犀星 | 60分以内 | |
はじめのほどは橘(たちばな)も何か嬉(うれ)しかった。 | |||
日本名婦伝 | 吉川英治 | 60分以内 | |
義経はもろ肌を脱いで、小冠者に、背なかの灸(きゅう)をすえさせていた。 | |||
田崎草雲とその子 | 吉川英治 | 60分以内 | |
梅渓餓鬼草紙の中に住む一九先生に会うの機縁山谷堀の船宿、角中の亭主は、狂歌や戯作などやって、ちっとばかり筆が立つ。 |