60分以内で読める青空文庫の中編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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放浪作家の冒険 | 西尾正 | 60分以内 | |
私が或る特殊な縁故を辿(たど)りつつ、雑司ヶ谷鬼子母神裏陋屋の放浪詩人樹庵次郎蔵の間借部屋を訪れたのは、恰(あたか)も秋は酣(たけなわ)、鬼子母神の祭礼で、平常は真暗な境内にさまざまの見世物小屋が立ち並び、嵐のような参詣者や信者の群の跫音話声と共に耳を聾(ろう)するばかりの、どんつくどんどんつくつくと鳴る太鼓の音が空低しとばかりに響き渡る、殷賑(いんしん)を極めた夜であった。 | |||
生きている戦死者 | 牧逸馬 | 60分以内 | |
背の高い、物腰の柔かい上品な男だった。 | |||
怪異黒姫おろし | 江見水蔭 | 60分以内 | |
熊!熊!荒熊。 | |||
悪因縁の怨 | 江見水蔭 | 60分以内 | |
天保銭の出来た時代と今と比べると、なんでも大変に相違しているが、地理でも非常に変化している。 | |||
抱茗荷の説 | 山本禾太郎 | 60分以内 | |
女は名を田所君子といった。 | |||
備前天一坊 | 江見水蔭 | 60分以内 | |
徳川八代の将軍吉宗の時代(享保十四年)その落胤と名乗って源氏坊天一が出た。 | |||
怪異暗闇祭 | 江見水蔭 | 60分以内 | |
天保の頃、江戸に神影流の達人として勇名を轟かしていた長沼正兵衛、その門人に小机源八郎というのがあった。 | |||
ロウモン街の自殺ホテル | 牧逸馬 | 60分以内 | |
ホテル・アムステルダムの女主人セレスティンは、三階から駈け降りて来た給仕人の只ならぬ様子にぎょっとして、玄関わきの帳場から出て来た。 | |||
春昼後刻 | 泉鏡花 | 60分以内 | |
二十四この雨は間もなく霽(は)れて、庭も山も青き天鵞絨に蝶花の刺繍ある霞(かすみ)を落した。 | |||
頼襄を論ず | 山路愛山 | 60分以内 | |
文章即ち事業なり。 | |||
愛の為めに | 甲賀三郎 | 60分以内 | |
夫の手記私はさっきから自動車を待つ人混みの中で、一人の婦人に眼を惹かれていた。 | |||
楢ノ木大学士の野宿 | 宮沢賢治 | 60分以内 | |
楢ノ木大学士は宝石学の専門だ。 | |||
黄昏の告白 | 浜尾四郎 | 60分以内 | |
沈み行く夕陽の最後の光が、窓硝子を通して室内を覗(のぞ)き込んでいる。 | |||
茶話 | 薄田泣菫 | 60分以内 | |
頤の外れたのを治す法詩人室生犀星氏のお父さんのこと4・23サンデー毎日詩人室生犀星氏のお父さんは、医者であつた。 | |||
平賀源内捕物帳 | 久生十蘭 | 60分以内 | |
十六日の朝景色薄い靄(もや)の中に、応挙風の朱盆のような旭(あさひ)がのぼり、いかにもお正月らしいのどかな朝ぼらけ。 | |||
平賀源内捕物帳 | 久生十蘭 | 60分以内 | |
普賢菩薩のお白象チャッチャッチキチ、チャッチキチ、ヒイヤラヒイヤラ、テテドンドン……「夏祭だ」「夏祭だ」「天下祭でい」「御用祭だ」「練って来た、練って来た。 | |||
平賀源内捕物帳 | 久生十蘭 | 60分以内 | |
朱房銀※(しゅぶさぎんづか)の匕首源内先生は旅姿である。 | |||
「太平洋漏水孔」漂流記 | 小栗虫太郎 | 60分以内 | |
竜宮から来た孤児前作「天母峯」で活躍した折竹孫七の名を、読者諸君はお忘れではないと思う。 | |||
書記官 | 川上眉山 | 60分以内 | |
