60分以内で読める青空文庫の中編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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わかれ | 国木田独歩 | 60分以内 | |
わが青年の名を田宮峰二郎と呼び、かれが住む茅屋は丘の半腹にたちて美わしき庭これを囲み細き流れの北の方より走り来て庭を貫きたり。 | |||
鎌倉時代の布教と当時の交通 | 原勝郎 | 60分以内 | |
佛教が始めて我國に渡來してから、六百餘年を經て所謂鎌倉時代に入り、淨土宗、日蓮宗、淨土眞宗、時宗、それに教外別傳の禪宗を加へて、總計五ツの新宗派が前後六七十年の間に引續いて起つたのは、我國宗教史上の偉觀とすべきものであつて、予は之を本邦の宗教改革として、西洋の耶蘇紀元十六世紀に於ける宗教改革に對比するに足るものと考へる、其理由は雜誌「藝文」の明治四十四年七月號に「東西の宗教改革」として載せてあるから、詳細はそれに讓つて今は省略に從ふ、併ながら講演の順序としては、此等各宗の教義の内容に深入... | |||
雑記(Ⅰ) | 寺田寅彦 | 60分以内 | |
日比谷から鶴見へ夏のある朝築地まで用があって電車で出掛けた。 | |||
海神に祈る | 田中貢太郎 | 60分以内 | |
普請奉行の一木権兵衛は、一人の下僚を伴れて普請場を見まわっていた。 | |||
南北の東海道四谷怪談 | 田中貢太郎 | 60分以内 | |
伊藤喜兵衛は孫娘のお梅を伴れて、浅草観音の額堂の傍を歩いていた。 | |||
六月 | 相馬泰三 | 60分以内 | |
まあ、なんと言ったらいいだろう、そうだ、自分の身体がなんのこともなくついばらばらに壊れてゆくような気持であった。 | |||
初恋 | 矢崎嵯峨の舎 | 60分以内 | |
ああ思い出せばもウ五十年の昔となッた。 | |||
魔王物語 | 田中貢太郎 | 60分以内 | |
日本には怪談はかなりあるけれども、其の多くは仏教から胚胎した因果物語か、でなければ狐狸などの妖怪であって、独立した悪魔のような物語はあまりない。 | |||
南方 | 田畑修一郎 | 60分以内 | |
島へ來てもう一月近くになるが、なんて風の吹くところだらう。 | |||
紙の歴史 | 桑原隲蔵 | 60分以内 | |
(一)先秦時代の書寫の材料(二)紙の發明(三)マホメット教國に於ける紙の傳播(上)(四)マホメット教國に於ける紙の傳播(下)(五)オーストリーのライネル太公爵の古紙蒐集(六)西本願寺所藏の古文書紙の發明は世界の文化に多大の貢獻をした。 | |||
静物 | 十一谷義三郎 | 60分以内 | |
家を持つて間のない道助夫妻が何かしら退屈を感じ出して、小犬でも飼つて見たらなどと考へてる頃だつた、遠野がお祝ひにと云つて喙(くちばし)の紅い小鳥を使ひの者に持たせて寄来してくれた。 | |||
山の手の子 | 水上滝太郎 | 60分以内 | |
お屋敷の子と生まれた悲哀を、しみじみと知り初めたのはいつからであったろう。 | |||
鶏 | 森鴎外 | 60分以内 | |
石田小介が少佐参謀になって小倉に着任したのは六月二十四日であった。 | |||
蠱惑 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
――私はその頃昼と夜の別々の心に生きていた。 | |||
恩人 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
年毎に彼の身体に悪影響を伝える初春の季節が過ぎ去った後、彼はまた静かなる書斎の生活をはじめた、去ってゆく時の足跡をじっと見守っているような心地をし乍ら。 | |||
囚われ | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
孝太郎が起き上った時恒雄夫妻はまだ眠っていた。 | |||
球突場の一隅 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
夕方降り出した雨はその晩遅くまで続いた。 | |||
過渡人 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
三月の末に矢島さんは次のようなことを日記に書いた。 | |||
少年の死 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
十一月のはじめ夜遅く馬喰町の附近で、電車に触れて惨死した少年があった。 | |||
生と死との記録 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
十月十八日、空が晴れて日の光りが麗しかった。 | |||
蘇生 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
人物高木敬助………二十四歳、大学生中西省吾………二十五歳、大学生、敬助と同居人山根慶子………二十一歳、敬助の自殺せる恋人同秋子………十八歳、慶子の妹村田八重子………二十一歳、慶子の親友、省吾と許婚の女其他――老婆(六十三歳、敬助と省吾との召使)、看護婦、医師、高橋及び斎藤(敬助の友人)、幻の人物数人深い水底に沈んだ様な感じだった。 | |||
微笑 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
私は遂に女と別れてしまった。 | |||
楠の話 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
その頃私の家は田舎の広い屋敷に在った。 | |||
愚かな一日 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
瀬川が来ているのだなと夢現のうちに考えていると、何かの調子に彼はふいと眼が覚めた。 | |||
或る女の手記 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
私はそのお寺が好きだった。 | |||
未来の天才 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