笆(まがき)に媚(こ)ぶる野萩の下露もはや秋の色なり。 | |||
空家 | 宮崎湖処子 | 60分以内 | |
上麑島謀反の急報は巻き来たる狂瀾のごとく九州の極より極に打てり、物騒なる風説、一たびは熊本城落ちんとするの噂(うわさ)となり、二たびは到るところの不平士族賊軍に呼応して、天下再び乱れんとするの杞憂となり、ついには朝廷御危しとの恐怖となり、世間はみずから想像してみずから驚愕せり、ただ生活に窮せる士族、病人に棄てられたる医者、信用なき商人、市井の無頼らが命の価を得んとて戦場に赴くあるのみ、他は皆南方の風にも震えり、しかれども熊本城ははるかに雲のあなたにて、ここは山川四十... | |||
宝塚生い立ちの記 | 小林一三 | 60分以内 | |
四十年前の宝塚風景私が宝塚音楽学校を創めてから、今年でちょうど四十一年になる。 | |||
緑衣の女 | 松本泰 | 60分以内 | |
夏の夕暮であった。 | |||
稀有の犯罪 | 小酒井不木 | 60分以内 | |
悲劇というものは、しばしば、まるでお話にならぬような馬鹿々々しい原因で発生するものであります。 | |||
「マリー・ロオジェ事件」の研究 | 小酒井不木 | 60分以内 | |
一、序言ポオの探偵小説「マリー・ロオジェ事件」は、言う迄もなく、一八四一年七月、紐育を騒がせたメリー・ロオジャース殺害事件を、パリーに起った出来事として物語に綴り、オーギュスト・ヂュパンをして、その迷宮入りの事件に、明快なる解決を与えさせたものである。 | |||
岩魚 | 佐藤垢石 | 60分以内 | |
石坂家は、大利根川と榛名山と浅間火山との間に刻む渓谷に水源を持つ烏川とが合流する上州佐波郡芝根村沼之上の三角州の上に、先祖代々農を営む大地主である。 | |||
食べもの | 佐藤垢石 | 60分以内 | |
私は、この三月七日に、故郷の村へ移り住んだ。 | |||
老狸伝 | 佐藤垢石 | 60分以内 | |
大寒に入って間もない頃、越後国岩船郡村上町の友人から、野狸の肉と、月の輪熊の肉が届いた。 | |||
わが童心 | 佐藤垢石 | 60分以内 | |
二、三日前、紀州熊野の山奥に住む旧友から、久し振りに手紙がきた。 | |||
酒徒漂泊 | 佐藤垢石 | 60分以内 | |
昨年の霜月のなかばごろ、私はひさしぶりに碓氷峠を越えて、信濃路の方へ旅したのである。 | |||
瀞 | 佐藤垢石 | 60分以内 | |
南紀の熊野川で、はじめて鮎の友釣りを試みたのは、昭和十五年の六月初旬であった。 | |||
哲学はどう学んでゆくか | 三木清 | 60分以内 | |
哲學はどう學んでゆくかといふ問は、私のしばしば出會ふ問である。 | |||
かへらじと | 岸田国士 | 60分以内 | |
時昭和十四年初夏より同年の晩秋にかけて処関東地方の小さな町人志岐行二十五ふく二十行一の妹きぬ四十五行一の母大坪参弐二十四大五六十参弐の父飯田虎松四十二町長代理角崎九蔵三十八在郷軍人分会長北野守男四十五国民学校々長上島通二十五農事試験場技手結城正敏四十二予備陸軍少佐小菅三郎二十五郵便局員柏原茂二十九青... | |||
雅俗貧困譜 | 岸田国士 | 60分以内 | |
人物押川進三十妻なる子二十四持山六郎三十二妻なぞえ二十五陽々軒女将三十五摺沢六十紙屋二十五印刷屋十八製本屋四十五彦十六場所東京の裏街の二階家。 | |||
五月晴れ | 岸田国士 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]大庭悠吉三十同空子二十三女中かな二十児玉的外五十六同初男十新聞配達二十[#改ページ]五月末の日曜日昼近く東京郊外のどんづまり大庭悠吉の住居――新しい文化住宅舞台正面は座敷の縁、二階から突き出た露台。 | |||