幸福というものは、何時何処から舞い込んでくるか分らない。 | |||
月明 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
褌(ふんどし)一つきりの裸体の漁夫が、井端で、大漁の鯵(あじ)を干物に割いていた。 | |||
白血球 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
がらり…………ぴしゃりと、玄関の格子戸をいつになく手荒く開け閉めして、慌しく靴をぬぐが早いか、綾子は座敷に飛び込んできた。 | |||
野ざらし | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
「奇体な名前もあるもんですなあ……慾張った名前じゃありませんか。 | |||
神棚 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
霙交りの雨が、ぽつりぽつりと落ちてくる気配だった。 | |||
悪夢 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
私は時々、変梃な気持になることがある。 | |||
電車停留場 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
七月の中旬、午後からの曇り空が、降るともなく晴れるともなく、そのまま薄らいで干乾びてゆき、軽い風がぱったりと止んで、いやに蒸し暑い晩の、九時頃のことだった。 | |||
林檎 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
四月初旬の夜のことだった。 | |||
同胞 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
恒夫は四歳の時父に死なれて、祖父母と母とだけの家庭に、独り子として大事に育てられてきた。 | |||
人間繁栄 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
津田洋造[#「洋造」は底本では「洋蔵」]は、長男が生れた時、その命名に可なり苦しんで、いろいろ考え悩んだ末、一郎と最も簡単に名づけてしまった。 | |||
好意 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
河野が八百円の金を無理算段して、吉岡の所へ返しに来たのは、何も、吉岡の死期が迫ってると信じて、今のうちに返済しておかなければ………とそういうつもりではないらしかった。 | |||
道連 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
君は夜道をしたことがあるかね。 | |||
叔父 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
中野さんには、喜代子という美しい姪があった。 | |||
或る素描 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
長谷部といえば、私達の間には有名な男だった。 | |||
丘の上 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
丘の上には、さびれた小さな石の堂があって、七八本の雑木が立並んでいた。 | |||
不肖の兄 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
敏子なぜ泣くんだ。 | |||
裸木 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
佐野陽吉には、月に一度か二度、彼の所謂「快活の発作」なるものが起った。 | |||
溺るるもの | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
或る図書館員の話掘割の橋のたもとで、いつも自動車を乗り捨てた。 | |||
傷痕の背景 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
比較的大きな顔の輪郭、額のぶあつい肉附、眼瞼の薄いぎょろりとした眼玉、頑丈な鼻、重みのある下唇、そして、いつも櫛のはのよく通った髪、小さな口髭……云わば、剛直といった感じのするその容貌の中で、斜に分けられてる薄い頭髪が微笑み、短く刈りこまれてる口髭が社交的に動くのである。 | |||
女客一週間 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
キミ子は、何の前触れもなしに飛びこんできた。 | |||
慾 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
飲酒家の酔い方には、大体二つの型がある。 | |||
立枯れ | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
穏かな低気圧の時、怪しい鋭い見渡しがきいて、遠くのものまで鮮かに近々と見え、もしこれが真空のなかだったら……と、そんなことを思わせるのであるが、そうした低気圧的現象が吾々の精神のなかにも起って、或る瞬間、人事の特殊な面がいやになまなましく見えてくることがある。 | |||
田舎者 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
「ドラ鈴」がこのマダムのパトロンかどうかということが、四五人の常連の間に問題となっていた時、岸本啓介はそうでないということを――彼にしてみれば立証するつもりで――饒舌ってしまった。 | |||
死の前後 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
その朝、女中はいつもより遅く眼をさまして、本能的に遅いのを知ると、あわててとび起きた。 | |||
常識 | 豊島与志雄 | 60分以内 | |
富永郁子よ、私は今や、あらゆるものから解き放された自由な自分の魂を感ずるから、凡てを語ろう。 |