職業(教訓劇) | 岸田国士 | 60分以内 | |
ある新劇団の稽古場。 | |||
空の悪魔(ラヂオ・ドラマ) | 岸田国士 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]酒井欽蔵(四十八)妻いく(四十五)娘加代(二十四)息子鉄蔵(十八)娘美代(十六)店員庄市(三十)其他[#改ページ]解説東京山の手の裏通りに、さゝやかな店を構へてゐる時計商、酒井欽蔵の一家、物語の中心はこの一家であります。 | |||
秘密の代償 | 岸田国士 | 60分以内 | |
人物生田是則四十九妻数子四十六息子是守二十五小間使てる二十七月の半ば過ぎである。 | |||
キド効果 | 海野十三 | 60分以内 | |
「うふふん。 | |||
医術の進歩 | 岸田国士 | 60分以内 | |
榊卯一郎新案炊事手袋製造業同とま子その妻今田末子親戚の女津幡直医師乙竹外雄外交員きぬ女中三木小僧松原延蔵医師[#改ページ]榊卯一郎の住宅兼工場。 | |||
運を主義にまかす男 | 岸田国士 | 60分以内 | |
底野(又はカマボコ)飛田(又はトンビ)こよ以前の下宿の娘口髭を生やした行商人癈兵と称する押売鶯を飼ふ老人宇部家の小間使[#改ページ]底野、飛田の両人が共同で借りてゐる郊外の小住宅。 | |||
顔 | 岸田国士 | 60分以内 | |
男女菅沼るい京野精土屋園子ある海浜の寂れたホテル四月のはじめ。 | |||
世帯休業 | 岸田国士 | 60分以内 | |
人物夫渋谷八十妻詩人鳥羽妻の母君い女かも子夫の友人茶木八百や[#改ページ]第一場舞台は、すべて戸締りをした家の内部。 | |||
間木老人 | 北条民雄 | 60分以内 | |
この病院に入院してから三ヶ月程過ぎたある日、宇津は、この病院が実験用に飼育してゐる動物達の番人になつてはくれまいかと頼まれた。 | |||
癩を病む青年達 | 北条民雄 | 60分以内 | |
序章他の慢性病もやはりさうであらうが、癩といへども、罹つたが最後全治不可能とはいへ、忽ちのうちに病み重るといふことはなく、波のやうに一進一退の長い月日を過しつつ、しかし満ちて来る潮のやうに、波の穂先は進んでは退き進んでは退きしつつやがて白い砂地を波の下にしてしまふ。 | |||
続癩院記録 | 北条民雄 | 60分以内 | |
十個の重病室があり、各室五名づつの附添夫が重病人の世話をしてゐることはさきに記したが、これらの附添夫も勿論病人であり、何時どのやうな病勢の変化があるか解らない。 | |||
決闘場 | 岡本かの子 | 60分以内 | |
ロンドンの北隅ケンウッドの森には墨色で十数丈のシナの樹や、銀色の楡(にれ)の大樹が逞(たく)ましい幹から複雑な枝葉を大空に向けて爆裂させ、押し拡げして、澄み渡った中天の空気へ鮮やかな濃緑色を浮游させて居る。 | |||
荘子 | 岡本かの子 | 60分以内 | |
紀元前三世紀のころ、支那では史家が戦国時代と名づけて居る時代のある年の秋、魏の都の郊外櫟社の附近に一人の壮年=荘子が、木の葉を敷いて休んでいた。 | |||
豆腐買い | 岡本かの子 | 60分以内 | |
おもて門の潜戸を勇んで開けた。 | |||
取返し物語 | 岡本かの子 | 60分以内 | |
前がきいつぞやだいぶ前に、比叡の山登りして阪本へ下り、琵琶湖の岸を彼方此方見めぐるうち、両願寺と言ったか長等寺と言ったか、一つの寺に『源兵衛の髑髏』なるものがあって、説明者が殉教の因縁を語った。 | |||
百喩経 | 岡本かの子 | 60分以内 | |
前言この作は旧作である。 |